
私はピアノが弾けない。専門的な音楽教育を受けたり、そうでなくても音楽的な環境の下に育った方の多くはピアノが弾けるのだろう。
私はごく貧しい小学校教師の子供として生まれた。大正12年の関東大震災前に立てられた村の小学校教師のための官舎で、軒は曲がり立て付けも歪んでいた。
小学校の同級生でピアノをを習っていたのは、駅前の自転車預り所の娘とおもちゃ工場の経営者の娘の二人だけだった。50人学級6クラスの学校だったが。
なので、あまりピアノ曲とは縁が薄かった。嫌いなわけではないのだが、ピアノ曲の数の余りの膨大さに圧倒された所為もあった。モーツアルト、ベートーベン、ショパン、リストくらいしか聞いていなかったかもしれない。・・・なによりドビュッシーを聞いて衝撃を受けたのはそれほど昔ではないと思う。
それでも、プーランクはほぼ聞いていなかった。そもそも20世紀の作曲家というだけで少し腰が引けていたのかもしれない。
さて、今日はパソコンに向かって仕事をしていた。先日「故障から戻った」ラジカセでNHKFMを聴きながら・・・そのプーランクの曲が流れていた。
うむ、調性音楽だしフランスらしい「深刻ぶらない」音楽、あえて言えば少し軽め、特にこの即興曲は何かシャンソンを聴いているようだ。私のようなごく素人にも入りやすい音楽だったのか・・・そもそも、シャンソン好きの私にはごく身近でもあると感じた次第。
FMではピアノ協奏曲と即興曲が流れていたので、今日は即興曲から。最も有名なのはエディット・ピアフにささげられた15番だが、今回は5番を。