くるぶしに水の気通ふ濃あぢさゐ 西嶋あさ子 紫陽花の季節になりました。「くるぶしに水の気」とは?和装して外出し、履いた足袋の上の素肌に感じる少し湿った風なのかもしれない。あるいは「くるぶし」とは紫陽花の茎を表現しているのかも? 「濃あぢさゐ」(こあじさい)は、もちろん色の濃い紫陽花ではありますが、この句の紫陽花は良く見受ける園芸的に改良されたぽってりした品種ではなく、きっと日本原産の古来から伝わる「萼紫陽花」(ガクアジサイ)でしょう。 梅雨の日、水気をはらんだ穏やかな風が通り抜けていきます。