「先入観がすべて悪い」と考えるのも先入観
「先入観」という言葉にどんな印象を持っているだろか?
一般的に「先入観」という言葉には、前もってつくられた固定的な観念で、それが自由な思考を妨げるときにいう。
よって、悪い印象を持っていることが多い。
「先入観で決め付けないでほしい」「それは単なる先入観だ」「先入観で考えるのはよくない」など。
たしかに日常で先入観という言葉が使われるのは、ネガティブな場面が目立つ。
先入観を持ちすぎると、正しい現実が見えなくなり、判断を誤りやすくなる。
しかし、先入観の全否定は過ちである。
むしろ一定の先入観は、我々が生きていく上で必要なものである。
たとえば、一定の知識は危険の察知に役立つ場合もある。
先入観があるからこそ「念のためやめておこう」「とりあえず気をつけよう」という注意喚起が促せる。
先入観があるから判断を誤るデメリットがある一方、先入観があるおかげでリスクを回避できるメリットもある。
「先入観がすべて悪い」と考えるのも、先入観なのだ。