アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

イボクサ - 秋の水田雑草 1

2022-09-30 06:00:06 | みんなの花図鑑

秋になると、水田の大きく育ったイネの下に水田雑草の花が目につくようになります。
農家の人にとっては駆除の対象なのですが、これが意外と可愛いのです。




当地で一番目につくのがこのイボクサ。
ツユクサ科だけあって淡麗でさえあります (´∀`)




和名の由来は、草汁をつけるとイボが取れる(とされていた)ことから。




「水槽に導入すると水中で成長するが、明らかな水中葉は見られない。早晩水面を突き抜けてしまう。」(Water Plant Picture Book Ver.3.1 「イボクサ」より)




「ツユクサ科だけあって花は綺麗であるが、繁茂ぶりが凄まじく水鉢への導入も二の足を踏んでしまう。」(同上)




「花弁は3枚、雄しべ3個、他に3個の仮雄しべ。。(日本の水草)」(松江の花図鑑「イボクサ」より)




仮雄しべには花粉が付いていないようです。役割が分かりません。




学名 Murdannia keisak 日本人のOO敬作氏の敬作から命名とか。(三田のいのしし見て歩き日記「再びイボクサの花に関して...」)




腺毛の多さは ムラサキツユクサなど外来系のツユクサを思わせます。




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伊賀川 - コンデジ散歩

2022-09-29 06:00:02 | みんなの花図鑑
私は奥さんを美容室に車で送っていくと、帰りの時間が来るまで近くの伊賀川を散歩するのが日課です。
伊賀川というのは岡崎城の西を南北に流れていて岡崎城の南で菅生川と合流します。
(来年の大河ドラマ『どうする家康』の舞台のひとつ岡崎城です)
ハスで有名な伊賀八幡宮も途中にあります。
きょうはコンデジで目につく花をスナップショットしながら歩いて見ました。

ハナミズキ

ハナミズキの実が赤く熟し、部分的に真っ赤に紅葉した葉の付いた木がありました。



草本のショウジョウソウみたいに 苞葉の一部が紅くなるのじゃなくて、一枚の葉が丸ごと真っ赤になってます。しかも全部の葉じゃなく、一部の葉が。




カリン

まだ青いけれどカリンの実がとても大きくなってます。




コキア(ホウキギ)

wiki よると コキア Kochia はかっての属名(ホウキギ属)で、現在ホウキギは バッシア属(Bassia)に含められているということです。



ホウキギの名所は多く、ある記事には以下の9か所が挙げてありました。
▶国営滝野すずらん丘陵公園(北海道)
▶ゆにガーデン(北海道)
▶国営越後丘陵公園(新潟)
▶国営ひたち海浜公園(茨城)
▶国営木曽三川公園(愛知)
▶大石公園(山梨)
▶ひるがのピクニックガーデン(岐阜)
▶びわこ箱館山 コキアパーク(滋賀)
▶県営馬見丘陵公園(奈良)




ムクゲ

河川敷に咲いていました。ムクゲの花期は7~10月前半。



我が家の2種類のムクゲもいつまでも咲いています。




ヒガンバナ

堤防といえば ヒガンバナですね。白いリコリスも野草化してきてます。



ヒガンバナの学名は Lycoris radiata リコリス ラジアータ。
リコリスはギリシャ神話に登場するニンフ(海の精)の名前からで、ラジアータは「放射状の」という意味だそうです。
「放射状の」というのは花弁の形状からだということですが、私は 雄しべが「放射状」だからと思ってます。




ホシアサガオとツユクサ

花弁が紫のアサガオがホシアサガオです。よく似たアサガオに白のマメアサガオがあります。



ツユクサにも シロバナツユクサとか メガネツユクサとかいろいろ種類があるらしいですが、こちらは昔からある ザ・ツユクサのようです。




タマスダレ

ヒガンバナ科(クロンキスト体系ではユリ科)タマスダレ属の球根草。
和名の由来は、白い小さな花を「玉」に、葉が集まっている様子を「簾」に例えたことによる。(Wikipedia)





ナンバンカラムシ

さぁ、これが難題です。Google Lens で何種類か検索して 「ナンバンカラムシ」が一番多かったからそうしたのですが・・・



よく似た草に カラムシ、イラクサがあります。



「中国から渡来し、繊維用に栽培されたものが野生化したものとも考えられている。在来種のカラムシと交雑したものも多いといわれ、カラムシに比べ大型である。カラムシの和名をクサマオとし、カラムシをナンバンカラムシの別名とする見解もある。」(三河の植物観察「ナンバンカラムシ」)





ヤイトバナ

標準和名 ヘ〇〇カズラ



子房下位で花は受粉すると萼の中で子房が成長し、それとともに 萼が樹脂のようにつやつやしてきます。





ヒガンバナとキアゲハナミアゲハ

またまた曼珠沙華です。







キアゲハナミアゲハが来て吸蜜してました。

〔追記〕チョウの名前が分からなかったので、最初の画像をGoogle Lensで検索したら「キアゲハ」と言ってきたのでそのまま投稿したら、大間違い。
おばVANさんがコメントを入れてくださったので訂正しておきます
「『ナミアゲハ』の細いシマシマ模様の部分が、
『キアゲハ』では、黒く塗りつぶしたようになっています。」(おばVANさんのコメントより)
産卵中のキアゲハとナミアゲハ
↑ ネット上に判りやすい比較写真がありましたのでお借りします



蜜は 雄しべの付け根にあります。





シオン(紫苑)

な~んてゆっくり歩いてたら、折り返しの時間をとっくに過ぎていました。
速足で戻ります。



で、でも、この花もいかにも秋らしいので、大急ぎで数枚。
美容室まで帰ったら 大汗かいてました。
今年は いつまでも暑いですね




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ヒガンバナ - コンデジで撮った12枚

2022-09-28 06:00:02 | みんなの花図鑑

7年前に買ったコンデジ(SONY HX-90v) をときたま持ち出して、最近は 望遠マクロを愉しんでいます。




とくに群がる花を撮るときは コンデジのほうが焦点深度が深いので、ヒトの目に近い画像が得られます。




ただ背景がボケてくれなく、前後の見境なくピントが合っちゃいますので、
「いったい何を撮ったの?」という画像になってしまいがちです。




そこで、対象から2mくらい離れて、最望遠側にズームして被写体を切り取ると、被写体のバックがぼけてくれて前の被写体だけ浮き上がったいい感じの写真が撮りやすいことに 最近になって(← 遅いじゃん )気が付きました(^^ゞ




設定は全部カメラ任せで撮ってるんですが、被写体の赤をより鮮やかにしたいときは (彩度)を赤の方向へ数段調整します。




ただカメラで設定できることはあまりありません。シーンが選べるなんて機能もありますが、室内で明るく撮る機能以外 あまり使ったことはありません。




ボケ具合などは後から変更不可ですが、色調は 無料画像編集ソフト IrfanView を使えばけっこう思いの色調が再現できます。




IrfanView は優れたソフトです。
私の場合、まず Ctrl + R で元の画像を リサイズ。



つぎに Shift + G で RGB (Color balance) と Contrast を適度に調整します。



全体の明るさを調整するときは Gamma correction を使います。




Shift + G の作業が終わったら、Shift + S で 画像をより「シャープ」にします。




ヒガンバナのように 花一輪が大きいときは コンデジの望遠マクロがけっこうおすすめです !(^^)!




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9月の木の実クイズ (2)

2022-09-27 06:00:02 | みんなの花図鑑
9月によく見る木の実のクイズです。
問題に使った写真は2015年9月にコンデジで撮ったものです。
第2回も 全部で9問あります。

Q1

木は農家の生垣などに昔は良く使われていました。



この実は食べれます。


もちろん種子の部分ではなく、その後ろについている花托の部分です。
とくに紫色に熟した時が食べごろです。



Q2

この果実も食べられます。


生食でもOKみたいですが・・・



「姫」が付くほど小さいので、丸ごとお菓子に使ったりジャムなどに加工されています





Q3

果実は硬くて渋みがあって生食には適しませんが・・・


シロップやジャム、はちみつ漬け、果実酒等の加工で楽しめます。



これで作った果実酒がいちばん有名ですかね





では、ここまでの3問、答え合わせをしておきましょう

A1 イヌマキ

A2 ヒメリンゴ

A3 カリン
でした


では、次なる3問

Q4

さて、これははっきり言って難問です。
ギンバイカに似た感じの葉なのですが・・



私も昨日までは名前が分かりませんでした。


このきなんのき掲示板に質問して名前を確認しました。
その答えは Google Lens が候補に挙げてきた名前の一つでした。
フトモモ科です。





Q5

かたい殻の中の種子を料理に使います。


でも 外側をとるのが面倒です。何しろ臭いので!


下にいっぱい落ちていました。
街路樹にもよく使われますが、最近は雄株を使うことが多くなってます。




Q6

ネズミの糞ではないですよ
それよりずっと大きいです


でもネズミの糞みたいな果実を実らすネズミモチと同科のモクセイ科です



ゴールデンウイークのころ真っ白な雪が降ったような花を咲かせます




以上 3問、答え合わせをしておきましょう

A4 
正解は イエローストロベリーグァバ (キミノバンジロウ)でした。

このきなんのき掲示板で最近教えてもらいました。
単に グァバ でも正解とします (^^ゞ

A5 イチョウ

A6 ヒトツバタゴ




では、最後の3問です。

Q7

雑木林の木です。


赤くなった実は鳥たちのかっこうの餌です。


赤くなる前の黄色い実です。




Q8

Q7 とよく似た葉の木です。
果実は Q7 より大きいです。


時期が来るとこのように黒く熟します。


このしわくちゃの実は 甘くておいしいです。ただし、少しジャリジャリいうのと、果肉部分があまりありませんが・・・





Q9

最後は、よく神社で見かける木です。


モクレン科の木です。そう言われればコブシの果実と似ているような !(^^)!


1円硬貨にデザインされた枝葉は、この樹をモデルとしているとする風説があります。





最後の3問の答え合わせです

A7 エノキ

A8 ムクノキ

A9 オガタマノキ


いかがでしたか?
ヒントが少なくて分かりにくかったですか?
10月もまた写真が撮れたらクイズやりますね !(^^)!

9月の木の実クイズ (1)

2022-09-26 06:00:05 | みんなの花図鑑
9月によく見る木の実のクイズです。
私が旧「みんなの花図鑑」に投稿を始めたのは2016年の5月でした。
旧「みんなの花図鑑」では名前の分からない植物を写真を撮って投稿するとその植物の名前を教えていただけました。
なので私も最初のころは ほとんど「この花の名前を教えてください」的なものばかりでした。
そのころを懐かしんで、旧「みんなの花図鑑」に投稿を始める前に撮り溜めていた写真の中から,
2015年9月に撮った木の実を投稿します。
現在の私の画像のような局部マクロではないので、肉眼で見たまま、秋の始まりのまだ青い実の写真がほとんどです。
第1回は 全部で9問あります。
それではどんぐりから始めましょう (^^)/


Q1

ドングリの中では大きいほうです。


食べられるそうですが、私は食べたことがありません。






Q2

このどんぐりは Q3 のどんぐりととてもよく似ています。


Q3 の葉に比べて 幅広で、荒い鋸歯が途中まで(半分くらい)付いています。






Q3

Q2 の葉に比べて 細葉で、 鋸歯も細かいです。









では、ここまでの3問、答え合わせをしておきましょう

A1 マテバシイ

A2 アラカシ
A3 シラカシ

〔参考〕アラカシとシラカシ

(サカタのタネ園芸通信/東アジア植物記・小杉 波留夫/「どんぐり ころころ[その9] シラカシとアラカシ」)




Q4

この実は食べられます。炒るとそうとう美味しいです。


樹の高い枝についているので、葉の裏側しか写っていません。


殻斗がどんぐりを覆っていて、秋になると三裂してどんぐりを露出させます。




Q5

やはりどんぐりですが、葉っぱに特徴があります。


殻斗が織布のようです。






Q6

9月にこんなに赤くなるのはちょっと早いかもしれません。




参考までに、6月の果実です。




以上 3問、答え合わせをしておきましょう

A4
スダジイ


〔参 考〕スダジイとツブラジイ




A5
すみません。これは 私も答えが判りません。
カシワの葉に似ていますが、それより小さめなので オークの一種かと思います。
Google Lens で検索すると、
カシワ とか、
ミズナラとか、
ナラガシワとか、
出てきます。
スマホの Google Lensですと ヨーロッパカシ と出たこともありました。



A6
モチノキでした。(赤い実は9月ではなかったかも m(_ _)m )





では、最後の3問です。

Q7

面白い模様の果実をぶら下げます。





葉は小葉の出方も互生です。
別名は ヌマスギ(沼杉) (^_-)-☆




Q8

実はまだ青いですが、秋の深まりとともに 黄色くなります。


この果実は有毒ですが、鳥によって被食散布されます。







Q9

まだ青い金平糖みたいな果実。











A7 ラクウショウ


A8 センダン


A9 コノテガシワ
〔参考〕2月の雌花




イタドリ - スカンポと呼んでいましたか

2022-09-25 06:00:05 | みんなの花図鑑
雌花~果実

これは9月24日に撮影したイタドリの雌花です。というかもうほとんど花後の 果実になっています。









果実の周りには翼があり、風に乗って散布されます。




















クモがいたのでスナップショット。









雄花

ところで、イタドリのことをスカンポと呼んでましたか?




私たちの地方では スイバのことをスカンポと呼んでいました。




スカンポというのは漢字で「酸模」と書き、その酸っぱさから名付けられました。




確かに、イタドリの茎も酸っぱいし、スイバの茎も酸っぱいです。




Wikipediaの
【スカンポ】 曖昧さ回避のためのページにも以下の3つの項目が載っています。

● イタドリの別名。
● スイバの別名。
● ヨーロッパアカザエビのイタリア語での名称 (Scampo) 。



♪ 土手のすかんぽ ジャワ更紗 夏が来た来た ドレミファソ ♪
という北原白秋作詞の歌があります。



その歌詞は つぎのように終わっています
♪ すかんぽ すかんぽ 川のふち
 夏が来た来た ドレミファソ ♪

スイバの花期は 5〜8月。(原色日本植物図鑑)
イタドリの花期は7〜10月。(日本の野生植物)

この歌の スカンポは 花期から判断して たぶん スイバなんでしょうね


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台風一過 - センニンソウ、サギたち

2022-09-24 06:00:06 | みんなの花図鑑
今から7年前の2015年9月7日、台風18号が愛知県に上陸しました。
「台風そのものによる直接的な被害は大きくなかったが、愛知県上陸後の9月9日に温帯低気圧に変わったのち、太平洋上にあった台風17号からの湿った空気が関東地方北部から東北地方南部にかけて合流し、「平成27年9月関東・東北豪雨」と命名された豪雨災害をもたらした。」(wiki 「平成27年台風第18号」)
家の近くの小河川も氾濫し、水田は池のようになりました。
以下は 翌日、買ったばかりのコンデジで試し撮りした台風一過の光景です。

センニンソウ

























サギたち














































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タラノキ - 雌雄がよう分らん

2022-09-23 06:00:09 | みんなの花図鑑
見出し画像は タラの実を食べに来たメジロたち(15年12月16日撮影)



ウコギ科のタラノキは9月になるとこのような花をつけます。
タラノキの花は 「両性花と雄花」で構成されていると図鑑などでは説明があります。




これは雄しべが伸びているので「雄花」でしょうか?




もう少し近づいてみると、おしべは5本あり、中央に 雌しべらしき突起があるのが判ります。
そうすると、この花は「両性花」だったのでしょうか??
(以上、撮影は 9月16日)






別のときに(20年9月17日)別の場所で撮ったタラノキの花です。
中央上のほうに 先ほどと同様の(雄しべ5個、中央に雌しべらしき突起)花が一個だけ咲いていますが、その花序の他の花はそこから花弁と雄しべが落ちたような形状をしています。
ということは・・・このあと中央の雌しべが成熟し 受粉体制に入るのでしょうか??




再度、左手に同じ形をした花です。
さて、右下には 別の形状をした花が見えています。この花は子房の球体の上に5つの花柱を開きその先に紅い柱頭をつけています。明らかに 左手の花弁と雄しべが落ちて雌しべの突起が残った花とは 形状が違います。
どちらかと言えば、右下の花が雌花のような形状をしています。






さて、またまた別のところで撮影したタラノキの花です。(撮影日9月18日)
こんどは球体から5つの毛のようなものが出ています。




近くで見るとこんな風で、左手の花は 丸い子房から5本の花柱が伸びていて雌しべだけの花です。
そして、右下に、その直前の状態らしき花があります。こちらの花は 花弁が褐色になってますがまだついています。
それどころか、一部 雄しべもまだついている花があります。
この左手の花を見ると、緑色の萼が子房と花弁と雄しべを包んでいた様子がうかがえます。




最初に見たように 「タラノキの花は 両性花と雄花 で構成されている」と図鑑などでは説明がありました。
今ははっきり雌しべだけの花ですが上で見たように以前は花弁と雄しべをつけていたので、どうやらこちらの花が「両性花」と言っているタイプであったと考えられます。




もう一度 20年9月17日の株を見てください。↑
左手(ハエの尻尾の先)がすぐ上と同様 今は雌しべだけの花です。でもうえで見たように、こうなる前は花弁と雄しべをつけて咲いていた「両性花」の花と思われます。
右手が(下のほうも同様に)おしべと 雌しべらしき突起を持った花序です。「両性花」ではないかと思いましたがこちらの雌しべは これ以上成長することのない仮雌しべなのではないかと思われます。つまり、こちらが「雄花」だったと思われます。

いやぁ~、タラノキの花は よう分らん (´v_v`) (´v_v`) (^^)/





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ママコノシリヌグイ - 見かけによらぬ花の可愛さよ

2022-09-22 06:00:07 | みんなの花図鑑

ママコノシリヌグイは タデ科タデ属(イヌタデ属)のつる性一年草です。
深く5つに裂けた花被片(花弁でも萼片でもなくその両方の機能を備えた器官)の、基部が白く先が淡紅色の小さな可愛い花。
タデ属(→ イヌタデ属)の花は(つる性でなくとも)皆このような花をつけます。
タデ属 Polygonum
イヌタデ属 Persicaria
(かつては300種を有すタデ属 Polygonum があったが、約8属に分割されたということです)
よって現在の学名は
Persicaria senticosa




可愛い花をカメラに収めようとしてこちらを向いてもらおうとツルを素手で触るものなら「あ~、イタタタ!!」
見れば下向きの鋭いトゲが茎を覆っているではありませんか。
茎だけでなく葉の裏面脈状にも逆刺があります。
(昔は 紙が貴重だったので木の葉で尻を拭いていました)
「継母がこれで子供の尻をふいていじめるのにいい」というのが名前の由来。(四季の山野草「ママコノシリヌグイ」より ←この説明が最もリアルだったのでコピーさせてもらいました)

おとなりの韓国でも「嫁の尻拭き草」と呼んでいるとのこと。こちらは姑の嫁いじめの発想ですね。





だからこの写真も、横の木の葉っぱを一枚もらってそれで茎をつかんで花にポーズをとってもらって撮ったんです (^^♪
鋭い下向きの棘と、ピンクの可愛いらしい花はどう見ても相反してます。
そこに着目したのか?、ひとつ目の花言葉は
(副題にも書いた通り^^)
 「見かけによらぬ」。

(私が 花言葉を取り上げるのは おそらくこれが初めてです (^^)/)





花被片5枚、雄しべ5個、雌しべの先の柱頭は3つに裂けています。




属名の「Persicaria」は、ラテン語の「persica(桃)」に由来します。
これは 花が桃色をしていることを言ってるのかと思ったら、そうではなく葉が桃の葉に似ていることに由来しているのだそうです。
種小名の「senticosa」は senticosus (刺の密生した)の複数形。
それそのものですね!




葯から出た花粉が 雌しべの3裂した柱頭にとっぷり載っかってます。
自家受粉しちゃったんでしょうか?




実を結ぶとつぼみより大きくふくらみ、結実した黒いタネを花被片(萼片)がいつまでも抱いています。
そこから もう一つの花言葉は「変わらぬ愛情」。




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ヒガンバナ - リコリス~甘草?

2022-09-21 06:00:04 | みんなの花図鑑

ヒガンバナは日本では帰化植物です。
原産地は中国です。
日本に分布するヒガンバナは、中国でコヒガンバナ(の祖先)から生じた3倍体のヒガンバナが救荒植物として有史以前に導入され、それが人手を介して全国に分布を広げたと考えられています。





中国では染色体が二倍体で種子ができますが、日本のヒガンバナはほとんどが三倍体で結実しません。
種子ができないので、球根(りん茎)で増やします。




日本のヒガンバナは、けれど、種子を作らないにも関わらず赤色のきれいな花を咲かせ、蜜を出してカラスアゲハなどの蝶の仲間を誘引します。




日本のヒガンバナの祖先(3倍体)は、核型をもとにした系統関係の解析から2倍体のコヒガンバナの祖先から染色体突然変異で生まれたと推定されています。





日本のヒガンバナが赤色の花をつけ、蜜を分泌するという性質は、現存のヒガンバナが継承していると推定されるコヒガンバナの祖先の性質を遺伝していることによると考えられます。
ヒガンバナ自身は たとえ3倍体になっても、蜜を出しチョウを誘う遺伝的性質は変わらず継承しているわけです。





ちなみに、彼岸花(曼珠沙華)のことを英語で「リコリス」と呼びます。




ところが、「リコリス」といえば、もうひとつの「リコリス」がありますね
これは日本語では「甘草(カンゾウ)」と訳され、お酒やシロップ、飲み薬なんかにもたまに含まれる調味料……というか薬草の一種の「リコリス」です。




「リコリス」といっても、彼岸花の方は「lycoris」、甘草の方は「liquorice」。
そもそもスペルから違うのです。





生薬としてのイメージが強い甘草(liquorice)ですが、実際は、生薬として使用されるよりも、甘味料として使用されることのほうが多いのです。(BATHCLIN 「実は最も身近な漢方「甘草(カンゾウ)」」より)




有毒植物のイメージが強い彼岸花(lycoris)ですが、たとえ種子はできなくとも甘い蜜を出す、その意味では もう一つの甘草なのかもしれません。

ヒガンバナ - 蜜はどこに?




以上、リコリスのお話でした






(欄外)パソコンの Google Lens 検索画像