◆「財務アナリストの雑感」 2024◆

会計士兼アナリストによる屈指の歴史だけがウリの会計・財務・株式・金融ブログ。異常な経済金融環境を一刀両断!できるかな?

バック・トゥ・ザ・フューチャー会計

2012-03-28 | 会計・株式・財務
国際的な会計基準のコンバージェンスの結果として、
「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」という国際化をあざ笑うかのような長い日本語名の会計基準が導入されます。なんという皮肉。


新基準の具体的な中身などは以下サイトを参照下さい。
参考①:新日本有限責任監査法人 「過年度遡及修正」解説
参考②:トーマツ会計情報「平成24年3月期決算の会計処理に関する留意事項」


ざっくり言いますと、これまでの日本の会計実務は会社法による確定手続で毎期の会計数値を確定させて、確定した過去の金額の上に会計記録を積み重ねて蓄積してきた。
ところが今回の会計基準適用によって、必要な場合には過去の財務諸表を遡って修正し、比較可能性を高めることで財務諸表の利用者の意思決定に有用な情報を提供することとなるらしい。結構,革命的な基準かもしれない。


過去から現在に向かって修正していくことから、わたしは傑作SF映画にちなんで「バック・トゥ・フューチャー会計」と呼んでおります。痛快でしたよね・・・映画は。
会計のほうはそうはいきませんが。

バック・トゥ・ザ・フューチャー [DVD]
ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン


しかし、本当に必要な会計基準なんですかねぇ。
新基準とはいえ、その名の通り「後ろ向き」感あり。過去の修正となれば企業側と財務情報利用者に膨大な手間暇をかけさせることになるし、せっかちな人ですと「オイオイ!粉飾でもして訂正報告書を出したのかよ?」と勘違いされるかも知れません。企業財務データのベンダーも修正に追われてそのうち何が正しい数値なんだかわからなくなったりして。

となれば、会計基準の変更は、ちょっと控えようか・・・ということになって、新基準の導入が利益操作の抑止力となるかも。
だとすれば、それなりに意味のある会計基準かも知れませんね。


P.S.表題のノリでいけば、「固定資産の減損会計」はさしずめ「タイタニック会計」。折しも3D版での再上映が予定されているとか。乞うご期待。



なかのひと



コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« イオンが親子上場を続ける理... | トップ | 粉飾減らそう「Q1Q4」    »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
本当だ・・・ (NONO)
2012-03-31 23:32:55
本当に「バックトゥザフューチャー会計」ですね 映画のように第二弾もあるのかな~
それと タイタニック会計は⇒固定資産沈没会計と私は意訳しました 

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

会計・株式・財務」カテゴリの最新記事