◆「財務アナリストの雑感」 2024◆

会計士兼アナリストによる屈指の歴史だけがウリの会計・財務・株式・金融ブログ。異常な経済金融環境を一刀両断!できるかな?

利益が出なけりゃテレビじゃない!?

2008-11-19 | 会計・株式・財務
お疲れ様です。


日経ヴェリタス「スクランブル」で
『放送株、意図せざる「脱・放送」加速』という面白そうな記事があったので
要約をご紹介。
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■景気後退懸念を背景にした企業業績の先行き不透明感は根強い。
 その影響を強く受ける業種の1つがテレビ局。
 特に足元では利益率の高いスポット広告の落ち込みが想定を超えている。
 主力の放送事業の急激な収縮は、皮肉にも各社が以前から経営目標に
 掲げてきた「非放送事業」の構成比率を相対的に高める結果になっている。

■在京民放キー局の業績悪化に歯止めがかからない。
 在京民放5社の今期の放送事業の営業利益見通しを通算すると366億円。
 期初見通しから43%(275億円)の下方修正で、前期比ではほぼ半減だ。
 営業利益で見た全体に占める放送事業の比率は今期見通しで52%。
 前期実績の75%から大きく低下した。
 各社が営業最高益をたたき出した01年3月期の同比率は92%だった。
 5社の放送事業の通算営業利益は、最高益だった8年前に比べて
 8割弱も減っており、市場から本業の競争力にもかかわる
 番組制作費の削減を迫られている。
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・・・・・・それでは実際に、2Q決算短信の
連結セグメント情報(事業別の営業利益)から、
各社の惨状を見ていきましょうか。


■フジテレビ

在京5局の中では一番まとも。
p.14
<6セグメント>
放送 112億円
制作  13
映像音楽14
生活情報▲5
広告  ▲2
その他  1
(消去  ▲6)
営業利益 126億円

製作費のリストラなどが奏功。
本業は圧倒的に強い。
番組の質は別ですが・・・・。
お馬鹿タレントによる特需があったこともお忘れなく。



■TBS

p.10
<4セグメント>
放送     8億円
映像・文化 49億円
不動産   40億円
その他    1億円
(全社・消去  +1)
営業利益  98億円

「赤坂サカス」が貢献しました。
もう一息頑張りますと、東証業種区分を「不動産業」に変更できるかも。
不動産屋がテレビ番組作ってるって感じ。

高ギャラ司会者の番組打ち切りが多い理由も良く分かりました。
できるところから経費カットってことですね。


■日本テレビ

p.7
テレビ放送 54億円
文化    23億円
その他    8億円
(消去  ▲72億円)
営業利益  13億円


消去が大きすぎ!これじゃ、真にどこが儲けているかサッパリわからん。
ドンブリ勘定じゃん!
会社側も実は、何で儲けているか、分かっていないかも。
営業利益はテレ朝にも抜かれ、振り返れば、テレ東が・・・・・。


■テレビ朝日
p.9
<3セグメント>
テレビ放送 3億円
音楽出版 11億円
その他  14億円
(全社   0億円)
営業利益 28億円

映画「相棒」と「ケツメイシ」と「HY」ノコンサートが貢献とのこと・・・・
・・・・って放送はどうした!


■テレビ東京
p.11
<2セグメント>
放送  0.4億円
ライツ   3億円
(全社   1億円)
営業利益  3億円

ワールドビジネスサテライトやガイアの夜明けなど、
経済・経営に強い局ですが、自社の経営はさにあらず。




・・・・とまぁ、フジテレビを除く在京4社の放送事業の営業利益、
ホント厳しい数字ですね。こんなに酷いとは思いませんでした。

かくいう私もテレビを本当、観なくなりました。
在京民放5局も必要でしょうか?


この上に、トヨタショックおよび先日の奥田発言から来る、
日本最大の広告主・トヨタからの広宣費カットがのしかかるとなると・・・・・。


業界再編、マジに起こるかも知れませんね。

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