心の音

日々感じたこと、思ったことなど、心の中で音を奏でたことや、心に残っている言葉等を書いてみたいと思います。

津軽紀行 その3 弘前ねぷた

2005-08-03 09:26:36 | Weblog
 青森の夏といえば何といっても「ねぶた」ですが、弘前では「ねぷた」というのだそうです。弘前公園の近くにある「ねぷた村」は、それを紹介したテーマパークのようなものです。
 国の重要無形民族文化財に指定されている弘前ねぷた祭りの由来は「坂上田村麻呂が蝦夷征伐の際に始めた」というおとぎ話や、「夏の睡魔を追い払うねむり流し(精霊流し)が始まり」という説や、「津軽藩祖為信が京都で豊臣秀吉に大灯籠を見せたのが始まり」などとさまざまな説があります。
 ねぷたの形は扇型が主流となっており、正面の絵は鏡絵といい三国志・水滸伝などの勇壮な絵が描かれ、後面は見送り絵といい、対照的な愁いを含んだ美人画が描かれていました。けんかねぷたといい、以前はかなり激しい争いをしたようなこともあったそうです。
 ここでは高さ10mの大型ねぷたと内部の骨組みを見学できる実物大の大型ねぷたがあり、係員が笛と太鼓のお囃子の実演をし、観光客にも太鼓をたたかせていました。
 弘前こけしや津軽焼きなどの伝統工芸の紹介などを見た後、「山絃堂」という津軽三味線の資料の展示を見ました。生演奏では、「山田三絃会」の若いお兄さんと、年配の女性の方が一緒にひくのを聞きました。
 弘前市立近代文学館には葛西善蔵、佐藤紅緑、太宰治など、明治時代以降に活躍した津軽出身の作家の紹介がありました。特に「若い人」「青い山脈」などを著した石坂洋次郎については2階に記念室が設けられ、ポスターや台本、映画関係の資料などが数多く展示されていました。また館内には一戸謙三などの方言詩を鑑賞できるコーナーなどもあり、津軽の方言で書かれた詩を実際に聞くことができました。
 旧弘前市立図書館、青森銀行記念館などはいずれも明治時代に造られた洋風建築の建物です。いずれも積極的に洋風建築を取り入れた弘前の棟梁、堀江左吉が設計、施工したものだそうです。このような歴史ある建築物を保存することはとても大事なことだと思います。