Landscape diary ランスケ・ ダイアリー

ランドスケープ ・ダイアリー。
山の風景、野の風景、街の風景そして心象風景…
視線の先にあるの風景の記憶を綴ります。

春の夢 草の露

2016-03-27 | Walk on

 

愛媛県下に霜注意報の出た朝だった。

野辺の花も咲き揃ってきた頃なので、花を縁取る霜化粧を撮ろうと早起きした。

6時に起きて7時出発。

早いのだろうか?遅いのだろうか?

やっぱり遅いのだろう…この時期の日の出は6時ころだから。

二日連続で郊外の山裾まで出かけた。

でも成果は下の、薄っすら霜化粧したホトケノザだけ。

日蔭の草地に、辛うじて霜が残っていた。

私は諦めが悪い。

さらに川沿いの道を遡って山深く入ってゆく。

堰堤の行き止まりで、やっと諦めた。

少し戻ったところに放置された休耕田があった。

スギナとツクシが勢いよく伸びた日蔭に、霜が残っていた。

高く昇った太陽が、その草地にも射し始めていた。

霜が融けて、キラキラ輝き始める。

草についた露の煌めきに本日の撮影対象を替えた。

私は切り換えが早い(笑)

 

草についた小さな露を撮っていると、

次第に眼のピントがぼやけてくる。

マクロレンズの針の穴のような合焦点を求めて息を詰める作業は長続きしない。

この人間の焦点域に係わることで最近、酷い目にあった。

人の視覚は、かなりいい加減なものだ。

眼は確かに風景を見ているのだが、それが焦点を結んで脳が知覚しているか?というと怪しい。

眼から脳に伝わる視覚情報は不可思議だ。

私は、よく忘れ物をする。

何度も同じ場所を探すのだが見つからない。

それが、時間をおいて同じ場所へ戻ると、ふっと焦点を結んで探したはずの場所にあったりする。

確かに眼は見ているはずなのだ…でも、それを知覚していない。

 

二日前にフィシュアイレンズを失くしたことに気づいた。

最後に使ったと記憶している場所(二週間くらい前)から遡って、しらみつぶしに探した。

街の東の端の山際から西の端の河口まで2回半往復した。

UさんやTくんにも電話をかけて問い合わせた。

もう一度だけ最後に使ったと思われる菜の花畑まで戻った。

その日、三度目の菜の花畑。

草を掻き分け探したけど、やっぱりない。

探し疲れて、がっくり肩を落として引き揚げていると足元に。

絶対に見ていたはずの場所なのに…そこにあった(笑)

やれやれ…

 

   


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4 コメント

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探し物 (misa)
2016-03-27 18:38:30
何処かで聞いたようなフレーズですね
私は連日しょっちゅうです
見ていたはずなのに時間を於いてみるとそこにある・・・
fisheyelensは高いですからね
青ざめて嫌、汗だくで探した様子がうかがえます(笑)

良いですねえ~
土筆も良いけどひときわ目に留まったのがその上
何だか人の原点を見るようで今のもやもやが晴れそう
執念 (鬼城)
2016-03-27 20:09:59
あきらめが悪い人、尊敬します。
私は「もっ、いいかあ」で全て済ませます。
レンズあって良かったですね。
そうそう、二週間前に高齢者医療(昨年なりました)保険証をなくしたことに気がつきました。
何処を探しても無い。
記憶が・・・
ここがランスケさんと違うところです。すぐ、再発行・・・
4日前に届きました。
昨日、警察より落とし物の連絡がありました。
「私は誰?」「ここは何処?」の世界に突入しそうです。
肝心な写眞!
玉惚けの土筆、こんな風に写眞は撮るんだと・・・m(_ _)m
answer photo (ランスケ)
2016-03-28 00:19:23
これはmisaさんが送ってくれた写真に対する私からのanswerですね。

残念ながら霜化粧の写真は撮れませんでしたが、
私が同じ条件で福寿草を撮ったならば一番目二番目の草の露か
下から二番目のツクシのような撮り方をしたと思います。
雪面の虹彩を玉ボケとして背景に入れる方法で。
唯、それが成功したか?は分かりませんが(笑)

お察しの通り、いくら探してもフィッシュアイが見つからない時は青ざめました。
私の写真はマクロレンズとフィッシュアイの両極端の画角がメインですから。
弟の入院が予想以上に長引いている現状では、とても高価なフィッシュアイレンズは買えません。
本当に見つかってホッとしました。
簡単に諦めないこと (ランスケ)
2016-03-28 07:06:50
やっと年度末の忙しさから解放されたのでしょうか?
ブログの更新が続いているので安心しました。

なかなか自然相手の写真は、こちら思惑通りには行きません。
まぁ、それでも往生際悪く諦めないで粘っていると、
時として自然は御褒美をくれることがあります。
そんな数少ない成功体験が、私たち山の写真ヤは忘れられないようです(笑)
石鎚山岳写真の偉大な先達たちの口癖でしたから。
「簡単に諦めるな」ってね。

それと失せ物の方は、どうでしょう?
脳は見たいものしか見ていないと云われますよね。
失くしたものは本当は見たくないのでしょうか?
それとも老化現象による身体機能の衰えでしょうか?

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