CINECHANが観た映画について

映画ブログ。感想というより記録のようなもの。
基本的にはネタバレに近いものがあります。

19-189「ANIARA アニアーラ」(スウェーデン・デンマーク)

2019年07月29日 00時15分17秒 | スウェーデン映画
われわれは神が手にするグラスの中の気泡
 放射性物質で汚染された地球から火星へ移住するため、8000人の乗客を乗せて旅立った巨大宇宙船アニアーラ号。しかし事故によって燃料を失い、火星への軌道を外れてさまようことになってしまう。
 修復不能なまま歳月だけが過ぎていく中、希望を失い狂気へ落ちそうになった乗客たちは、人間の感情を治癒・制御するAI「MIMA(ミーマ)」に依存するようになるが、あまりに多くの感情を受け続けたMIMAは自らの意思で機能を停止・爆発してしまう。
 漂流から5年が経ったある日、アニアーラ号へ向かう救助船と思しき存在が現れる。だが、それは未知の物質で作られた巨大な槍形の物体だった。(「作品資料」より)


 冒頭、地球に訪れる災害の様子が描かれるが、その間オープニング・ロールはまるでエンド・ロールのように下から上へと流れていく。

 珍しい感じがしたな。

 そして地球から火星へと移住するため巨大宇宙船アニアーラ号へ乗り込む人々が描かれる。

 アニアーラ号は宿泊施設だけでなく、様々なアトラクション施設、レストランなども整備されており、正に豪華客船並み。

 3ヶ月で火星に着く予定で、人々はゆったりと過ごす予定であったが、出発早々に事故が発生。
 燃料消失、軌道を外れ、漂流することになってしまう。

 そんなアニアーラ号が漂流し始め、その中で過ごす人々の姿を映し出したSF作品。


 最初は全く気にしなかったAI機能、MIMAに依存するようになる人々、そのMIMAが自ら機能を停止してしまったことから、それを奉るような儀式を始める人々。

 救助船だと思っていたが、実は未知の物質で作られた巨大な槍。
 それを必死に調査する人々。

 〝3年後〟〝4年後〟と物語は展開していくが、当初はその時代からの年月だと思ったのだが、その割りに登場人物は老けないし、子供も成長しないなという印象。

 宇宙にいることが時の流れと成長に差を生んでいるのかなと思ったりもしたが、実際は漂流してから何年後ということだったよう。

 希望が見えない状況の中での人々の心情、そして狂気に近い行動を起こす者たちを描いており、先行きが見えない点では、興味深かった。

 アニアーラ号が無事回復し、乗員乗客たちは火星にたどり着けるのかということは、全く想像できないような、希望が見えない展開の話だったな。

/5 

監督:ペラ・コーゲルマン、ヒューゴ・リリャ
出演:エメリー・ヨンソン、ビアンカ・クルゼイロ
   アルヴィン・カナニアン、イェニー・シルフヴェルヘルム
於:新宿シネマカリテ

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 19-188「マスターズ・オブ・... | トップ | 19-190「PROSPECT ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

スウェーデン映画」カテゴリの最新記事