市長に立候補だ！

「いかん、やっぱ　いかんばい」ごつごつした石だらけの道を歩きながら友が言う。

「ハァハァ、え、なにが～」肩で息をしながら答える。

「道さ、道。まっすぐやなかけん、きつかー」

「そうやね、ハァー、頂上まで真っすぐやったら　すぐ着くとけね」

「そうさー、まっすぐやったら　もう着いちょっばい！」

「帰りに自転車で、しかもドラムブレーキやったらぁ　止まらんやろうねぇ」

「そいは　すごいことになるばい、って言うか　死ぬやん」

「おっ、ひらめいた！　ビッグ・ビジネスになるばい」

　鏡山を登りながら　あまりのきつさに　アホなことしか言えなくなってる。

「駅前の放置自転車ば　拾ってきて、一回千円で頂上から滑走するとさ！　スリル満点でジェットコースターより人気んでるばい！」

「そいよかねー、放置自転車もなくなるし　一石二鳥やなかぁ。下にジャンプ台ばつけとったら、東の浜まで飛んでいくけん、海やいけんケガもせんやん」

「一日１００人で１０万円の売り上げばい。しかも自転車はタダ！　そりゃーもう、ビッグ・ビジネスばい！」

「すぐ始めにゃいかんて～」

「うん、そいけん　まずは行政に働きかけて鏡山の道を真っすぐにせにゃいかん！」

「市にいくら言うても聞く耳もたんけん、おいが市長選に立候補せんばやなかぁ。公約は、鏡山の道をまっすぐにしますーって！」

「ダメんごたー」

「失礼な！」

「おっ、また　ひらめいたばい」

「なんや」

「たぶん頂上から滑走したらぴょ～んって、ブラジルまで飛んでいくばい」

「はぁ？」

「地球は丸かけん、まっすぐ飛んでいったら　なかなか落ちんけんブラジルまで行くばい」

「そーやー、そしたら　２合目ぐらいからやったら　鹿児島んへんぐらいやなかぁ？」

「そーそー、鏡山航空会社のできるばい！」

「自転車でや？」

「うん、ビッグ・ビジネスの予感のすっばい！」

「まずは鏡山の道ば　まっすぐにせにゃね」

「そいけん、市長選に立候補してもらうばい！」

「ダメんごたー」

天気もいいし、花も景色も最高です。

なんやかんやで頂上に着きました。

「ふーっ、やったばーい」

「あーっ、きつかったーっ」

適当な木陰を見つけて、お昼ご飯。

浜勝のカツサンドにビール！

うまい空気に緑の芝生、ぬけるような青空、すべてが調和している。

美味！

腹いっぱいで昼寝して、ビール片手にフリスビー。
帰りは　酔っ払ってるうえに足がガクガクでした。


ななの湯で疲れを流して、テラスで焼き鳥とビール！
最後にちゃんぽんを食べて　大満足！(^o^)

次の日は、おしりが筋肉痛で痛かった！