すがわらの工房日記

東北は岩手県一関市の呉服屋。こつこつと友禅染めをしています。

波に宝尽くしの訪問着 完成

2011-04-30 17:00:08 | 作品紹介

皆さんこんにちは

こちら岩手県一関市の呉服店 京呉服すがわら でございます

田舎の小さな呉服屋ですが、自前の「工房らくぜん」できものを作っているんです

きものやがきものを作っているんですよー!


さてさて、ようやく出来上がりました。

「波に宝尽くしの訪問着」です。

_dsc0479

裾だけに模様を描いた柄置きは色留袖のようですが

紋を背中に一つだけにする事で、お召しになれる場面に幅が出ます

白か銀の重ね襟をすることで色留袖として

色の重ね襟でお顔元を華やかに、訪問着としてお召しになれます。
       
    

裾模様のアップ

Suso
         

上前

Susoue

小さな宝物達がころころと波に遊んでいます

桜色の地色に青海波の利かせ色も成功しました

うん、とっても綺麗に出来ました。
       
      

いろんな宝物を図案化した宝尽くしですが、全て意味が有ります。

まずは 打出の小槌と鍵、こちらは先日説明しましたね

Koduti
       
   

これは如意宝珠

Photo

これも打出の小槌と一緒で

「何でも意のままに願いをかなえる宝」です。欲しい。
         
       

これは分銅

Fundou

金の重さを量るのに使います。富の象徴ですね。
         
      

Sakin

砂金袋と七宝です。

七宝は法華経で云うところの この世の七つの宝、いわば世界の全て

「金、銀、瑪瑙、瑠璃、硨磲、真珠、玫瑰(まいかい)」を意味しています。
      
      

花輪違い

Hanawa

この繁栄が未来永劫続きますように、

七宝繋ぎと同じ意味です。
         
      

Tyoji

これは丁子

昔、絹等と共にもたらされました。

漢方薬の一種ともいわれ、延命長寿を意味します

正倉院などにも保存されている宝物の一つです。
       
      

Syomotu

これは巻物、書物です。

知恵や知識も大切な宝物です。
         
      

Kasa Mino

傘と隠れ蓑です。

危険な事やものから姿を隠し守ってくれます。

 

勝負の采配を決定づける

これは軍配。

Gunbai

そしてこの軍配は

上がっているんです。

 

他にも色々ありますが、とりあえずこんな感じ。

あ、八掛けには

Uraokumi

 

ほら、一寸法師

Dsc_0549

小さいけれど頼もしいこのお侍は

きっとお嬢さんを優しく守ってくれる事でしょう。

 

 

この訪問着はお母さんから娘さんに

良い波に乗れるように、好い事がたくさん訪れるように、という願いを込めてご依頼いただきました。

波濤には、あらゆる困難も乗り越える。

青海波は連綿と繋がり、続く、という意味もあります。

 

今回の震災では色んなことが起こって、大変な目にあわれている方々がまだまだ沢山いらっしゃいます。

今までたくさんの恩恵を受けていた海の恐ろしさも 改めて確認するきっかけにもなりました。

でも自然とは本来こういうもので、巨大で到底 人には抗えない畏怖するべき存在です。

だからこそ得られる恵みも果てしなく、私達はその中で生かされています。

私達はやはりこれからも海や山と共に生きていきます。

どうか、沢山の恵みと幸せを得られますように。

      

 

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波に宝尽くしの訪問着、仕上げ作業

2011-04-26 13:33:15 | 友禅

みなさんこんにちは

岩手県一関市の呉服店 京呉服すがわら です。

小さな呉服屋ですが、自前の工房で着物を制作しているんです

きものやがきものを作っているんですよー

 

さてさて、地震が起きたり色々ありましたが、

本当に色んな事が起こりましたけど、

波に宝尽くしの訪問着、ちゃんと仕事を進めておりました。

いよいよ仕上げの作業です。

ドライ洗浄と水洗でワックス糊と糸目、余分な染料が綺麗に洗い流されてきました

ほら!

Dsc_0548

おお、いい感じです。

糸目で描いた青海波も綺麗に出ました

 

宝物もこの通り

Dsc_0547

うん、よし。

ここに見えているのは「打ち出の小槌」と「鍵」

願いを叶えてくれる打ち出の小槌、鍵は「開く」とか「あける」とか、または富の象徴でもありますね

あとは松竹梅とかです。

このまま出来上がりにしても良さそうなもんですが、一手間入れます

 

金線を引くのです

Dsc_0553

金粉を糊で練って、糸目を引くのと同じ要領で細く丁寧に引きます。

こうする事で小さな宝物達が全体の雰囲気の中でピリッと利いてきます

豪華さも出ますね。

Dsc_0558

ほら、綺麗。

こんな感じで宝物達にお化粧していきます

 

で、出来たのがこちら。

Dsc_0559

うん、よし、綺麗に出来ました。

写真で見るとあんまり変わったように見えないけど

このぐらいがちょうど良いんです。

この訪問着は全体の雰囲気が優しい感じになることが大事なんです。

 

さあ、

仕上げも出来たので、いよいよ落款を押しますよー。

Dsc_0560

あー、緊張する。

 

位置と上下を確認して、何度も確認して、

うりゃ!

Dsc_0562

ぎゅうぅぅ~っ、と 押します。

そおっと上げます。

ドキドキ・・・

Dsc_0565

よし、大丈夫、ちゃんと押せました。出来上がった!

良かった! 本当に良かった!

ようやくここまで来た。これで私の作業はとりあえず終わりです。

 

ここからは仕立て屋さんの仕事ですね

仕立て屋さん、どうかよろしくお願いします。

仕上がりがすごく楽しみです

仕立て上がりが早く見たい。

 

落ち着かない気持を抑えつつ、次の品物の下図に取り掛かります

Dsc_0567

遅れを取り戻さなくちゃ!

バリバリ描きますよー。

 

「工房らくぜん」は小さな工房ですが、だからこそ出来る事が沢山あります。

どんなものでもお客様のご要望に合わせて全て一からデザインしています。

毎日腕を磨いておりますので、どうぞお気軽にご相談下さい

誠心誠意、一所懸命取り組ませていただきます!!

 

 

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復興支援 伊達政宗歴史館

2011-04-22 18:16:32 | 伊達政宗歴史館

こんにちは!

皆さんお元気ですかー?

kucci様からのご紹介で、昨日も行ってまいりました「松島 みちのく伊達政宗歴史館

営業再開は何と4月23日、明日です

逸早く復活再開して復興のシンボルになるのです。

復興の烽火を上げるのです!

 

現場は開館間近で作業も急ピッチです。

とにかく急ピッチ。

色んな業者さん達がてんやわんやで、そっちにこっちに大わらわ。

さあさあ、着せますよー

 

あっ、あれは豊臣秀吉、関白殿下じゃないですか

_dsc0441

さあ、早くお召しになって下さい。開館するんですから

 

_dsc0440

「うむ、くるしゅうない。」とかなんとか

 

こうやって私達が着せてる間にも

通路で蝋人形の修復をしてるんですよ。

_dsc0452

 

手とか足とかそこいらにいっぱいあるんです。

_dsc0448

ぎゃーー!!

 

_dsc0463

着物を着せてる横で人形の首をはめてます。全て同時進行。急げ急げ!!

 

通路でこんなの発見しました

_dsc0457

ああっ!これはこれは若かりし日の渡辺謙!!

大河ドラマではまり役でしたね、かっこよかったなあ

このポスター欲しいなー!!

 

 

そうこうしているうちに殿様発見!!

_dsc0468

殿ー!何やってるんですかこんな所で!!

早くみんな集まれー!

 

_dsc0470

さあ早くお召し物を!

 

_dsc0476

それ、それ、みんなで着せます。総動員です。

この殿様は歴史館の入り口で騎馬姿で皆さんをお迎えします。

 

 

こんな感じで全員に着せました。

何とか形になりましたね。

非常に微力ながら私達も復興のお手伝いが出来た事を嬉しく思います。

どうか皆さん、宮城県の松島においでの際は

このみちのく伊達政宗歴史館もごらんになって行って下さい。

蝋人形達のクオリティーは一見の価値ありです。凄いですよ!!

 

 

私も連休には子供を連れて見に行きたいなと思います。

水族館も明日23日に再開します。

瑞巌寺はもうとっくに拝観出来ます。ご利益ありそうですよ。

是非皆さん、

元気な松島に遊びに来てくださいねー。

 

 

 

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蝋人形の着付け

2011-04-20 16:16:11 | 伊達政宗歴史館

こんにちは

岩手県一関市の 京呉服すがわら です

 

みちのく伊達政宗歴史館の修復作業

蝋人形の着付けに昨日行って参りました!

_dsc0411

外観はずいぶん片付いたようですが

館内はまだまだ工事現場みたいでした

ものすごいごった返してて

なんとか開館日までに形にしようと、それぞれの職人さんが

自分の事で精一杯です。もう、わけわかんない。

 

そんな訳で我々も急いで取り掛かります

まず、パンフレットを見ながらそれぞれのお人形さんが何をお召しになっていたのか確かめます。

_dsc0414

着物を合わせてとにかく着せていきます

_dsc0416

 

立っている方は立った状態で、座っている方は座った状態で

袴、足袋、草履を履かせるときは持ち上げます。よいしょ。

_dsc0417

なんか、思ってたより凄い大変です。

埃がすごいなー

 

どんどん着せます

_dsc0420

はい、お召し変えですよー

 

_dsc0423

お顔がですね、本物みたいです。

 

髭剃りあとまであるんですよ! なんつうクオリティー!!

着物を着ると人間と区別が付きません。いや、ホントに。

蝋って、そうなのか、 蝋でここまで出来るのか・・・!!

_dsc0425

はい、出来上がり、

この方はこの後鎧を着ます。

 

とにかくどんどん着せますよ

_dsc0426

この方も

はい立派。

_dsc0429

うん、ちょっと着物が色焼けしてるようでござる。

新しくお誂えの際は是非 私共にお申し付け下さい。

 

あっ!

あそこにも裸のお侍さんが!!

今参りますー!

_dsc0434

 

とにかく、数が多いのと、狭いので大変です

明日も行って参ります。

 

 

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波に宝尽くしの訪問着 中間報告~

2011-04-18 17:07:59 | 友禅

こんにちは

こちら岩手県一関市の呉服店 京呉服すがわら でございます。

田舎の小さな呉服屋ですが、自前の「工房らくぜん」で細々と

きものを作っているんですよー

 

さて、波の訪問着ですが

余震で作業が中断したり色々ありましたけど

きちんと仕事を進めていますよ

前回は糊伏せが終わって引き染めしたところまでご紹介しました。

順調に進んでいます。大丈夫、順調。

 

今度はこれに

青海波の波色を挿しました。

裾の大部分を占める、いわばベースの色になります

面積が広いので大き目の丸刷毛を使いました

模様の縁が黒いのは、刷毛がはみ出したり染料が泣かないように念のためワックス糊で括ったからですよ。

Dsc_0539

んん、だいぶ雰囲気が出てきましたね

ここまで来れば ほぼ完了ですが

さらに全体のリズムを整えるため

波の友色で利かせ色を挿します。

Dsc_0540

 

全体の一割くらいしか入れないんですが

だからこそ慎重に挿す場所を選びます。

Dsc_0542

いちいち並べてみては ちょこちょこと挿して

挿しては並べて眺めるの繰り返し

画面見てしばらく固まったりしてますから

他の人から見たら仕事してんのかしてないのか分かんないですね

何の迷いもなくスラスラと描ける、そんな境地にいつか達したい。

 

横では妻が新たな品物の糸目を引き始めています

Dsc_0546

「もたもたするな、次が閊えているんだぞ。」と言う無言の圧力。

さあ、どんどん進めて遅れを取り戻さなくては!

もう地震来ませんように

 

そして明日はいよいよ

伊達政宗歴史館に着付けに行ってきまする。

殿、今参りますゆえ 暫しお待ちくだされー!

さあ、頑張るぞう!!

 

 

 

 

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それぞれが狼煙を上げている!

2011-04-15 22:01:22 | その他

こんにちは!

皆さんお元気ですか?

僕達も元気です

本日は一つ 紹介させて下さい。

http://fukkou-noroshi.jp/

     ↓

Iwate

とっても力が湧きますよ

  

  

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復興支援

2011-04-13 18:30:18 | 伊達政宗歴史館

みーなーさーん!

こんにちは!!

水道が出ましたー!

蛇口から水が出ました!便利! 感激!!

いやあ、

正直あんな状態でしたから、下手したら半年ぐらいは断水かと覚悟してたんですが

どんな魔法を使ったものか、早くも復旧です。素晴らしい

それにしても、どの世界のプロフェッショナルも素晴らしい仕事をなさっているんだな、と感動致しました。尽力下さった皆さん、ご苦労様でした。有難うございました。

私も真面目に頑張らなくては!

 

 

こちら東北は岩手県一関市の呉服店 京呉服すがわら です

自前の工房らくぜんで こつこつきものを作っているんですよー

 

ところで

非常に懐かしい友人から連絡いただきまして、

物凄くうれしかったんですけど

杉本彩子さんというんですが、武蔵野美術大学時代の同級生で、素晴らしい手わざとセンスの持ち主なんです。

現在、ご主人と かっちょいく素敵で様々なデザインをなさっているんですよ

私も欲しくなる小さくてイカス 素敵な世界。

正にプロフェッショナル!

 

今回、そんな彼女のご紹介で

ちょっと伊達政宗歴史館のお手伝いをする事になりました

この歴史館は松島って所にあって、すぐ目の前が海なんですが

あの大津波の影響をほとんど受ける事無く

あの国宝瑞巌寺も無事でした。

流石は伊達の殿様縁の地。不思議な事もあるものです。

とは言え、全く無傷のわけは無く、甚大で無いだけで津波も来たし、被害もありました。

ただ、周りがあまりに凄惨な被害なのに、ここいら一帯だけが、まるで切り取ったみたいに大丈夫なんですよ。すごい、ほんと不思議。

そこで、街の皆さんが、この街だけでも一日も早く回復して

復興の先陣をきろうと、元気の烽火を挙げようと頑張っていらっしゃるんだそうです。

 

こりゃ、私も一肌脱がずにはおれません。

とりあえず私共にも出来る復興支援。

非常に微力ながらお手伝いさせていただきます。

また、ここ一関市は田村藩の領地で、伊達藩とは非常に縁が深い土地であります

伊達の殿様のお役に立てるのは凄く嬉しい事でござる。

 

 

そこで、

先日、どんな様子か見てきました。

いくら被害が軽微とは言え、伊達政宗歴史館も津波で一階部分が水に浸かり、

地震の揺れで蝋人形達が相当のダメージを受けたのだそうです。小火も出たとか…

…あれ?あんまり軽微じゃないですね。

外観は写真撮るの忘れたんですが、館内はけっこうガタガタでした。

3,11の地震に続き先日の余震でさらに壊れたんだそうです。

 

 

_dsc0388

あちゃー、

 

_dsc0387

あああ、あー、

 

 

_dsc0390

あわ、あわわわわわわ

 

 

あっ!

_dsc0399

 

殿様! 殿様ー!!

_dsc0400

あーっ! あーっ! 殿様ーー!!

 

_dsc0401

「・・・・・・・・・・・。」

 

 

私達はこの蝋人形さん達にきものを着せてあげるのが役目です。

全部で250体あるそうなんですけど、

そのうち着付けをするのは全部じゃないとはいえ、けっこうな数になりそうです。

うちの着付けの精鋭達をつれて今度行ってきます。

「いざ 松島!!」

 

 

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地震 再び

2011-04-10 14:55:16 | その他

みーなーさーん!!

お元気ですか?

岩手県一関市の 京呉服すがわら です

きものやがきものを作っているんですよー!

 

何て言うか、7日夜に また地震でした

今回もかなり強い揺れで、また停電、断水でした

ようやく電気が復旧したんですが、水はもうちょっとかかりそうです

何でも配水池が損壊したんだそうで 

20110409i_tank

あー、こりゃひどい

近所の神社の石の鳥居も根元からボッキリ折れてましたからね

狛犬様もひっくり返っていました。

前回持ち堪えた所がきちんと壊れた感じですね。

また復旧作業です

もう本当に勘弁願いたいです。

夜に突然ゴガガガ!って揺れたときは

「何? とどめ?」

「とどめ刺す気なの?」って思いましたけど

 

くそう、負けるかこのやろー!!

 

すぐに店と工房を片付けて作業を再開します

 

 

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波に宝尽くしの訪問着、作業再開

2011-04-04 16:31:02 | 友禅

こんにちは!皆さんお元気ですか?

こちら岩手県一関市の 京呉服すがわら です。

田舎の小さな呉服屋ですが自前の「工房らくぜん」で こつこつきものを作っているんです。

きものやがきものを作っているんですよー

 

さてさて

途中だった「波に宝尽くしの訪問着」ですよ

前回は友禅してるところまでご紹介しましたね

品物はその後、一回目の友禅を終えて蒸しを済まし

ちょうど糊伏せを始めたところで、あの地震が来たんですけど

 

 あ、世界が終わるのかな? って思いました

 

絵皿なんかガシャンガシャン割れるし

照明器具とか資料書籍、染織助剤なんか棚ごと!

ありとあらゆるモンが落っこちるというよりすっ飛んでくる感じ。

揺れてると言うよりも揺さぶり振り回してる感じ。

ホントもう、とんでもない揺れ方でした。

 

次の日の工房の様子

これでも少し片付けてあります

_dsc0379

地震の最中、作業中の訪問着をなんとか死守しました。

せっかくここまでやった仕事を無駄にしたくなかったんでとにかく必死でしたね

もう何ていうか、訪問着と心中する勢いでしたよ。

その甲斐あって訪問着だけは無事だったんですけど、ちょっとした奇跡レベルです。

店の建物も崩れなくて本当に助かりました。

 

と言う訳で作業再開です

まずは糊伏せ

Dsc_0522

細かい模様からはみ出さないように

こちょこちょとワックス糊を乗せていきます

 

Dsc_0523

ちまちまちま…

Dsc_0526

糊伏せされてゆく宝物達

 

裏おくみの一寸法師も

Dsc_0517

うりゃ、うりゃ、

 

Dsc_0519

どーん、暫しお隠れ願います。

 

糊伏せが済んだら引き染めです

バタバタしてて作業風景撮るの忘れてましたけど

地色は薄い桜色ですよ

染め上がったのがこちら

Dsc_0537

こうしてシルエットになるとリズミカルでしょ

 

上前部分のアップ

Dsc_0538_2

次は

この青海波の中を友禅していきますが、本日はここまで

さあ、遅れを取り戻すために超特急ですよー。

 

 

 

 

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雪輪に桜の振り袖

2011-04-01 16:06:01 | 作品紹介

こんにちは!皆さんお元気ですか?

こちら岩手県一関市の 京呉服すがわら です。

田舎の小さな呉服屋ですが自前の「工房らくぜん」で こつこつきものを作っているんです。

きものやがきものを作っているんですよー!

 

さて、本日から新学期ですね

家の次男坊も保育園の入園式でした。新生活が始まります

 

それでは

先日収めた雪輪に桜の振り袖をご紹介します

はい、こちら

Sakura

とても品良く綺麗に仕上がりました。

 

裾はこんな感じ

Sakura1

それぞれの雪輪の中の景色は全て違った情景です

 

そして 淡~く大きな雪輪で全体を繋いでいます

この見えるか見えないかの淡い色の名前は「秘色」(ひそく)と言います。

『宇津保物語』や『源氏物語』にも登場した高貴な色ですね

無くても良いくらい淡い色ですが全体の印象を決定付ける重要な模様です

右の外袖、左の内袖にも大きく入れました

Sakura2

襟の雪輪の中も秘色です。

襦袢も合わせてこの色にしました。

襦袢の色は袖のふりの所からも見えるので

お召しになったらとても綺麗だと思います。

着たところが見たいなー。

 

桜の花は美しく、昔から日本人に愛されてきた花で、

雪が解けた枯れ山にぽつぽつと山桜が咲くと

「あぁ、今年も春が来たな。」と安心し、心も温かくなります。

名前の由来は色々あって

「咲く」に接続語「ら」が付いて名詞になったとか

「さ」は耕作を意味する古語、または「神霊」を意味しており、

「くら」は「座」を表し、神霊が居る所。とか、ホント色々あるんですが

私は後者の方を推したいです。

井上陽水も「さ」行の音は神聖な響きがあるって言っていたし、

 

雪輪は

文字通り雪の結晶から起こされた図案で、

美しい形とデザイン性から季節を問わず描かれます。

また、雪は豊年の印としても縁起が良いとされています。

お嬢さんには是非とも

学校で学んだ事を活かし、実り多い人生を歩んで欲しいです。

京呉服すがわら一同、心から応援しております。

 

東京辺りはそろそろ桜が見頃でしょうか

学生時代は私も花見が大好きで毎年楽しみにしていたものでした

東北の桜が咲くのはもうちょっと先ですが

今から楽しみにしています。

 

 

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