◎こんな映画を見て来ましたっANOTHER
2016年11月15日アップ分
「この世界の片隅に」
「ゑんぢんぶろぐ」の
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色々な要素も絡み合って違う角度からも注目を浴びている本作…(頼むから余計な事すんなよ…)。
原作も純粋に物語として面白く、一部噂される「反戦」だとか「反△△」「反○○」などのメッセージを声高に叫んだりはしていない。
あの時代であっても、たとえ戦時下であっても…決して失われない「普通の日々」「いつもの生活」を緩やかに穏やかに描いたストーリーだ。
誰しもが日常、いつもの事と惰性で行動し、一瞬の感情に囚われ慟哭し、友と家族と笑い合う。今日の夕食のメニューに悩み、金が無いなら無いで工夫し、時に失敗して苦笑を呼び、突然の天変地異や騒乱に動転し、迷いつつも立ち上がり、自分たちなりに回復に向けて歩き出す…。
時折身近な者に助けの手を伸ばし、他意も無くコミュニティに招き入れ、或いはそれと知らず別れ、大きく回っていつかまた出会い…。
見えない所にもきっと日常は在り、そして誰にも「過去」「昨日」は有って「一瞬先」そして「未来」が有ったり無かったり…。
反省して後悔して、泣いて笑って、前を向いて、懸命に、時には仕方なく一歩踏み出す。
何処の誰にでもある。どんな時でもそこにはある。
そんな皆の周りにある「世界」を独特の柔らかい筆致で描かれた秀作なんである。
蛇足…この単行本表紙イラストにしても、映画のエンドロールの一コマにしても…目立たないが「右手👋👋の存在意義」は非常に大きい。…やはり原作者はかなり策士である。