ゑんぢんぶろぐANOTHER!

環境の激変に当の本人が一番馴染んでいない現状…まぁぶろぐは二つとも変わらずまったりどうでもいい事をつらつら書くだけだが。

シリーズ「読了」

2022-07-03 15:41:44 | 読書
「死と砂時計」
著者:鳥飼否宇

◎プロローグ
 …主人公?とかなり特殊な舞台設定をさらりと。実は色々と深い意味を持っていた、と後でわかる。

◎魔王シャヴォ・ドルマヤンの密室
 …これ、一枚で良いから挿絵が有ればなぁ…(一発ネタバレになるかもだが)。トンデモないトリックが炸裂する(小声)その割にちょっと雑な所も有ったり…。

◎英雄チェン・ウェイツの失踪
 …どうにもチグハグで不可解な「伝説」の真相は…。クライマックスの外連味たっぷり、なのに妙にサッパリした奇妙な後味はクセになる。

◎監察官ジェマイヤ・カーレッドの韜晦
 …各話それぞれに、この特殊過ぎる「舞台」を上手く組み込んでいるが…このエピソードはその中でも特に異質。
 皆、意志が強いよねぇ…(意味深)

◎墓守ラクパ・ギャルポの誉れ
 …視点が変わるとスルッと受け入れらるようになる巧妙なトリック。この手のカラクリが本短編集には多い。

◎女囚マリア・スコフィールドの懐胎
 …この辺りから「サイコ臭」が強くなる(まぁ最初っから、ね…)。主人公(?)は二重三重の受難…。ちょっと卑怯な気もする。

◎確定囚アラン・イシダの真実
 …で、端々に散りばめた伏線を一気に纏めて回収。あの謎、この違和感、そしてあの秘密…。縺れた糸を少しずつ解きながら…物語は驚愕のエンディングへ雪崩れ込む。

◎エピローグ
 …の最後にある「ひと言」が想像を絶する種明かし(?)で…この一行に戦慄した、とのレビューも多い。
 よくもまぁこんな展開を思いついたものだ…。

前回の「パンダ探偵」から別次元(まぁ「別次元」だけど←)の空気の中、まさかこんな読後感に苛まれるとは…。

読者をジワジワと、なんとも嫌な…重たい雰囲気に引きずり込む連作。


 著者の他作品
 っシリーズ「読了」:「パンダ探偵」
 っシリーズ「読了」:「物の怪」

「満足度:◎」
◎:オススメ
◯:まずまず
△:好きな人もいるかも
×:読まない方が…
※:絶版キボンヌ

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« おそらく世界で数人しか理解... | トップ | 美味しいごはん!楽しいごはん! »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事