◯大乗仏教の戒律
当初の大乗仏教には戒律はなかったという研究者がありますが、それは違います。信者さんたちは自主的に六波羅蜜を実践し、出家者は上座部仏教と変わらない250の戒律を守ったのです。鑑真(688~763)は聖武天皇の要請を受けて唐から5回目の渡航でようやく来日し、日本に正式な授戒会を伝えたとして有名です。鑑真は『四分律』の専門家とされ、これは上座部の戒律と全く同じです。
日本の天台宗創始者、最澄(767~822)は出家者の守るべき戒律を48に定めました。これを菩薩戒と呼びます。その意図は「形式よりも、その目的は仏性の自覚にある」とされています。在家信者には「八斎戒」または五戒が説かれます。これは上座部仏教の信者と変わりありません。
禅の戒律は「十重禁戒」と呼ばれます。禅では、戒は本来、自分に備わっているというのがその趣旨です。たとえば「不殺生戒」では、生き物を殺さないだけではなく、生き物の命を活かす努力を求められます。その上に慈悲のこころに気付くことが大切です。日常生活において生き物を殺さずに生活するのは不可能です。私たちは生き物の恩恵の上に生かされています。そのことを理解しなければなりません。
信仰心の篤い方に「人の物を盗むな」という必要はありません。正しい生活を送っている人に「何々するな」という必要はありません。そのように正しい生活の全般が戒律であるといっていいでしょう。止悪修善、悪いことはしないで良い行いをする、口で言うのは簡単ですが、実行するのは難しいです。そのような生活でありたいです。
●坐禅会 毎週土曜日午前6:25~8:00 久留米市宮の陣町大杜1577-1圓通寺
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