何でソコでそんな話する?ってな展開で必ず……場の空気を冷やす奴である。
折角盛り上がっているのに……急に会社での揉め事話を始めたり……何の脈絡もない。
後で成る程?と大体予想はついたけど……ソイツの狙いは会社で対立する両派から自分は頼られてるんだアピールだったりした。大抵メンバーに若い綺麗な女が混じるとそんな調子だった。
こと、女に対するアピールは論外なモノ多く、コイツは女にはからきしだなって思ってた。
ソイツは女房に捨てられてたけれど、結婚する時、友達の彼女だったのに、立候補宣言してゲットしたっていうのが彼の自慢話だった。
聞いてる一同、でもお前?その女房に捨てられたんだよな?……と戸惑いを隠せなかった。
彼が自慢する話は、そんなの自慢になるの?的なモノ多く……場を盛り下げる名人といった風情だった。
彼の救いは一部上場企業に属し、経済的に安定してる所だった。
ところが、ここへ来てその経済の優位性すら発揮出来なくなっていた。
娘は三人の子どもを生んだ後で離婚し母親の所に依存しプー太郎状態。
その娘の旦那と一緒に二人で暮らしているという神経は……どうかしてるぜ……と、呆れ果ててしまうのである。
時の経過と共に、必ず……常識世界から大きく乖離していくのはこんな奴だ。
大局観ってのが皆無で刹那で勝負するというのが特徴だ。
しかし、ここまでサバイバルすると
如何ともしがたい結果めいたモノを受け取らざるを得なくなる。
ここにもフィフティ&フィフティの法則が厳然とある。
十年前彼は自らを勝ち組と称し結構上から目線で世の中を見下ろしていたのだった。
こうやって人が勘違いを犯す『その瞬間!』ってある。
ま、要するに刹那的状況分析を未来永劫と思うからだけど……。
知らず知らずの間に、そんな小さな勘違いを積み重ねミステイクの連打を『コツコツと浴びている』のである。
長い時間を掛けて間違う人は、短い単位の時間の出来事や状況に一喜一憂する。特に自分に有利な項目しかチョイスしないしそれらの項目の『その後に対する情報』を無視してしまうのである。
目の前の取るに足らない小さな事……その中に『大きな誤謬』がある。
刹那、瞬間に垣間見えた『おや?』は長い時間、人の人生をずっと生き続け……『そういうことだったのか?』と思いもよらない正体を明かすものである。