自分の今までが悉く破壊され『新たな常識に書き換えられる』現象だけどそれはまさしくガツンとやられる体験である。
自分のフレームワークがその人達の思考形態を理解し進化を遂げる体験だ。
しかし長く過ごすとメンタルはフレキシブルな弾力を失い、膠着化してしまう様になる。
自分の内輪で全ての事柄が完結する様になってしまう。
そうなると知識や感性が『内輪の今迄』ばかりに染まり偏食状態に陥る。
若い時代は大人がガツンとやってくれる。しかし一歳とると大人に対してそれは失礼だと余計なお世話をしてくれなくなる。
そこからは自己責任……固定化しそうになる自分の感性を自分でガツンと壊せるか?……にかかってくる。
良い意味で今迄に『飽きる才能』が必要となる。
飽々とした退屈を解決する手立ては、場をステージアッブし、自分に取っての不可能を仕入れるしかない。
不可能は意欲を掻き立てる。自分の感性の不備や稚拙な部分を嫌でも意識させられるからである。
二代目のレストランのオープンに際してアルコールをナメていた。
郊外型の初代の経験がそうさせた。
どうやら俺は致命的な欠陥に気付かなかった?……と。
ワインを兎に角、試飲しては自分が納得するモノを軒並み仕入れ続けた……。
ワインセラーを買い足しながらドンドン買い続け提供し続けた。
資金不足にもメゲずに恐ろしいペースで大量に買い、客に提供し続けた。
こんな品揃えの店、この辺じゃ無いです!……なんてソムリエ君達が口にする様になった。『この辺じゃ駄目なんだ!』と僕は言った。
『僕の旨い』を基準に買い続けると面白い様にワインが空けられる様になっていく。店長は当初僕の買いっプリをキチガイ沙汰と言った。
コレが世の中に対する『勝ち方なんだ!』と僕は言った。
気持ちと身銭をどれだけ投入するか?なんだと……そこに嘘があればステージは上がらないのだと。
東京モン、大阪モン、名古屋モン達が口々に誉めてくれる様になった。彼等は結構なリピーターになってくれた。
権威頼りの地元の田舎モン達が冷ややかな態度に終始する間隙をぬってワインの爆買いを続けた。
権威と偏見がレンズになってる田舎モンは後回し、必ず……良客には響く。
先日、物書きのアメリカ人の女性がこの店のワインは……ワールドクラスだ!と言った。
何の偏見もない、外国人が通りから見て気に入って入ってくれた。
ワインは何時もどのようなワインも……と絶賛してくれた。
僕はこのアメリカの女を信じようと思った。一番標準化された偏見のないレンズの目を持っているからだ。
アーユーコック?……ユーアー ビューティーフル!……これはオーストラリアの女が言ってくれた。ホント、オイシイ!と。
気が触れたんじゃない?……平凡を旨とする奴から見ればステージをアップさせようとする人間は必ずそう見える……。
だからこそ、平凡に引き込もうとする『文化田舎人のG』を振り切れるのである……。
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