サンチョパンサの憂鬱

埒外の闖入者

誰かにトラブルがあると……その問題の埒外、無関係の人間が義憤めいた怒りを携えて唐突に闖入してくる……といった珍事が少なからずあった。

何度も被害を被った当方は致し方なく、横領という犯罪を立証するに至った時だ。
何度も横領を繰り返し被害は軽く億を越えるモノとなっていた。

ギャンブル依存故に……それを治す事は不可能だと専門家から聞いたのは随分と後になってからだった。
必要なカネを管理し、彼に代わって支払いながらミーティング治療に通わせた。

コレを以て彼は給料を貰えなかった!と吹聴して回っていた。そんな方法では返済は遅々として進まないのに、次々と新たな被害が降り積もっていく。その挙げ句の断罪だった。

本人の奇想天外なエクスキューズは仕方ない。病気なのだから……。
しかし、納得出来なかったのは、途方もないヒューマニズムに酔いしれた『正義の人』の登場だった。

少なからず付き合いはしていた故に、その豹変ぶりに驚かされた。
何言ってんの?……と最初思った。
しかし不祥事が度重なる度に同じ正義の人を演じにやって来るその人間のお里は知れた。

そんな笑えない話をしていた時にある人が言った。楽になりたいですか?……と。

ならば簡単ですよ……あなたがヤケ起こしてダメになれば……その人間は二、三度目一杯あなたに同情しにやって来るでしょう。
その人の予想を越えてあなたがダメにならないから彼は腹を立ててるんです……と。

良くも悪くもない人間ってのは質(たち)が悪いのです。毒にも薬にもならない自分の存在感を示したい一心で、機会を窺ってる。
正義の人となる一瞬にエネルギーを燃やし、結果猛毒を振り撒くのだと……その人は言った。

トラブルさえ便乗するしか味わえない悲しい人間達か?……成る程ね?妙に納得させられたのだった。

ネットの不謹慎厨達も、考えれば『人の案件』に首を突っ込むしかない悲しい人間達だ。自分が話題になれない不満を絶えず隠し持っている。だからここぞに燃えるという訳である。

実感は……一人称で作るしかないのである。
トラブルさえ借り物で得られる程、簡単には手に入らない。
借り物のトラブルに首を突っ込みながら、ソイツは本物のトラブルメーカーと化すのである。

正に『罪作り……な人』である。
安普請な義憤?を人に向ける前に自分を叱って上げたら良いのに……。
そんな義憤めいたモノにかられる人って……人から憎んでも貰えないのである……。
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