サンチョパンサの憂鬱

大事だった人

大事だった人に逝かれてしまった。
大切なのに随分と尊大に僕は振る舞ってしまった……。
居るのが当たり前過ぎて大切と気付かなかった。気付けなかった……。

様々飾られた遺影の様々のシーン……。
僕はその時々の自分の苦しさに取り込まれて気が付きもしなかったけれど……。

彼女が僕の店で様々な品をそっと買って、いろんな旅先に連れて行ってくれたのが今更ながら分かる……その人の優しさを今更ながら思い知る。

カナダ……タイ……スペイン、イタリア……何処の国でも彼女は屈託なく微笑んでいる。
悪気というものが一切無い無邪気な笑顔が僕にはとても痛かった……。


如何にいっても早過ぎる……と嘆けども……思い上がってる自分が気付くのが余りに遅過ぎたのだ。

遅過ぎて届かない『ごめんなさい』、『有り難うございました』を心の中で何度呟いた事だろう。

希に見る父さんっ子だった彼女……向こうで再会を果たしてくれている事を祈るばかり……。

レストランにも一人でやって来てはランチと必ずデザートもセットで。
気を使って何時の間にか気付かない内に帰っていた……。

そんなあなたに……『有り難う!』をもう一度言います。
ご主人、お母さん、お姉さん達を見守って上げて下さい。

『分かり方』として最悪の『失って知る大切さ』という奴だった。
一方的に受け取ってばかり……傲慢な僕には最悪の呆気ないサヨナラだった。
『駄目ですよ!』……と彼女は最後に教えてくれてんだと思う……。
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