サンチョパンサの憂鬱

『僕が君を守る』の源流

『思い出がいっぱい』、『夏の日の1993』を立て続けに聴いた……。

80年代90年代半ば迄のバブル華やかな時代とその余韻を残す時代……。
いわゆるフォークデュオなる形態からアイドルとポップ化の流れに移行する時代……。

アニメ『みゆき』や『タッチ』、『ラフ』などの昭和の青春群像の匂いが残ってた。
よく言えば純情、悪く言えば演技性優等生が絶滅危惧種になる直前の時代だ……。

良い大学、良い会社……そんなモデルは既に確立してたが、それを直接的に打ち出すのはまだ少し恥ずかしさを感じる時代……?

少なくとも……今みたいにあからさまな学歴のみの年収信仰ではなかった。
若者の中にはお勉強バカなる価値観も僅かに残っており、ヤンチャ君も女達から中々の評価を貰えた最後の時代だったか?……。

タッチの達也君は、事故で死んだ弟の和也君の夢『みなみを甲子園に連れて行く!』を実現するわけだけど……。

そのパターンは『僕が君を守る!』というフレーズで今も若いミュージシャン達に引き継がれているから不思議だ……。

進学率、大学での成績など女の優秀さが如実に証明されていても、弱い女を
設定しておいて『僕が守りたがる男達』のパターンは変わらず継承されている……。

しかしタッチやラフでは、男の子は野球、水泳で『目標を成し遂げる』んだけど……今の時代の歌の中の男の子達は女の子の『ただ側に居て守る』っていうのが多いのである。

守る!ってんなら自分で何かをして守れよ!……と思えど僕は君の味方、守る!ばっかしか言わないのよこれが。

ソコには……能天気に『男一匹!』って抜ける様な夢を持てない男の子達の苦しみ、哀しみ、もどかしさそして隠された卑屈さ……なんてのを少なからず感じてしまうのである……。
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