サンチョパンサの憂鬱

行き過ぎた忍耐は……美徳ではない

✳~✳宝島社の新聞の見開き広告より

✳『君たちは腹が立たないのか』

……理不尽にはキチンと怒ろう。不条理には声を上げよう。
怒りを笑うな。怒りとはエネルギーだ。
前例を打ち破り何かを生み出すためのパワーだ。……
……今年こそ正しく怒ろう日本人。✳

雑誌社がこんな声を上げる時代なんだね?……と思った。
気持ちは解るけど……恐らくこの檄文は若者達を素通りする事だろう……。

自分と自分の向こう三軒両隣の友人知人だけを囲い込んで生きてる人達……。
それこそが……変わらなければ良い❗とする彼等の価値観については何時だったか書いた。七割の学生が政権交代なんぞ全く望まないと。下手すると自分達が変わらなきゃならなくなるかも知れないからだ……と彼等は考えている……と。

彼等は十分理不尽に晒され不条理にこき使われているのは確かだけど……。

『向こう三軒両隣の宇宙を命』と生きて来た人間にとってそこからの外は外国と同じ領域にある。

何が?理不尽で?何が?不条理?なのかその判断基準となる『知識も経験』も持っていないのである。恐ろしい位にアッケラカンとしてその部分は空なのである。

理想的に仕込まれた『上質の奴隷?』とでもいう様な従順さが唯一のウリである。直接彼等の財布に手を突っ込み紙幣を抜き取れば怒る事はあるだろうが?

路上でスレ違う同年代の若い女が派遣切りにあう。路頭に迷って今日明日にも死を選択しかねない?……彼等はそんなニュースを一切知らない。
5Gの携帯の新料金は微に入り細に入り凄く詳しいけれど……。

彼等には『間接的影響』という発想・回路はない。興味は向こう三軒両隣の宇宙の直接的な維持管理にしかない。

その宇宙が何時までのものか?も考えない。辛くなるから……。
『怒る?冗談じゃない❗空気が乱れちゃうよ❗』……彼等は無邪気に笑ってそう答えるだろう……。

怒れない親達が……どうして『正しく怒れる子供を育てられるというのか?』……『正しく怒れる文化』が醸成されるのは犠牲を伴う……気が遠くなる様な沈鬱な長い時間を経た後に……ひょっとしたら訪れるかも知れない奇跡に近い願い事だろうと思う……。
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