カミナリ雷太と青い手紙 その4
「何だろう?」カミナリの雷太は手紙を手に取ると、カミナリ様と書いてあり、裏には、「飛行機の機長 泉 トシオ」と書かれています。
中には可愛い猫の写真が一枚と、手紙が二枚入っていました。
「前略
カミナリ様、急ぎ手紙を出すことをお許しください。
じつは明日、ある老夫人が飛行機でここを通ります。国へ帰るのです。
一月も前のこと、老夫人がかわいがっていた猫のトモが車にはねられて死んでしまいました。それは悲しみがふかく、まだ地上で迷っているのではないか、早く天国へ行かしたいと、夜中に目が覚めると、泣きながらそればかり申します。
お医者様もとっても心配しています。
猫のトモの写真も入れておきます。早く天国へ行かせたいのです。なにとぞお力をかしてくださいお願いします。
泉トシオ」
「ふーん」とカミナリの雷太は首をかしげると、猫のトモの写真を見つめていましたが、写真を雲にさし、手紙は雲の引き出しにしまいました。
「急用ができたから、今日は休んでくれや!」
カミナリの雷太は、さっそく質のいい雲を集め始めました。
トン、トントトトントン トンツク、トントン。
水気のふくんだ雲は役に立ちません。太鼓のバチをクルクル回して、いい雲を集めます。集めた雲を両手でにぎって水が落ちないで、かたくなる雲がいいのです。そんな雲でなければ、長い間は持ちません。いい雲を集めることは大変です。
夕方になってとった雲を手でよく固めました。
雷太は「トモ」の写真を手に取ると、固めた雲に少しずつ手を入れ始めました。
次の日の朝、一晩かけて猫の「トモ」が出来上がりました。
雷太は太陽の位置で時間をはかり、青い空に「トモ」を浮かべると、「トモ」は身体をゆっくりと動かして雷太を見て、ミヤンと小さな鳴き声をあげました。
「何だろう?」カミナリの雷太は手紙を手に取ると、カミナリ様と書いてあり、裏には、「飛行機の機長 泉 トシオ」と書かれています。
中には可愛い猫の写真が一枚と、手紙が二枚入っていました。
「前略
カミナリ様、急ぎ手紙を出すことをお許しください。
じつは明日、ある老夫人が飛行機でここを通ります。国へ帰るのです。
一月も前のこと、老夫人がかわいがっていた猫のトモが車にはねられて死んでしまいました。それは悲しみがふかく、まだ地上で迷っているのではないか、早く天国へ行かしたいと、夜中に目が覚めると、泣きながらそればかり申します。
お医者様もとっても心配しています。
猫のトモの写真も入れておきます。早く天国へ行かせたいのです。なにとぞお力をかしてくださいお願いします。
泉トシオ」
「ふーん」とカミナリの雷太は首をかしげると、猫のトモの写真を見つめていましたが、写真を雲にさし、手紙は雲の引き出しにしまいました。
「急用ができたから、今日は休んでくれや!」
カミナリの雷太は、さっそく質のいい雲を集め始めました。
トン、トントトトントン トンツク、トントン。
水気のふくんだ雲は役に立ちません。太鼓のバチをクルクル回して、いい雲を集めます。集めた雲を両手でにぎって水が落ちないで、かたくなる雲がいいのです。そんな雲でなければ、長い間は持ちません。いい雲を集めることは大変です。
夕方になってとった雲を手でよく固めました。
雷太は「トモ」の写真を手に取ると、固めた雲に少しずつ手を入れ始めました。
次の日の朝、一晩かけて猫の「トモ」が出来上がりました。
雷太は太陽の位置で時間をはかり、青い空に「トモ」を浮かべると、「トモ」は身体をゆっくりと動かして雷太を見て、ミヤンと小さな鳴き声をあげました。