元NHKアナウンサーの鈴木健二さんが、生命尊重応援団長として 生命尊重センターに寄稿した文章です。抜粋して載せます。
子宮の中で一個の卵子と精子が、XYまたはXXの形で出会い、 受精卵となって着床すると、
その瞬間に生命が誕生し、その時点から 人間はあらゆる良い教育を受けられる権利を持つ。
人間は2度生きる。一度目は生命として誕生してから出産するまで、 2度目は出産から死ぬまでである。
一つの生命が子宮内で誕生してから、脳死または心臓死まで生き続けるのです。
人間とは不思議なもので、胎児は人間であることの事実を、まるで空気が無いと 生きられないのに、
日常の生活の中では空気の存在を全く意識しないのと同様に、
胎児も人間である真実を忘れてしまう人達がいるのです。
忘れるのを通り越して、胎児は喜怒哀楽の感情は無いのだから、
一つの「物」であって、その扱いは母親の自由であるという主張が、
女性の社会進出とともに女性自身の間に広まり、
アメリカでは妊娠中絶手術の可否が、大統領選挙はじめ
各種の選挙の重要な争点となってしまうのは全く理解ができません。
生命の尊厳を知るがゆえに、人間は人間でいられるのです。
戦争が生命の尊厳を全く無視した非情な体験を経ているはずなのに、
平成の現実は、日本人が生命の尊厳をわきまえていない事実を物語っているのです。
私が以前から警告しているのは、この運動は決して鯨でも獲るような大きな網を 投げてはいけない、
あくまでも隣にいる一人の人と、人間の生き方、命のあるべき姿を 時間をかけて話し合った末に、
一人のメンバーが増えるゆっくりした歩みを続ける活動を 忍耐強く続けるようにということです。