おやすみ土曜日 朝から電車乗り継いで
10時30分上映開始 チケット販売40分前
その10分前に並んで待ってる せっかちさん
寒い朝から 立ち尽くす
ちょこんと いい子に 並んでます
じょじょに じょじょに 列は伸び
おっさん おっさん また おっさん
ひとつ 飛ばして おっさん おっさん
おっさんばかりの列伸びて はっと気が付く
おれも 一丁前の おっさんでした。
タル・ベーラはいかにして、唯一無二の映画作家になったのか
伝説の『サタンタンゴ』以前の足跡をたどる
『ニーチェの馬』(2011)を最後に56歳という若さで映画監督から引退した後も、
伝説的な7時間18分の『サタンタンゴ』(1994)が日本で初公開されるなど、
熱狂的な支持者を生み出し続けているタル・ベーラ監督。
ジム・ジャームッシュ、アピチャッポン・ウィーラセタクンといった映画監督たちに大きな影響を与えてきた
タル・ベーラがいかにして自らのスタイルを築き上げ、唯一無二の映画作家になったのか。
その足跡をたどるべく、『サタンタンゴ』以前、
伝説前夜の日本初公開3作を4Kデジタル・レストア版で一挙上映する。
ジョン・カサヴェテスやケン・ローチを想起させると評された初期の作品から、
“タル・ベーラ スタイル”を確立させた記念碑的作品『ダムネーション/天罰』(1988)まで、
根底に共通しているのは、社会で生きる人々の姿を凝視し、それを映像にとらえる眼差しである。
人々のリアルな姿を映し出すために繰り返し登場する酒場、そして酒場での音楽、歌とダンス。
タル・ベーラのフィルモグラフィに一貫する共通項の萌芽を既にこれらの作品群に見て取ることができる。
『ファミリー・ネスト』
住宅難のブダペストで夫の両親と同居する若い夫婦の姿を、
16ミリカメラを用いてドキュメンタリータッチで5日間で撮影した、
22歳の鮮烈なデビュー作。
不法占拠している労働者を追い立てる警察官の暴力を8ミリカメラで撮影して逮捕された
タル・ベーラ自身の経験を基にしている。
「映画で世界を変えたいと思っていた」とタル・ベーラ自身が語る通り、
ハンガリー社会の苛烈さを直視する作品となっている。
社会・世界で生きる人々を見つめるまなざしの確かさは、デビュー作である本作から一貫している。
1977年/ハンガリー/105分/モノクロ/1:1.37/原題:Családi tűzfészek/英題:Family Nest
『ダムネーション/天罰』
クラスナホルカイ・ラースローが初めて脚本を手掛け、ラースロー(脚本)、
ヴィーグ・ミハーイ(音楽)が揃い、“タル・ベーラ スタイル”を確立させた記念碑的作品。
ラースローと出会ったタル・ベーラは『サタンタンゴ』をすぐに取りかかろうとしたが、
時間も予算もかかるため、先に本作に着手する。
不倫、騙し、裏切りー。荒廃した鉱山の町で罪に絡みとられて破滅していく人々の姿を、
『サタンタンゴ』も手掛けた名手メドヴィジ・ガーボルが
「映画史上最も素晴らしいモノクロームショット」(Village Voice)で捉えている。
1988年/ハンガリー/121分/モノクロ/1:1.66/原題:Kárhozat/英題:Damnation