H氏のメールの文面を追ってみる メールにはこう書かれていた
彼女は二年くらい前にうちのサイトのお客さんとお見合いしたことがあったのですが、相手の方の日本人は年齢は六十歳とかなり彼女とはかなり歳の離れた男性の方で、歳が離れすぎているので、どうかな?という感じのお見合いでしたが、
それでも彼女は日本人と結婚できるなら、これだけ歳の離れた人でも良いという事で、見合いをしてみて、男性も彼女の事を気に入り、とりあえず婚約というところまで話はすすんだのですが、男性の方が彼女の家を訪問してみたいという話になって・・
そうそう、この彼女のタイシルク編みの写真も、その彼女の家を訪問した時僕が写したものなんですが・・
男性も彼女の仕事のこまやかさに感心し、彼女のことを随分と気に行っていたようなんですが、彼女がタイシルク編みの作業をやめて、ふと何かに気をとられるように、スッとタイシルクの鍋の蚕の虫を一口パクッと口の中にいれて食べてしまったのです
彼女にしてはそれが日常の些細な普段通りの出来事にすぎなかったのですが、お見合いしていた男性はその光景を見たとたん顔を青ざめて、その場から逃げるようにして、僕を誘って早く帰りましょうと言うんですね
そんな彼を見て、僕はとりあえず彼を車にのせて、その場からは立ち去りましたが、彼から、いったい何があったのですか?と事情を聴くと、
彼は小さい頃田舎の実家が農家をやっていて、彼の家族が久しぶりに来たというので、ごちそうを振舞おうと、自分の家で飼っていた鶏を潰して今晩のおかずにしょうとしたのですが、その鶏の殺し方というのは生きたまま首をはねるという残酷な方法で、彼は子供時、その実家で行われた鶏が首のないまま、血を吹き出しながら、羽をバダバタとさせながらクルクル走り回るショッキングな光景がトラウマとなって、それ以来、残酷な食事の光景というものが耐えられないという事情から彼の異変みたいもの 彼女の何気ない虫を生きたまま食するという光景が彼の幼いころのトラウマをよみがえらせてしまい、それが原因となって、このタイシルク編みの女性との婚約を破棄し、その男性は日本に帰国してしまった事情があるんですよ
この虫を食するという彼女の姿さえなかったら、彼女は彼と結婚していたんだろうと思いますが・・
でも、ひょんなことで人生というものは一変してしまうものですね
彼女には彼が婚約を破棄した理由については話しませんでしたが、そんな虫を食する女性が気持ち悪いから結婚できないという理由は彼女に話せる訳ではないですからね
彼女からしたら、そんな理由というものはとても、信じられない事だと感じるだろし、そんな断る理由は子供だましな嘘だと感じたでしょう
それぐらい彼女の生まれ育ってたいる村では虫を食するということが日常すぎるということなんだと思えたりするんですね
僕もそれだけの理由で婚約を破棄したとは思えないですね この男性の六十くらいの年代の田舎の方の日本人も昔はイナゴやセミとか醤油かけて焼いてジャンジャン食べていた世相だったそうですし・・・
そう考えるとこの男性はただ、彼女が虫を食するというだけで、婚約を破棄したという事でもないような気がするんですね
やはり国際結婚、タイ女性との結婚というものは世間一般的にいうと勇気のいることなんだと思います
その よしタイ女性と結婚するぞ という一番ののぼりつめた気持ちの時というものは何かに後押しされてある程度男性側の気持ちが支配されている状態でなければ、とてもタイ女性、国際結婚をやっていこう という気持ちには日本人は、なれないものだと思ったりするんですね
業者の僕がそう言ってしまうとおかしな話ですが、たとえばタイ女性が随分と若くて綺麗で日本男性がメロメロになってしまっている状態なら、話はどんどんと進んでいって婚約結婚という風に盲目的に進むかと思いますが、こういう、それほど綺麗でもない、ただ単に純朴な田舎の女性というキャラだけでは、いくら男性との年齢差を気にしない女性であったとしても、一つのツマズキでお見合い婚約という流れはフッと揺れるロウソクの火のように消えてしまうものだったりするのですね
それだけ、国際結婚 タイ女性との結婚は日本人男性からしたら決断のいる作業なのですね
世間の目もある、会社でなんといわれるだろう? 親戚はどう思うだろう?
結局 何々君はタイ人と結婚か めでたしめでたし と嫌みの一つの言われて、チャンチャンと終わってしまうというのが国際結婚なんです
本当の意味で祝福されない結婚 日本人女性と結婚できなかった可哀想な輩
一般の世間体から引き離された特殊な戸籍、ある意味 それはアウトローな人間になってしまうということを覚悟したうえで、国際結婚、タイ女性との結婚に向き合うということなんですね
虫を食する事だけなら、たいした断りの理由ではないのです
どこかで、このタイシルクの女性との婚約を破棄した男性も、そんなアウトローなものに向き合う勇気と言うものがなくなってしまったという事なんだと僕は推察したりと思ったりします
oさんはどうですか?そういう世間というものを背に向けて、アウトローなものに向き合って生きていく覚悟というものがありますか?
タイ人の彼女が虫を食べていたとしても、彼女を愛してあげることができますか?
彼女が永遠に日本語を覚えられず、いつまでもコミニケーションがとれない状態であっても、彼女に微笑んであげることができますか?
タイ女性であったとしても、本当に身体目的ではなく心から彼女らの気持ちをくみ取り愛してあげることができますか?
そういう勇気があるのなら、タイ行きの航空券の手配お願いします 僕たちはいつでもOさんの来るのを待っています 御自分の幸せを考え、一時の感情感傷に左右されず、冷静に御自分の判断を見つめて、行動される事を僕は願います
と彼のメールには書かれていた
虫を食する・・・
それだけの理由でタイ女性との婚約を破棄する男性の気持ちもわからぬわけでもなかった
誰しもが幸せになりたいに決まっている 普通に日本女性と恋をして、結婚できる という流れであれば、日本女性が虫を食べようが、カンガールを食べようが、そんな理由で婚約を破棄するものでもないように思われる
我々は日本女性と結婚できないアウトローなものでしかないのだ・・
それを思うと自分にはどんな展開になろうともタイ女性と結婚する宿命と言うのか、必然であるという流れにしか感じられない・・
それに自分の決断というものは明らかに決まっていた あの釘の刺さった柱を写真で見て以来、俺の気持ちにはなにも揺るぎはない・・・タイに行く 彼女に会う 彼女と婚約するという意思というものは決まっている 航空券の予約も済ませてある
そうだ!俺はタイに行くぞ それ以外に俺に何がある? 俺の気持ちは決まっている タイに行くんだ!
続く