ポメだす!(pomedas)/since2004

ポメラニアンのゴロ[兵庫犬(神戸市)~石川犬(金沢市)~埼玉犬(さいたま市)~道犬(札幌市)]&ツバサ日記

ワタリ プロローグ

2005年05月28日 | 閑話休題
舞台は、伊賀ムクゲ谷 伊賀の上忍 百地三太夫の支配地である。
右弦の月が林に隠れようとしている。
小屋の中には、ワタリとじい(伊賀の抜忍 四貫目)がいろりにむかっている。

「夜明けもま近いのう。」
「そろそろおいでになるころだ。」

「うん。」

「ではわしはさきに行くでな。」

じいは、失った片足の代わりのつえを使い小屋から出て行く。

ワタリは、いろりから燃えるまきを取り出し、その炎を見つめてから小屋に火を点けた。
炎はまたたく間に小屋を包む。

その時である。忍びの一団が小屋に駆け寄ってきた。

「あっ もう感づきおったか。」
「やつらめ 小屋に火をはなってずらかる気か。」
「ふふふ だがもうおそい!」
「伊賀鉄桶の陣が四重にめぐらされておるわ・・・」

だが その時である。ワタリは忍びの一団に姿を現したまま近づいて行った。

「あっ うぬは!」

「おいらを殺しにきたの?」

「むむっ。」

身構える忍びの一団。

「ふふふ ばかめ 今ごろのそのそしてるとはのう。」
「もはやのがれられぬぞ。」

「そうかな。」と言うとワタリは、空に向けて右手を上げた。

その瞬間、どこからともなく飛来する1枚の雨戸。

「ややっ。」
「雨戸が!」

ワタリは、跳躍し空中の雨戸に降り立った。
そのまま飛び去ろうとするワタリ。

「じゃ またね・・・」

「くそ・・・」
「まてえっ。」

驚く忍びの一団。

「おえ!のがすな・・・」
「ひくくなったときにねらえ」
「だれか弓を持っているやつはいないのか。」
「銃でもかまわん。」

忍びの一団は、一斉に雨戸をめがけ弓をはらい、銃を撃った。
それらは見事雨戸に命中し、雨戸は落下した。

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