江戸川教育文化センター

「教育」を中心に社会・政治・文化等の問題を研究実践するとともに、センター内外の人々と広く自由に交流するひろば

50年ぶりの「ネギをうえた人」

2024-04-23 | 随想
先日(4月13日)の東京新聞のコラム「筆洗」に、朝鮮民話の「ネギをうえた人」という話が紹介されていた。

ネギを食べなかった頃、人はほかの人が牛に見えてしまうので、牛だと思って人を食べていた。
ネギを食べると人が人に見えるようになる。
そこで、、、、。という、ちょっとブラックな民話だ。


おお!懐かしいと思った。
というのも、この話を読んだのは高校のたしか2年生の時だったからだ。
今から50年ほど前のことになるな、と考えるとちょっとびっくりする。





高校生が普通だったら読まないであろう、この朝鮮民話集(金素雲編・岩波少年文庫)を紹介し、読むように勧めたのは当時通っていた都立高校の世界史担当の教師だった鈴木先生だ。
この先生は、いわゆる大学受験用の世界史の授業は全く行わなかった。
アフリカ史(ヨーロッパ諸国の植民地になる前、どんな歴史や文化があったか?)や、近代に、日本の植民地となってしまった朝鮮史を取り上げて授業をしていた。

授業後に生徒たちのグループが輪番制で、授業の感想などをまとめて発行する「週刊世界史」というガリ版刷りの新聞も作るように求められた。


自分が、植民地とか搾取とかといったことに興味を持つようになったのは、この先生の影響かもしれない。
さらに「ものを教えるというのも面白そうだな」と考えて、その後の進路を決めた要因の一つでもある。


自分の思い出はさておき、人が人を食べてしまう、というのは現在にも当てはまるのではないだろうか?
ぜひ多くの人に(もちろん子どもたちにも)この本を読んでもらいたいものだ。



-K.H-

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