生命にかかわる病に倒れたとき、お金がないことを理由に病院から医療を拒まれたら、わたしたちは、何ができるのでしょうか。
映画「鉄くず拾いの物語」は、ボスニア・ヘルツェゴヴィナで実際に起きた悲痛な出来事をその当事者たちが再現し、人間にとって何が大切なことであり、何を守っていかねばならないのか、そしていかに?を描き出します。
2011年のことです。
鉄くず拾いで生計を立てているボスニア・ヘルツェゴヴィナのロマ一家のナジフは、愛する妻セナダが第三子流産の危機に遭遇します。
やっとの思いで、遠く離れた病院に連れていって受診させると、お腹の胎児はすでに死亡、直ちに手術しなければ、母体の生命も危険であると告げられます。
しかし、定職がなく保険証を持たないナジフは高額な手術費用を支払うことができず、病院側から手術を拒否されるのです。
「人命を守る」ための病院が、医療費を出せないものを情け容赦なく切り捨てるとことに慄然とします。
ロマ(ジプシー)への民族差別の問題というより、自身も薄給にあえぐ医師、看護師、病院経営などの経済的な問題のようです。
背景には、この地での紛争の影響が大きく横たわっているとも考えられます。
ユーゴスラビアから独立したボスニア・ヘルツェゴヴィナでは、1992年から3年半以上にわたって全土で内戦が続きました。
戦闘が繰り返され、死者20万、難民・避難民200万が発生したほか、病院・学校・公民館などの公共施設も壊滅され、紛争後の再建はまだまだ途上の状況のようです。
ナジフは、誠実に沈着に、問題解決のために手立てを考え、かつ実行していきます。
義妹の健康保険証を借りることができ、手術を終えたセナダは健康を取り戻します。
止められた電気がつき、薪ストーブの暖かさにナジフ一家が包まれるシーンでは、社会の理不尽さに凍えた心にポッと小さな灯がともるようなやすらぎを覚えました。
国民皆保険制度が建前の日本では、にわかには想像しがたいことですが……。
いえいえ、1年に1,746人もの人が餓死、これは1日に5人近く、5時間に一人が餓死していることになる「経済大国」日本社会の現実を考えたとき、よその国の話ではないと思い至ります。(厚生労働省2011年の統計)
医療の現場でも同様の問題が起きているのではないでしょうか。
ましてや、TPPが導入されたあかつきには?
我が国の国民皆保険制度はどうなるのでしょう。
厚生労働省のホームページから、国民皆保険制度のPRを紹介すると…。
☆我が国は、世界最長の平均寿命や高い保健医療水準を実現。
☆医療機関を自由に選べる。
英国では、自由に選べず、病院にかかるには登録家庭医の診察の紹介が必要です。
☆国民みんなが公的医療保険に加入。
米国では、約6人に1人、4500万人が無保険です。
☆安い医療費で高度な医療。米国では、1人当たりの医療費が日本の2倍以上、救急車も有料
厚生労働省が英・米国に誇れると自讃する日本の国民皆保険制度ですが、TPPに参加し
たあかつきには、ナジフの一家に起こったようなことが、わたしたちにも早晩ふりかかっ
てきそうです。
マイケル・ムーア監督が米の医療制度の問題を批判した映画「シッコ」のような日本社会にさせないために、
<富裕層は超優遇><貧困層には超冷遇>の安倍政権のあらゆる暴走を止めるために、ナジフのように冷静沈着に問題解決のために考え行動していきたい
と願います。
<K>
映画「鉄くず拾いの物語」は、ボスニア・ヘルツェゴヴィナで実際に起きた悲痛な出来事をその当事者たちが再現し、人間にとって何が大切なことであり、何を守っていかねばならないのか、そしていかに?を描き出します。
2011年のことです。
鉄くず拾いで生計を立てているボスニア・ヘルツェゴヴィナのロマ一家のナジフは、愛する妻セナダが第三子流産の危機に遭遇します。
やっとの思いで、遠く離れた病院に連れていって受診させると、お腹の胎児はすでに死亡、直ちに手術しなければ、母体の生命も危険であると告げられます。
しかし、定職がなく保険証を持たないナジフは高額な手術費用を支払うことができず、病院側から手術を拒否されるのです。
「人命を守る」ための病院が、医療費を出せないものを情け容赦なく切り捨てるとことに慄然とします。
ロマ(ジプシー)への民族差別の問題というより、自身も薄給にあえぐ医師、看護師、病院経営などの経済的な問題のようです。
背景には、この地での紛争の影響が大きく横たわっているとも考えられます。
ユーゴスラビアから独立したボスニア・ヘルツェゴヴィナでは、1992年から3年半以上にわたって全土で内戦が続きました。
戦闘が繰り返され、死者20万、難民・避難民200万が発生したほか、病院・学校・公民館などの公共施設も壊滅され、紛争後の再建はまだまだ途上の状況のようです。
ナジフは、誠実に沈着に、問題解決のために手立てを考え、かつ実行していきます。
義妹の健康保険証を借りることができ、手術を終えたセナダは健康を取り戻します。
止められた電気がつき、薪ストーブの暖かさにナジフ一家が包まれるシーンでは、社会の理不尽さに凍えた心にポッと小さな灯がともるようなやすらぎを覚えました。
国民皆保険制度が建前の日本では、にわかには想像しがたいことですが……。
いえいえ、1年に1,746人もの人が餓死、これは1日に5人近く、5時間に一人が餓死していることになる「経済大国」日本社会の現実を考えたとき、よその国の話ではないと思い至ります。(厚生労働省2011年の統計)
医療の現場でも同様の問題が起きているのではないでしょうか。
ましてや、TPPが導入されたあかつきには?
我が国の国民皆保険制度はどうなるのでしょう。
厚生労働省のホームページから、国民皆保険制度のPRを紹介すると…。
☆我が国は、世界最長の平均寿命や高い保健医療水準を実現。
☆医療機関を自由に選べる。
英国では、自由に選べず、病院にかかるには登録家庭医の診察の紹介が必要です。
☆国民みんなが公的医療保険に加入。
米国では、約6人に1人、4500万人が無保険です。
☆安い医療費で高度な医療。米国では、1人当たりの医療費が日本の2倍以上、救急車も有料
厚生労働省が英・米国に誇れると自讃する日本の国民皆保険制度ですが、TPPに参加し
たあかつきには、ナジフの一家に起こったようなことが、わたしたちにも早晩ふりかかっ
てきそうです。
マイケル・ムーア監督が米の医療制度の問題を批判した映画「シッコ」のような日本社会にさせないために、
<富裕層は超優遇><貧困層には超冷遇>の安倍政権のあらゆる暴走を止めるために、ナジフのように冷静沈着に問題解決のために考え行動していきたい
と願います。
<K>