江戸川教育文化センター

「教育」を中心に社会・政治・文化等の問題を研究実践するとともに、センター内外の人々と広く自由に交流するひろば

「象徴天皇制」の論議が必要

2017-12-12 | 随想
いよいよ天皇の生前退位の日程決まったようです。
再来年、2019年のゴールデンウィークは9連休になるかも…、等とマスメディアによって噂話も始まりつつあります。

しかし、与野党を問わず国会議員たちは天皇の「発議」とも言える言葉に翻弄されるだけで、憲法に位置付けられた象徴天皇制について振り返ることをしていません。
全く由々しき事態です。

国会でさえこの有様なので、「象徴天皇制」についての論議が主権者の間でほとんどなされないまま経過しました。

天皇自らが敢えて「象徴天皇制」について提起したのに、議会は本質的な受け止め方ができなかったようです。
本来、象徴である天皇の言葉で政治が動いたわけですから日本国憲法に違反しています。

しかし、彼は象徴として何をやってきたかを具体的に述べたわけです。
例えば昭和天皇の戦犯として裁かれるべきものの身代わり的な慰霊の旅をしたり、福祉や被災者慰問等々戦争とは対極にある事柄を重視して行動したのが象徴天皇のいわば仕事として表現したのです。

これをどう受け止めるか、そんなに単純な問題ではなかったはずです。

人間としての天皇の人権をいかに考えるべきか、安易に情に流されたりするのではなく、あらためて憲法との関わりで論議すべきでしょう。

わたしは、象徴天皇制をこのまま維持するなら一切の憲法改定は認めません。
しかし、天皇制を廃棄する方向で論議するなら憲法改正も大いに論議の価値はあると考えます。

元号改定や天皇代替わりを政治的に利用することはもちろんのこと、世の中が天皇制の本質に鈍感になる様な祝賀ムードに陥ることは極めて危険な動きとして看過できません。
これから1年とあと少しの間に、少なくとも天皇の言葉や思いを受け止めるなら、本質的な天皇論議を広く展開していく必要があると思います。



<タブーにしない>

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