江戸川教育文化センター

「教育」を中心に社会・政治・文化等の問題を研究実践するとともに、センター内外の人々と広く自由に交流するひろば

映画 「被ばく牛と生きる」を観て

2017-11-06 | 江戸川区教組



この映画は、福島に生きる畜産農家の人たちを追ったドキュメンタリー映画です。

被ばく牛を残して避難せざるを得なかったり被ばく牛の殺処分に応じるしかなかったりした牛飼いたちの無念さ、被ばく牛を飼い続ける牛飼いたちの強い思いを感じる映画でした。
被ばく牛の調査・研究(←本来国がやるべき仕事)を続ける研究者の存在もありました。

「被ばく牛は原発事故の生き証人」「原発さえなければ」という牛飼いたちの言葉が心の中に重く響きます。


原発事故から2ヶ月後、原発から20キロ圏内の家畜を殺処分をするようにとの通達を政府は福島県に出しました。
売ることのできない牛。飼うのにお金がかかる牛。
それなのに、なぜ殺処分の同意書へのサインを拒み、被ばく牛を飼い続けるのでしょうか。

映画に登場する牛飼いたちの姿に、表情に、言葉に、その理由が込められています。
牛飼いたちにとって、牛を飼うことは生活そのもの。
生活を、生きがいを奪われる、福島の人たちの声にならない悲しみ、悔しさ、怒りを、この映画を観ることで少しでも感じることができるのではないかと思います。


この映画に描かれているのは、福島の現実です。
こういう現実はなかなか報道されません。
問われているのは、国や東電の責任はもちろんですが、私たち自身でもあるのです。

希望の牧場の吉沢さんが、被ばくして体にたくさん小さな白い斑点ができた牛を東京に連れて来て言った言葉「俺たちにオリンピックは関係ない」が印象に残っています。


すべてのみなさんへ。
福島原発事故が何を奪ったか。
何を奪い続けているか。
福島の現実を胸に刻み続けましょう。


「被ばく牛と生きる」はポレポレ東中野で13:00から。
11月11日(金)までです。
観に行くことができる方はぜひ。


<原発いらない>

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