午前の講義は鈴木明子先生の花山天皇でした。
なじみの少ない天皇でしたが即位前後の
状況等を聞いて思わず引き込まれてました。
この講座のクラス名「歴史と文学の”人と心”
を学ぶ科」らしく『大鏡』『栄花物語』など
書物から引用をたくさんしていただいたので
わかりやすかったです。
花山天皇 (968-1008)第65代の天皇、在位期間984-986の1年10か月
(1)父冷泉天皇 (第63代)
①「狂気」の天皇;18歳での即位前後の時期から精神的疾患を発病か?
②出生と怨霊;出生時にライバルの中納言藤原元方(民部卿)側にも子供誕生
元方は憤死し怨霊(もののけ)となって現れた
(2)花山天皇の生い立ち
①誕生の喜び;生後10か月で立太子、冷泉天皇退位、64代円融天皇即位
②相次ぎ肉親の死;幼年期の祖父、叔父、生母が相次ぎ死去
後見を次々に失い、政治的に孤立無援
(3)即位---17歳で即位
①「内劣りの外めでた」;藤原義懐・藤原惟茂が治世を補佐
1、内劣り;常識にとらわれない奔放なふるまいが多い。執着する傾向
2、外めでた;荘園整理令・物価統制法・倹約令・殺生禁断令(仏教の影響)
②突然の出家;花山寺に出かけ、そのまま出家
③出家の要因--政治情勢;藤原兼家の策略、摂政として政権掌握の道が開ける
④出家の要因--愛妃忯子の死;忯子の死は花山天皇・藤原義懐の政治的敗北
⑤出家の様子;天皇不在に宮中は大騒ぎ、藤原義懐・藤原惟茂がともに出家
(4)退位後
①仏道修行;書写山円教寺へ御幸、帰京後すぐに比叡山で戒を受け熊野修行へ
②帰京後;正暦3年(992)--女性関係 乳母とその娘を相次いで妊娠させた
③乱暴さ;ミカンで作った数珠をもつなど奇抜な恰好をした
④多方面の才能;歌に優れ、屋根の檜皮葺を続けて葺くことを考えた
出家後庶民の家などを廻っていたこともあった
⑤孝行息子;父親の冷泉院に歌を奉り、冷泉院からは返歌があった
パワーポイントを使ってたくさんの資料を見せてくれました
H29.12.11. 花山天皇
後日談:花山院は出家後三十三観音霊場を巡礼して大きな法力を身につけた
花山法皇の 観音巡礼が西国三十三所巡礼として現在まで続く
各霊場で詠んだ歌が御詠歌とされた。