午前中はオープンキャンパスが開かれ10数名の方が参加してくださいました。
授業は斉藤恵美先生の「桓武天皇」
先生はいつも以上に張り切って、スライド・年表・系図・地図を駆使し、休憩をはさんで2時間ぶっ通しで、講義をしてくださいました。
桓武天皇 奈良時代から平安時代へ
桓武天皇プロフィール
・天平9年(737)から延暦25年
・在位期間は天応元年(781)から延暦25年(806)の25年間<この時代の平均年齢は60歳くらい、在位期間は普通よりやや長い程度>
・実父光仁天皇譲位により即位
・延暦3年(784)長岡京に遷都、延暦13年(794)平安京に遷都
桓武天皇という人物
「造作」と「軍事」によって千年の都京都の礎を作った天皇
・従来のしがらみから離れた新しい政治を模索
・社会の中で日本という国のあり方の模索
・怨霊の登場
生まれてから即位まで
・藤原氏と反藤原氏一族の攻防という奈良時代の政権史の中で実父光仁天皇が即位
・桓武天皇は母方の出自が低く(渡来系)皇位につくことは予測されなかった
・異母(井上内親王)異母弟(他戸親王)が巫蠱<ふこ>といった怨霊事件連座
・そのため43歳という高齢で即位
新たな皇統意識
・即位の詔<みことのり>;即位の根拠を天智天皇の定めた法に置く
・天神郊祀;中国皇帝の郊祀祭に倣い始祖を光仁天皇とし天智系の新王朝を宣言
・長岡京遷都:畿内諸国の私的な寺院の新設・建立・移転を禁止、 遷都の理由として交通網の変化、東国との関連性、奈良時代の政権構想からの離脱などがあげられる
・平安京遷都:遷都の理由が見つからない。あえて挙げれば、洪水、怨霊問題、四神相応の土地であったことなどか?
遷都の目的
・大和から離れることで新しい国家の中心を形成
・政争に中立の立場に注目し渡来系の人物を重視
・対蝦夷戦争、曖昧領域としての蝦夷を公民化、関東以北支配を完成する
・怨霊におびえる天皇
斉藤先生による桓武天皇評
・力強い天皇で、日本のあり方を考えていたがおびえている。 ・後世にあまり悪口を言われない徳政をした天皇である。