スケッチブック

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映画・ミュンヘン

2006-02-21 11:10:53 | 映画
映画、ミュンヘンを観てきました。監督はかのスティヴン・スピルバーグ。2006年ゴールデン・グローブ賞2部門ノミネート作品だという。彼は「シンドラーのリスト」と「プライベート・ライアン」でアカデミー監督賞を受賞している。NHKのラジヲ深夜便でも映画評論家の青柳氏が推奨していた。上の娘も必見だと言った。

ストーリーの概要は次の通りです。この映画は事実に基づい制作されたと映画が始まる前に字幕が流れる。そして、その事実とは、1972年のミュンヘン・オリンピックで11人のイスラエル人アスリートがパレスティナゲリラによって殺害された。激怒したイスラエル政府が決断したのは報復だった。イスラエル秘密情報機関は暗殺チームを編成し事件の首謀者を次々に殺してゆく。5人の暗殺者たちは、「はたして自分たちは正しいのか」と自問しながらも復讐を遂げてゆく、といった内容です。

スピルバーグは史実を追っていて、その立場はイスラエル側でもなければ、パレスディナ側でもない。「報復による憎悪の連鎖を断ち切れ」とも主張していない。ただ心臓が凍り付くような恐ろしい殺戮を生々しく映像で再現している。これは、一つの擬似ドキュメンタリーではないかと思った。

帰り道、例によって妻にこの作品の採点を尋ねたところ50点だという。この映画を鑑賞する年齢層によって意見は大いに異なることでしょう。私の感想と評価は次のようなものです。「何もそれほど生々しく殺戮シーンを再現しなくてもいいじゃないか。もっと他に工夫があるだろうに」と思ったことと、家族の大切さを強調する場面があったこととを抱き合わせて60点とする。
(鑑賞直後に書いたものです)

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8 コメント

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殺戮シーン (あまもり)
2006-02-21 20:42:58
テレビのニュースでも血の後を生々しく放映しているのを見るのさえいやです。なぜこんなにも繰り返して放映するのかと思ってしまいます。これは現実に起こったことなので尚更いやです。

私はホラー映画もサスペンスも好きです。変でしょ?

でもこちらは現実じゃないから見られるのです。



ミュンヘンオリンピックといいますと、飛行場で飛行機がハイジャックされた事件ですか?確かあの時はハイジャック犯が全員射殺されたという記憶がありますから違うのでしょうか。

殺戮の残酷さを見せて、報復の連鎖を断ち切る趣旨でもないと、どんな映画なのかまたまた見たくなりました(笑)
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poloさん今晩は (じゃこしか)
2006-02-21 21:44:41
 日頃のお心遣い有難うございます。



 poloさんの映画への深い造詣には感じ入っております。私は約10年ほど劇場映画は見ておらず、専らテレビ映画です。poloさんの記事中にある二作品ともテレビデした。

 poloさんの的確な解説と寸評には、心から感心しております。



 ただホラー物や残酷・殺戮物は、性に合わず見る事はありません。



 また宜しくお願い致します。
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あまもりさん、こんばんは (polo181)
2006-02-21 22:18:42
コメントを有難う。ミュンヘンオリンピックテロ事件で犠牲になったのはイスラエル側が11名、テロ側が5名。3名が逮捕。ドイツ政府の対応のまずさが原因で犠牲者を多く出したといわれています。逮捕された3名は後のハイジャック事件で開放されています。イスラエル秘密情報機関が狙ったパレスチナ側の首謀者(黒幕と言った方が良いかも知れません)は11名で、実際に殺害したのは9名だったと映画の後書きの部分で字幕として流れました。この頃既に、イスラム文明と西洋ユダヤ・キリスト文明の対立が激化していたといえます。9.11もこれの延長上にある事件と言えましょう。ミュンヘン事件とその後のハイジャック事件とは関係があります。
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じゃこしかさん、こんばんは (polo181)
2006-02-21 22:28:15
コメントを有難う。私の寸評をお褒め頂いて恐縮しております。これから映画を見ようと思う方の参考になればと思ってブログで取り上げています。この映画は事実を忠実に再現したのだそうです。それにしても、映像があまりにも生々しくて、正直言ってぞっとします。映画はビジネスですから、まず観客数を増やして稼がなければなりません。ですから、残虐性がエスカレートしてきて、歯止めがかからない状態に到達してしまったのだと思いました。エノケンやチャップリンの映画の方が好きな私にはちょっと抵抗感がありました。
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史実 (熊子)
2006-02-21 23:45:09
私は史実物が好きです。特に傾斜したのはユダヤ問題でした。もう廃盤の夜と霧とを読んでから史実を求めてきました。再現されると残酷でしょうがそれが事実だと作る側は知ってもらいたいとの願いがあると思います。ただし、私も殺戮シーンは正視できず目をつぶって想像します。先日の大和も残酷なシーンが続きましたが、ひいきなんでしょうか、正視して、何があったのかを知りたくて見つめました。表現方法なんでしょうか。西洋式はリアルすぎるのでしょうね。いいなぁ~、映画にいきたいです。アンちゃんはホラーが二本来ているので行きたいぞ!と誘いますが、ホラーを見ると夜がおっかない熊子です。
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敬遠してしまいます (anikobe)
2006-02-21 23:53:16
poloさんが、「正直言ってぞっとします」



とおっしゃる前に、やはり映画は、ほんわりと和めて、ちょっぴり夢のあるものを見たいです。

「大和」は、別のを見る予定で行っての偶然だったのでこれは例外ですが・・・

殺伐とした世の中であるほど、夢を求めたいのが、持論です。
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熊子さん、こんにちは (polo181)
2006-02-22 13:23:39
コメントを有難う。この映画は西欧社会では問題作となることでしょう。やはり自分に何の関係もない事柄には興味が湧きません。イスラム世界と西欧の衝突は大きな問題ではありますが、どうも血なまぐさくて我々にはなじまない。ホラーは私は全く興味が湧きません。なぜ、今どきの若者はあんな映画に興味をしめすのだろう。分かった!私たちだって、子供の頃大人達が話してくれる幽霊話にわくわくどきどきしたのを覚えています。それと同じかもしれませんね。
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anikobeさん、こんにちは (polo181)
2006-02-22 13:29:16
コメントを有難う。私も貴女に同感です。映画は楽しくなくちゃつまらない。はっきり言って、あんなのは見るんじゃなかったと思います。洋画でも、昔のものは違いました。時間がゆったりと流れて、伸びやかな気持ちに浸れたものです。また、憧れの世界でもありました。最近の洋画は、どうもいけませんね。殺伐としている。来週の月曜日はどうしよう。見るべきものがなくなった。
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