昨日(8/7)の「胆嚢の働き」で書いたように、胆嚢は脂肪やタンパク質の
分解にとても大切な役割を果たしている臓器であります。実際人間の臓器の中で
必要のないものは盲腸だけでして、その他はみな極めて大切な働きをしています。
それを切除、つまり取ってしまうのだから、相当の影響があるように思われます。
しかしながら、日本で年間30万人の人がこの手術を受けているという統計が示す通り
メリットとデメリットを勘案した場合、胆石がある程度進んだ場合はメリットの方が多い。
胆嚢を温存した場合胆石や胆嚢炎の再発が危ぶまれ、ガン化するというリスクはつきまとう。
肝臓で胆汁を製造して一時それを胆嚢に蓄えて濃縮し、必要に応じて十二指腸へと
流す。そのような役目を担っているものを切除するとなると、後は当然胆嚢と
十二指腸との間にある総胆管(パイプ)を直接肝臓に結び付けることになる。
つまり、肝臓が胆嚢の役目を果たすようになるのだ。この場合、「一時蓄えて、
濃縮する」という機能が失われるわけだから、いわゆる「胆汁の垂れ流し」状態になる。
しかも、濃縮されていないから、上記の脂肪やタンパク質の消化に支障が生じることは
避けられない。