バルトの楽園(ガクエン) 2006-06-20 12:05:41 | 映画 1914年、第一次世界大戦が勃発。日本はドイツと敵対する連合国側に立って参戦する。日本軍はドイツのアジアにおける拠点だった中国・青島(チンタオ)に3万の大軍を送りこれを攻略する。捕虜となった4700人の兵士が日本に移送される。全国12箇所に作られた俘虜収容所へと振り分けられる。物語はそれら12の収容所の一つ、徳島県鳴門市にある板東俘虜収容所で始まる。所長松江豊寿(松平健)中佐は元会津藩士の子で戊辰・会津戦争での敗北による屈辱を体験している。他の収容所では”囚人”として扱われる中、松江中佐はドイツ兵達に人間の尊厳を認め、敗者としての辱めを与えない。むしろ厚遇するのだった。それが、悪意を持つ一少尉によって、陸軍省の知るところとなり、予算を減らされる。しかし、確固としたヒューマニズムの持ち主、松江中佐は捕虜達に働いてもらって収入を得、難局を切り抜ける。1918年11月、第一次世界大戦はドイツの敗北で終結する。ここ板東での捕虜達は、地元民の好意や中佐の温情に応えるべく、ベートーベンの交響曲第九番歓喜の歌を演奏して見せる。(これが日本での第九の始まりとなる) ラストシーンでは、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮によるベルリン・フィルの音源を使い、クライマックスでは、壮大なスケールの人間賛歌が綴られる。 ざっとした解説ですが、流れの中に様々な人間模様が刻まれている。泡沫的な事柄にこだわったきらいがありますが、私は合格点を差し上げます。カラヤンの第九を聴くだけでも価値があると言えます。採点は70点です。 « ショートショート 11 | トップ | のどかな多摩川 »
12 コメント コメント日が 古い順 | 新しい順 タイトル (anikobe) 2006-06-20 13:29:21 「第九の扉が開くとき軍人は人間に帰る」ポスターに書かれたこのタイトルに、内容とテーマを想像する全てが窺えますね。 返信する anikobeさん、こんにちは (polo181) 2006-06-20 16:03:59 コメントを有難う。主人公松江中佐は実在の人物です。彼は、第九を聴くまでもなく、捕虜を引き受けたその時点から、人間として立派に振る舞っております。ですから、第九うんぬんは、単なるキャッチコピーでしょうね。 返信する よさそうな映画ですね。 (sakura) 2006-06-20 20:40:42 こんな映画なら主人も一緒に行ってくれないかしら?聞いてみましょう・・・音楽を聴くだけでも良いですね。 返信する 映画みたいです (熊子) 2006-06-20 20:56:44 戊辰戦争、あの白虎隊の会津藩ですね。その藩の出身の中尉だから人間的に優れた考えの持ち主ではないのでしょうが、以前に捕虜と村民との交流物語を読んだことがあります。そして二次戦争中の九州大学の捕虜人体実験も同時に読んだことがあります。同じ人間としての尊厳を貫いた強い意思、時代背景を考えると大変なことだったでしょうね。 返信する sakuraさん、こんばんは (polo181) 2006-06-20 21:30:43 コメントを有難う。ストーリーもなかなか良いですよ。もちろん最後の音楽もいいですが。ご主人も喜ぶことでしょう。是非見てきてください。 返信する 熊子さん、こんばんは (polo181) 2006-06-20 21:50:29 コメントを有難う。戊辰戦争に敗れた会津藩の人々は、その後辛酸をなめさせられます。冬場は、木の根を囓って飢えを凌いだ大人達を見て育った少年豊寿(とよひさ)は、長じて陸軍中佐になっています。板東捕虜収容所の所長として任官し、ドイツ軍捕虜を保護します。その人格はあっぱれです。今日もそうだけれど、人間、さまざまですね。 返信する 人として (あまもり) 2006-06-20 22:58:04 poloさん、久しぶりに月曜ロードショーが復活ですね。今話題の映画、早速見にいかれたのですね。poloさんが合格点を出されるのは何と珍しい。マイナス30点も聞きたいところですが。それが泡沫的な事柄に拘った点なのでしょうか。苦しみを知っている人は人に優しくなれる。それが例え敵国の人であっても、同じ人間として見ることができる。本物の大人物だと思います。心の狭い人は、弱い物いじめをすることでストレスを発散する傾向にありますよね。 返信する あまもりさん、こんばんは (polo181) 2006-06-20 23:10:01 コメントを有難う。そうそう、久々です。この映画は前々から狙っていました。パソコンでリザーブ出来るし、半額だから入りやすいんだなあ。マイナス30点は、細かな話に飛び跳ねて芯がぶれるところです。ずどーんと筋を通して欲しかった。ドイツでも公開されると言うから、その後で本当の評価が出てくることでしょう。結局、武士道精神ですよ。”敗者を辱めない”という日本古来の礼節とも言えるでしょう。心の狭い人は駄目だな。弱いものをかばい、悪に立ち向かう勇気を取り戻して欲しい。 返信する 本と映画の差 (マコ) 2006-06-21 11:01:17 まだ、映画は見ていませんが、古田求著の本は一気に読みました。 今から90年も前に捕虜のドイツ人たちと日本人との間に人種を超えた友情が芽生えたこと、素晴らしいですね。ドイツ、ドイツ語が大好きな夫は前々から楽しみにして、初日に映画を見てきました。感想は「本のほうが良かった」でした。本を読むとイメージがどんどんと膨らんでいきますから、映画を見てガッカリすることは多いですね。 でも、近々 見てきますね。 返信する マコさん、こんにちは (polo181) 2006-06-21 14:07:12 コメントを有難う。そうでしたか、原作を読まれましたか。どの映画を見てもそうですが、本には負けます。2年数ヶ月に亘るお話しをたったの2時間ほどで、表現するのだから、どうしても無理が出ます。活字を通して浮かび上がって来る人間模様や風景は鮮明で細やかでしょう。私も原作を先に読むべきだったと思っています。ご主人はドイツとドイツ語が好きなんですね。長くあちらで住まわれたのでしょう。私もドイツは好きです。キャンパーの本体はドイツ製なので、それの仕組みを知るに連れて彼等の考え方が非常に繊細で合理的だと分かってきます。映画をご覧になればきっとがっかりすることでしょう。でも、まあ俳優達は一生懸命なのだと分かってあげて下さい。 返信する バルト (燦) 2006-06-21 23:07:00 我が里山のテリトリーと言っていい場所です。この舞台となったところはね。少し前にブログネタにしました。http://blog.goo.ne.jp/shirotori3/e/9fd9c8b5c8b4ea24466a015ac3bc0b75よかったら見てやって下さい。身近な題材なので是非映画の方も見たいと思っております。 返信する 燦さん、こんにちは (polo181) 2006-06-22 13:25:25 コメントを有難う。へぇ、貴方のテリトリーでしたか。一番札所に近いようですね。映画バルトの楽園は、今どきの映画としては合格点だと私は思いました。およそくだらない作品が多い中、かなり原作に近いものを作ったようです。映画をご覧になったら是非感想を聞かせて下さい。 返信する コメントをもっと見る 規約違反等の連絡 コメントを投稿 goo blogにログインしてコメントを投稿すると、コメントに対する返信があった場合に通知が届きます。 ※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます 名前 タイトル URL ※名前とURLを記憶する コメント ※絵文字はJavaScriptが有効な環境でのみご利用いただけます。 ▼ 絵文字を表示 携帯絵文字 リスト1 リスト2 リスト3 リスト4 リスト5 ユーザー作品 ▲ 閉じる コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。 コメント利用規約に同意する 数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。 コメントを投稿する
ポスターに書かれたこのタイトルに、内容とテーマを想像する全てが窺えますね。
聞いてみましょう・・・
音楽を聴くだけでも良いですね。
ストーリーもなかなか良いですよ。
もちろん最後の音楽もいいですが。
ご主人も喜ぶことでしょう。
是非見てきてください。
今話題の映画、早速見にいかれたのですね。
poloさんが合格点を出されるのは何と珍しい。マイナス30点も聞きたいところですが。それが泡沫的な事柄に拘った点なのでしょうか。
苦しみを知っている人は人に優しくなれる。それが例え敵国の人であっても、同じ人間として見ることができる。本物の大人物だと思います。
心の狭い人は、弱い物いじめをすることでストレスを発散する傾向にありますよね。
ドイツ、ドイツ語が大好きな夫は前々から楽しみにして、初日に映画を見てきました。感想は「本のほうが良かった」でした。
本を読むとイメージがどんどんと膨らんでいきますから、映画を見てガッカリすることは多いですね。 でも、近々 見てきますね。