元祖・静岡県議会議員すずきさとる新聞『すずしん』web版★新しいサイトもご覧下さい!

『新発想でつくろう。豊かな人口減少社会』が合言葉。現在のブログは➡ https://suzukisatoru.net

現実を理想に近づける:故坂本義和教授を偲ぶ

2014-10-14 | スズキのおススメ+コラム

⇔1日1クリックで応援お願いします!ブログランキング
にほんブログ村 政治家(都道府県)へ⇔こちらもクリックを!にほんブログ村



 今月の2日、国際政治学者の坂本義和・東大名誉教授がお亡くなりになりました

 私は最初の大学受験に失敗した後、ある本(伊藤憲一著『国家と戦略』)との出会いをきっかけに国際政治、特に平和を実現するための戦略について学びたいと考えるようになり、そこで受験したのが明治学院大学国際学部国際学科でした。入学時に創設4年目だった国際学部には、他の大学には殆どなかった「平和学」等の科目があり、そこで教鞭をとられていたのが、故坂本教授や故豊田利幸教授です。お二人は当時の日本における平和学を、それぞれの立場から先導していた方(坂本教授は国際政治学者、豊田教授は物理学者として)であり、受験する前から、是非ともお二人の先生の下で勉強したいと考えていました。


朝日新聞記事(平成26年10月7日 デジタル版


 著書を全て読んだ訳ではありませんが、坂本教授は、お題目的に平和主義を唱えるのではなく、理想を実現するには現実的にどのような戦略や政策が必要かということを常に考え提言された方であり、私が共鳴したのもそうした坂本教授の姿勢でした。私が当初、国連で働くことを目指していたのも、理論を言うばかりでなく行動で平和に貢献したいという想いからですし(実際には叶いませんでしたが)、今は地方議員として、少しでも現実を理想に近づけることを目指して現場で行動することを心掛けているつもりです。

 坂本教授は、私が学生の時は学部生に対してはゼミを持たれませんでしたので(それでも、幸いに、豊田教授のゼミ生となることができました)、坂本教授から細かく指導を受けることは残念ながらありませんでした。ただ、私は当時所属していた大学生協(明治学院消費生活協同組合)学生委員会の企画として、坂本教授と対談し大学生協の冊子にその内容を掲載するという担当に選ばれたお陰で、坂本教授から平和学や今の学生についてお話を伺う機会を得ることができました。

 その冊子「読書のいずみ」の中の対談記事と、その対談記事を取り上げた朝日新聞の天声人語(どちらも20年以上前のものです!)の画像を以下に掲載致します。お読み頂ければ幸いです。

   



※『読書のいずみ』43号(平成2年6月 全国大学生活協同組合連合会発行)22~29ページ 及び64ページ(編集後記)


※朝日新聞天声人語(平成2年7月4日)


 坂本教授と対談した平成2年当時は、国内は正にバブル景気の最中であり、国外では前年にベルリンの壁が崩壊し東西冷戦が終結するなど緊張緩和や軍縮が進んでいました。ですから坂本教授の言葉は、好景気に浮かれていた?当時の私達学生に対して大変厳しいものでした。今は状況は大きく異なりますが、国内志向が強くなっていると言われる現在の学生や若者の皆さんには特に傾聴して頂きたく思います。また、シリアやウクライナ等で紛争が勃発するなど世界各地で緊張関係が高まり、国内的にも安倍政権が国家主義的な色合いの強い政策を進めつつある今こそ、坂本教授が続けられた「現実を理想に近づける」作業を、一層強力に行なう必要があるのではないでしょうか。

 生前のご縁とご厚情に深く感謝を申し上げつつ、坂本教授のご冥福を心からお祈り致します。

 お読み下さり、ありがとうございます。
 


最新の画像もっと見る