9月議会最終日に行なわれた、浜岡原発県民投票条例案(原案)と修正案の採決では、私は以前述べた理由から、両案に反対票を投じました。我が会派7名の先輩・同僚議員が中心になって作成・提出した修正案については、県民投票の実施期日の点では私の考えと同様の修正が加えられました。しかしながら、選択肢については二者択一のままであり、それ以上に、時間等の制約もあり、「原発反対派と賛成派が、互いに冷静かつ建設的に会話や議論が出来るような形」の修正案にならなかったのは大きな問題点と考え、反対と致しました。
県民投票条例案が否決されたことに対し、直接請求した住民団体の方々はもとより、各マスコミからも「住民の意思はどこに行った」「形式的な議論に終始した」等の批判が多く寄せられました。確かに、16万人以上の署名をされた方、あるいは大変な苦労をされて署名を集められた団体の方や受任者の方にとって、全く形にならなかったことは大変無念だっだろうと思います。しかし、議員として、16万人余の方々の思いを無視したり軽んじたりしたつもりは決してありません。今回は否決という結果になりましたが、総務委員長あるいは議長らも既に発言されているように、議論はこれで終わりではなく、これからも県民投票の是非や浜岡原発の安全性等について、議会として取り組む方向になりましたし、私も、従来から、9月議会後も県民投票のあり方等について議論を行なうべきと主張してきました。
つまり、条例案可決という形にはなりませんでしたが、県議会なりに、16万余の住民の意思を受け止めたのです。今回の直接請求は、少なからず、県議会を動かしたのです。特に、当初から否定的と考えられていた自民改革会議が今後の議論の必要性を認めたことは、決して小さくない成果だと考えます。
また、「形式的な議論に終始した」という批判については、少なくとも我が会派ではそのようなことは決してありませんでした。知事や県側が原案の不備の問題を指摘したことが議論をミスリードしたというような批判がありますが、私達にとっては、技術的な問題点が早い段階で明らかになったことで、会派内ではむしろ本質的な議論に集中することが出来たと考えています。総務委員会で集中審議が始まる直前の10月2日に、会派として、「原案は否決。修正案については会派として出すか出さないか意見は一致しなかったので、会派としては何もしない(つまり結果として修正案は出さない)」という結論を出しましたが、本質的な議論を繰り返したが故の結果でした。
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※10月14日静岡新聞記事。我が会派の野澤会長が「封印」という言葉を使ったとありますが、私の記憶ではそれは無かったと思います。たとえ封印という言葉を用いていたとしても、それは議論を無理に止めるとか隠すという意味ではなく、これで一区切りという意味で使ったのだと理解しています。
また、この記事に限らず、県民投票条例に関して、民主党の議員は電力会社の労働組合から圧力を受けているという主旨の報道が度々されましたが、それは短絡的な見方です。私の場合、国会議員秘書時代から、電力会社やその労働組合の方々とお付き合いがあります。以前から各地の発電所等を視察させて頂くだけでなく、特に昨年度は危機管理を扱う総務委員会に所属していたこともあり、日頃から疑問があれば電力会社や労働組合の方等に質問して説明を受けたり、議論したりしてきました。今回の議論や採決での発言と行動は、あくまでも自分の考えや信念に基づくものです。
住民団体側等から、次の12月議会で川勝知事が今回の修正案のような県民投票条例案を出すべきとの意見が出されています。しかし、県民投票を実現させるにはどうすべきかと冷静に考えた上での主張のようには失礼ながら私には思えません。何故なら、もしも今回と同じ修正案をそのまま条例案として提案したとしても、今回反対した議員は当然ながら再び反対するだけです。内容に問題があって反対したのですから、その点が変わらなければ再び反対するしかありません。また、新たに条例案を作成するにしても、議会の過半数を占める自民改革会議が納得するような内容にする必要がありますが、9月議会で示された反対理由等からすれば、それはかなり難しい作業を要します。とりわけ、来夏の知事選が近づくにつれて、自民改革会議は川勝知事や私たちの会派に対して更に対決姿勢を明確にしてくるでしょうから、そうした時期に今回のような県民投票条例案を再び出せというのは、非現実的な意見と言わざるを得ません。
間もなく浜岡原発が再稼働可能状態になるというのであれば急ぐ必要もあるでしょう。しかし、そうした状態は当面は考えられないのですから、県民投票を本当に実現させるというのであれば、正にこれから、「原発反対派と賛成派が、互いに冷静かつ建設的に会話や議論が出来るような形」にするための作業を丁寧に進めるべきです。こうした地道な作業が出来るかどうかで本気度が問われてくるだろうと思います。私たちの会派としては、今後も議論を続けていきますし、個人的にも、あるべきエネルギー政策について引き続き勉強や調査を続けていきたく思います。
お読み下さり、ありがとうございます。
県民投票条例案が否決されたことに対し、直接請求した住民団体の方々はもとより、各マスコミからも「住民の意思はどこに行った」「形式的な議論に終始した」等の批判が多く寄せられました。確かに、16万人以上の署名をされた方、あるいは大変な苦労をされて署名を集められた団体の方や受任者の方にとって、全く形にならなかったことは大変無念だっだろうと思います。しかし、議員として、16万人余の方々の思いを無視したり軽んじたりしたつもりは決してありません。今回は否決という結果になりましたが、総務委員長あるいは議長らも既に発言されているように、議論はこれで終わりではなく、これからも県民投票の是非や浜岡原発の安全性等について、議会として取り組む方向になりましたし、私も、従来から、9月議会後も県民投票のあり方等について議論を行なうべきと主張してきました。
つまり、条例案可決という形にはなりませんでしたが、県議会なりに、16万余の住民の意思を受け止めたのです。今回の直接請求は、少なからず、県議会を動かしたのです。特に、当初から否定的と考えられていた自民改革会議が今後の議論の必要性を認めたことは、決して小さくない成果だと考えます。
また、「形式的な議論に終始した」という批判については、少なくとも我が会派ではそのようなことは決してありませんでした。知事や県側が原案の不備の問題を指摘したことが議論をミスリードしたというような批判がありますが、私達にとっては、技術的な問題点が早い段階で明らかになったことで、会派内ではむしろ本質的な議論に集中することが出来たと考えています。総務委員会で集中審議が始まる直前の10月2日に、会派として、「原案は否決。修正案については会派として出すか出さないか意見は一致しなかったので、会派としては何もしない(つまり結果として修正案は出さない)」という結論を出しましたが、本質的な議論を繰り返したが故の結果でした。
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※10月14日静岡新聞記事。我が会派の野澤会長が「封印」という言葉を使ったとありますが、私の記憶ではそれは無かったと思います。たとえ封印という言葉を用いていたとしても、それは議論を無理に止めるとか隠すという意味ではなく、これで一区切りという意味で使ったのだと理解しています。
また、この記事に限らず、県民投票条例に関して、民主党の議員は電力会社の労働組合から圧力を受けているという主旨の報道が度々されましたが、それは短絡的な見方です。私の場合、国会議員秘書時代から、電力会社やその労働組合の方々とお付き合いがあります。以前から各地の発電所等を視察させて頂くだけでなく、特に昨年度は危機管理を扱う総務委員会に所属していたこともあり、日頃から疑問があれば電力会社や労働組合の方等に質問して説明を受けたり、議論したりしてきました。今回の議論や採決での発言と行動は、あくまでも自分の考えや信念に基づくものです。
住民団体側等から、次の12月議会で川勝知事が今回の修正案のような県民投票条例案を出すべきとの意見が出されています。しかし、県民投票を実現させるにはどうすべきかと冷静に考えた上での主張のようには失礼ながら私には思えません。何故なら、もしも今回と同じ修正案をそのまま条例案として提案したとしても、今回反対した議員は当然ながら再び反対するだけです。内容に問題があって反対したのですから、その点が変わらなければ再び反対するしかありません。また、新たに条例案を作成するにしても、議会の過半数を占める自民改革会議が納得するような内容にする必要がありますが、9月議会で示された反対理由等からすれば、それはかなり難しい作業を要します。とりわけ、来夏の知事選が近づくにつれて、自民改革会議は川勝知事や私たちの会派に対して更に対決姿勢を明確にしてくるでしょうから、そうした時期に今回のような県民投票条例案を再び出せというのは、非現実的な意見と言わざるを得ません。
間もなく浜岡原発が再稼働可能状態になるというのであれば急ぐ必要もあるでしょう。しかし、そうした状態は当面は考えられないのですから、県民投票を本当に実現させるというのであれば、正にこれから、「原発反対派と賛成派が、互いに冷静かつ建設的に会話や議論が出来るような形」にするための作業を丁寧に進めるべきです。こうした地道な作業が出来るかどうかで本気度が問われてくるだろうと思います。私たちの会派としては、今後も議論を続けていきますし、個人的にも、あるべきエネルギー政策について引き続き勉強や調査を続けていきたく思います。
お読み下さり、ありがとうございます。