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田舎ぐらし(95)

― 父子家庭 ―

 
 
 父子家庭と母子家庭。
もし、同じ紙面にふたつ見出しが並んでいたら、父子家庭の方に先に目が行く。なぜ?と聞くのは野暮天である。

 昨今はシングルファーザーやシングルマザーという言葉をよく見聞きする。最初は何のことかわからなかったが、なんのことはない、離婚そのほか様々な事情でひとりで子どもを育てている父親、母親をいうらしい。

 父子家庭、母子家庭と言えば事足りるのを、この国はなんでも英語風にしたがる。もっとも和製英語だから英和辞典で引いても訳は出てこない。。

 それはともかく、父子家庭で育った子と母子家庭で育った子に何か違いはあるのだろうか。

 収入面の差は想像できるが、問題は親のかかわり方にある。
両親がそろっている、いないに関わらず、学童期になんでも親がやってやると、自主性のない子になってしまう(「子どものまま中年化する若者たち」鍋田恭孝 幻冬新書)

 自主性がないというのは、例えば、女子学生にエレベータールームの掃除を頼んだ。もう済んだ頃だろうと30分後に行ってみると、雑巾で壁を拭きながら泣いている。聞くと、「どこから、どのようにきれいにすればよいかがわからないんです」と言う。(同)
 あるいは店長が「お昼になったら食事に行っていいよ」と言ったら、「12時ちょうどですか。12時1分ですか?」と聞いてくる。あるいはホッチキスの針が入れられない(元店長談)

 母親は概して父親に比べると世話好きだ。
しかし、学童期、世話を焼き過ぎるのはかえってよくない。
放ったらかしは困るが、何でもかんでも親が手を出すと、エレベータールームで泣き出す子ができる。

 父子家庭の父親は育児が悩みの種だと聞く。
しかし、全く放任しているのでない限り、母親のようにはできないと悩む必要はないのではなかろうか。昔はご飯を炊くには薪を燃やさなければならなかったし、洗濯は手でごしごしやるしかなかった。どこの親も恐ろしく忙しかった。子どもをかまっている暇などなかった。それでも、子どもは見よう見まねでご飯を炊いたし、洗濯もした。

 優しい子はそのうち、お父さん帰りはいつも遅いからご飯は炊いといてやろうか、などと考え始めるかもしれない。
 




 


 

 
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