目の前のことに、ガーーーっとなって先を見通すのが苦手なわたくし
(かわれば人生かわるであろうに)
制作仕事の後手後手で、年の瀬にご案内をお送りする不躾をお許しください🙇♀️
いよいよ
兵庫県立芸術文化センター公演
二週間前!!!!
演出瀑さんのご案内文を
ブログにて。
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埴生美伽子 劇的ライヴ・歌ものがたり
『裸足のシャンソン~
エディット・ピアフ』へのご案内
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人間ひとはなぜ歌い 踊るのか?
音楽と演劇とダンスのコラボレーション
劇的なるもの
自由を求めての エンターテーメント!
僕が埴生美伽子と出会ったのは、彼女がまだ十九の時だった。
社会に反発するように少し斜に構えてはいたが、根は真摯な情熱的な女性だった。
今は跡形もなくなってしまったが、環状線天満駅傍の天神橋商店街の中にあった、
シェルターという名のコンクリート剥き出しの、文字通りアンダーグランドの稽古場に、背筋伸ばしてひとりでやってきた。
その時から並外れた異質の魅力はあったが、ある日、地下の稽古場に降りようとして、僕は立ち止まった。
地下から奇声がきこえ、異様な気配が漂っていた。声をかけるのを躊躇い我を忘れ、その光景を凝視していた。
彼女はある役づくりのため、その性根をを掴み取るため、コンクリートの壁に何度も頭をぶつけていた。
その姿はまさに鬼気迫るものであり、美しき若き鬼女の様であった。
その凄まじい狂気にその時、僕は嫉妬した。彼女の荒削りの存在に圧倒された。彼女には敵わないと。
それから長い空白期間を経て、延べ二十年以上の表現活動を共にしている。
2016年、彼女は日本アマチュアシャンソンコンクール全国大会で、最優秀歌唱賞グランプリを受賞した。
弱小劇団故に集客に役立てばと、締め切り一週間前に、コンクールがあることを知り、僕が応募させたのだ。
シャンソンは2曲しか知らなかった。舞台で彼女が踊ったバルバラ「黒い鷲」と、ちあきなおみさんが歌っていたピアフ「アコーディオン弾き」。
本当は「黒い鷲」の方が歌い慣れていたのだが、4分以内という時間制限があり、仕方なく「アコーディオン弾き」を即席で仕込み、舞台に立った。
そしてグランプリを受賞した。 が、演劇活動の集客にはほとんど役に立たなかった。
そして七年の歳月が流れ、《歌う女優 もの語る歌いびと》埴生美伽子として今に至っている。
この一年の彼女の進化には、目を見張る。歌も芝居も奥深く心揺さぶる様になってきた。
今、埴生美伽子は《歌う女優 もの語る歌いびと》として、歌ものがたりの世界に確固として立っている。
あの日と同じように、僕は埴生美伽子の情熱的なこの狂気に嫉妬している。
人間という存在が、ますます信じられなくなってゆくこの時代に、ドラッグ中毒でもあった稀有なピアフというひとりの人間の明暗を、
埴生美伽子の稀有な感性を通じて描くことで、『愛するとは? 生きるとは? そして人間とは?』 瀑一人、真っ向対峙します。
「愛しなさい 愛しなさい 愛しなさい わたしにとって愛がすべて」ピアフ
2023年12月吉日 瀑一人 拝
ぜひぜひいらしてください
心よりお待ちしております。
埴生美伽子