昨日、BSの「夏の嵐」を録画してちょびっと観ていたら、昔の映画とは言いながらあんまり動かない視点(=カメラ)、フレームの取り方、ショットの切り替えにもリズムが感じられなくて、好きになれないタイプの映画だった。クラシックなロマンス映画だし、じっくり観ればそれなりに楽しめるのだろうけど、やっぱりヴィスコンティの語り口は好きになれない。大昔、リアルタイムで「ベニスに死す」も観たけど、特に感心した記憶もないしね。
夜、しばらくほおっておいたハードディスクに録画済みの映画をパラパラと観てみた。
「麦秋」
大昔に観て、大好きだった小津監督の名作。冒頭の数分間を観たけど、昼間のヴィスコンティとは大違い。「夏の嵐」と比べたら、カメラの切り替えがまるで神業の如し。小学生の兄弟、OL、飼っている小鳥に餌をやるお爺ちゃん等々、大家族の何気ない朝の風景が、焦点をあてる人物を切り替えながら実にリズミカルに描かれている。
原節子扮するOLが駅のホームで通勤列車を待っている風景も、ロングからミドルに切り替えるタイミングの良いショットに、ワイラーやマンキウィッツを思いだしてしまった。イイ映画って言うのは、邦画も洋画も関係ないな。
「タクシー・ドライバー」
大都会の夜の蒸気の中から現れる白いタクシーと重なるタイトル文字。話題作ながら、次点に置いていたためについ見逃したままになっていた作品。おおよそ内容も描き方も想像がつくんだけど、今回は観ることにしている。若いデ・ニーロに、少女のジョディ・フォスター。いかにも70年代のアメリカ映画らしい映像とせりふ。
「細雪」
今年亡くなった市川崑監督作品。いきなり、佐久間良子や古手川祐子、吉永小百合の顔のアップの切り返しで始まる映画で、その後、俯瞰ショットが入って、彼らが部屋の中で食事を摂っている事が分かる。何らかの意図が感じられる出だしだが、これは後を観なければ分からないでしょう。原作を面白く読んだのは大昔の事。2時間を越える作品だから、これはまだまだ後回しになりそうだ。
「フェリーニのローマ」
ヴィスコンティとは違って、好きなイタリア監督。独特の構図や色使いが定着した後期の作品で、やはり面白そう。
「バリー・リンドン」
オカピーさんご推薦のキューブリックの名作。ナレーションが入った美しい構図のオープニングで、19世紀あたりの時代設定の、お金のかかってそうな映画。キューブリックの映像は美しいけど狂気めいたものを感じるので、『大好き』ではない。取りあげるテーマ、扱い方にも難しいところもあって、ご贔屓ランクではB級の監督さんです。
「クイズショウ」
観れば再見となるレッドフォード作品。クラシックなタイトル文字が雰囲気有り。これは絶対に観まっす!!
「白いカラス」
ロバート・ベントン監督、ニコール・キッドマン、アンソニー・ホプキンス、エド・ハリス出演。原作はフィリップ・ロスなんだそう。
雪の中を走る車。対向車を避けようとして路肩から落ちて横転してしまう。そんなオープニング。シリアスなテーマの作品で、多分この後、過去の話が語られるのでしょう。
「生きる」
ご存じ、黒澤の名作。序盤で志村喬が書類にハンコを押しているシーンがあるが、テレビの音量を下げていたので、ナレーションがよく聞こえず、映像的には退屈。途中を覗いたらワイプを使ったシーンもあり、なんだか「羅生門」を思いだした。
個人的には小津や成瀬の方が好きかなぁ。
「昼下りの情事」
これも数回観た映画。でも字幕は初めてかも知れない。
ナレーション(多分、モーリス・シュバリエの)が入り、パリの街角でキスを交わす色々な男女のスナップショットが続く洒落たオープニング。如何にもな、ビリー・ワイルダーの名演出が期待される。オードリーも久しぶりだなぁ。
「鬼火」
暗い画面にモーリス・ロネの顔。観なけりゃいけないが、題材が・・・。「ギャツビー」も語られるらしい。
ロストジェネレーションの作家にも、エンパイヤステートビルからコウモリ傘をさして飛び降りた人もいたよなぁ。
フランスでは“気になる度”A級の監督、ルイ・マルの作品。
「フォロー・ミー」
キャロル・リードの遺作で、先日再見した映画。これは、近々書く予定なので割愛。
さて、『好きな監督、遠ざかる監督』というタイトルで始めましたが、誰が該当するか分かりましたぁ?
09:06(土)追記:本日「夏の嵐」の冒頭を再度観直しました。「リズムが感じられなくて・・・」等と生意気な事を書いてしまいましたが、どうもタイトル~オープニングの数シーンを見逃していた模様で、しっかり“流れが出来て”おりました。ヴィスコンティ・ファンの方、申し訳ない
後日、ゆっくり観させていただきます。
夜、しばらくほおっておいたハードディスクに録画済みの映画をパラパラと観てみた。
「麦秋」
大昔に観て、大好きだった小津監督の名作。冒頭の数分間を観たけど、昼間のヴィスコンティとは大違い。「夏の嵐」と比べたら、カメラの切り替えがまるで神業の如し。小学生の兄弟、OL、飼っている小鳥に餌をやるお爺ちゃん等々、大家族の何気ない朝の風景が、焦点をあてる人物を切り替えながら実にリズミカルに描かれている。
原節子扮するOLが駅のホームで通勤列車を待っている風景も、ロングからミドルに切り替えるタイミングの良いショットに、ワイラーやマンキウィッツを思いだしてしまった。イイ映画って言うのは、邦画も洋画も関係ないな。
「タクシー・ドライバー」
大都会の夜の蒸気の中から現れる白いタクシーと重なるタイトル文字。話題作ながら、次点に置いていたためについ見逃したままになっていた作品。おおよそ内容も描き方も想像がつくんだけど、今回は観ることにしている。若いデ・ニーロに、少女のジョディ・フォスター。いかにも70年代のアメリカ映画らしい映像とせりふ。
「細雪」
今年亡くなった市川崑監督作品。いきなり、佐久間良子や古手川祐子、吉永小百合の顔のアップの切り返しで始まる映画で、その後、俯瞰ショットが入って、彼らが部屋の中で食事を摂っている事が分かる。何らかの意図が感じられる出だしだが、これは後を観なければ分からないでしょう。原作を面白く読んだのは大昔の事。2時間を越える作品だから、これはまだまだ後回しになりそうだ。
「フェリーニのローマ」
ヴィスコンティとは違って、好きなイタリア監督。独特の構図や色使いが定着した後期の作品で、やはり面白そう。
「バリー・リンドン」
オカピーさんご推薦のキューブリックの名作。ナレーションが入った美しい構図のオープニングで、19世紀あたりの時代設定の、お金のかかってそうな映画。キューブリックの映像は美しいけど狂気めいたものを感じるので、『大好き』ではない。取りあげるテーマ、扱い方にも難しいところもあって、ご贔屓ランクではB級の監督さんです。
「クイズショウ」
観れば再見となるレッドフォード作品。クラシックなタイトル文字が雰囲気有り。これは絶対に観まっす!!
「白いカラス」
ロバート・ベントン監督、ニコール・キッドマン、アンソニー・ホプキンス、エド・ハリス出演。原作はフィリップ・ロスなんだそう。
雪の中を走る車。対向車を避けようとして路肩から落ちて横転してしまう。そんなオープニング。シリアスなテーマの作品で、多分この後、過去の話が語られるのでしょう。
「生きる」
ご存じ、黒澤の名作。序盤で志村喬が書類にハンコを押しているシーンがあるが、テレビの音量を下げていたので、ナレーションがよく聞こえず、映像的には退屈。途中を覗いたらワイプを使ったシーンもあり、なんだか「羅生門」を思いだした。
個人的には小津や成瀬の方が好きかなぁ。
「昼下りの情事」
これも数回観た映画。でも字幕は初めてかも知れない。
ナレーション(多分、モーリス・シュバリエの)が入り、パリの街角でキスを交わす色々な男女のスナップショットが続く洒落たオープニング。如何にもな、ビリー・ワイルダーの名演出が期待される。オードリーも久しぶりだなぁ。
「鬼火」
暗い画面にモーリス・ロネの顔。観なけりゃいけないが、題材が・・・。「ギャツビー」も語られるらしい。
ロストジェネレーションの作家にも、エンパイヤステートビルからコウモリ傘をさして飛び降りた人もいたよなぁ。
フランスでは“気になる度”A級の監督、ルイ・マルの作品。
「フォロー・ミー」
キャロル・リードの遺作で、先日再見した映画。これは、近々書く予定なので割愛。
さて、『好きな監督、遠ざかる監督』というタイトルで始めましたが、誰が該当するか分かりましたぁ?
09:06(土)追記:本日「夏の嵐」の冒頭を再度観直しました。「リズムが感じられなくて・・・」等と生意気な事を書いてしまいましたが、どうもタイトル~オープニングの数シーンを見逃していた模様で、しっかり“流れが出来て”おりました。ヴィスコンティ・ファンの方、申し訳ない
後日、ゆっくり観させていただきます。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます