本日12:32晴天。台風21号は明け方に掛けて北北東の方に流れた。
私はいつもより遅く、07:52の起床だった。
妹とその彼氏はまだ寝ていた。
私は悲しくなんかなかったし、どうせいつかはあることだろうと思っていた。
私の人生じゃない。
何も聞かなかった。
あの子が大阪から、家出から帰ってきたそのときまで。
別に姉妹だからといって、情けを掛けたりもしなかった。
先日愛犬のココアが逝ったときも、私が泣くことはなかった。
私は泣くことはなかったはずだし、今日は県外にいる予定だった。
ここ最近は忙しかった。
精神的にも、肉体的にも。
あらゆることが目まぐるしく流れていった。
喜びも哀しみも、疲労も、時間も。
相談を聞いてばかりで、自分は何をしていたのか。
今日妹は大阪に旅立つ。本当に友人なら家を出る。
専門学校も中退する。クラスの役員も降りる。
勿論、今生の別れとかではない。
私も来年2月に家を出る。
悲しみはない。
ずっと7年間家を出たかったんたから。
妹もそうだ。
出発前、母は気持ち悪いと下腹部を抱えていた。
私はそれが、驚くほど他人事のように感じた。
至って冷静だった。
四人が出発した後、私は卒論を手掛けなければならないのに手がつかなかった。
何もする気が起きなかった。
妹の部屋に行った。
残された漫画の山に近づいて、ひとつ読むことにした。
普段はそんなことしない。
「羣青」という殺人から始まるヒューマンドラマだった。
彼らは作中泣いてばかりだった。
何故かそれを読み終わって自室に戻る途中、私は涙が止まらなかった。
本を読んだからかもしれないし、そうじゃないかもしれない。
悲しかったのかどうかはやっぱり、あまりわからない。
ただ、やることをやらないとならないと思った。
思えば18年間、私はよく妹を突き放したし、慰めもした。
長い長い18年間、だった。
それは母にとっても、父にとっても、前の父にとっても。
いろいろあり過ぎた。
あの子が家出をできるくらい、大人になったのだと思うと、それは社会的には非難されざるを得ないことだとしても、誇らしく思えた。
私たちにはできなかったことが、この子には成し遂げられたのかも知れなかった。
私は反抗期も無かった。
親に本当の意味で抵抗して見せたことは無い。
私は家を出る。
社会的にも家庭的にも問題の無い方法で。
私は体裁を気にして生きてきたし、これからもそれは変わらない。
そうはいえど……
今日、妹の門出をここに祝う。
大人になったね。