「ホントのドリームガールはジェニファー・ハドソン」
上映前はビヨンセだけが目立つ、ビヨンセ万歳な映画なんだろうなと、なんとなく思っていて、あんまり期待はしてませんでした。
でも、このド迫力には度肝を抜かれた!
ストーリーそのものは単純。努力をすれば報われる、因果応報みたいな、ありきたりのものです。
ブラックムービーっぽく、黒人文化が白人に簒奪されることへの苛立ちや、キング牧師が登場したりもするけれど、公民権運動がどうのこうのっていう難しい話にはなりません。
基本的には、黒人の女の子たちが白人文化へ、エンターテイメントで乗り込んでいくという根性映画です。
その分、話の筋はわかりやすいですが、それだけと言えばそれだけ。
でも、この映画には単純なストーリーの方がピッタリでしょう。
とにかく圧倒されるのが、全編を覆い尽くす歌の迫力と、映画そのものがショーと言っても過言ではないステージパフォーマンス。
ドリームガールズというグループの成長物語なんですが、彼女たちがトップに上り詰めていく課程が、役者一人ひとりのハイレベルなパフォーマンスによって、実に説得力を持って映像化されています。
ビヨンセが主人公でトップスターという扱いなんですが、ビヨンセの美しさと、そのパフォーマンスはホントに素晴らしいです。っていうか、ビヨンセじゃなければ演じられなかった、と言っても過言じゃないでしょう。
そういう意味では、確かにビヨンセありきの映画だったのかもしれないけど、この映画にこそビヨンセが相応しかったとも言えると思います。
さらにアカデミー賞で最優秀助演女優賞を獲ったジェニファー・ハドソンですが、彼女の歌唱力とド迫力パワーは一見の価値あり! 劇場の大スクリーンと音響で、ぜひ体験するべきでしょう。
こんな女優さんが、今まで無名に近い存在だったというのだから、アメリカのエンターテイメント業界は、ホントに底知れないなと実感しました。
おそらくアカデミー賞を獲ったことで、彼女も注目されると思うので、この映画の出演はまさに「ドリームガールズ」を地でいく展開だったのでは。
んで、脇を固める役者も良かった。
特に、エディ・マーフィーが生身でエンターテイナーぶりを発揮してくれて、オレ的にはすごく嬉しかった。
歌と踊りだけの肉体を使ったパフォーマンス、CGを使わなくたってこれだけのド迫力を生み出せる、まさにハリウッドの底力を見せつけられたような映画でした。
こういう映画は、ハリウッド以外では絶対に撮れないだろうな~。
『ドリームガールズ』(映画館)
http://www.dreamgirls-movie.jp/top.html
監督:ビル・コンドン
出演:ビヨンセ・ノウルズ、ジェイミー・フォックス、エディ・マーフィ、ジェニファー・ハドソン、ダニー・グローバー、アニカ・ノニ・ローズ、他
点数:8点
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