「日高のり子にはコクピットがよく似合う!」
『新世紀エヴァンゲリオン』で有名なガイナックスが初めて制作したOVA(劇場版作品として『オネアミスの翼』がある)。
どういうわけか、ここ最近、少し古めのアニメを観る機会が増えている……。
10年ほど前にPC-9801版のゲーム(なぜか脱衣ゲームで、今でいうところの18禁だった)をプレーしたことはあった。
また、その当時、『コンプティーク』誌に連載していたマンガ版(『トップをねらえ! NeXT GENERATION』)も読んでいた。
ところが、これらの原作となるOVA版は今の今まで観たことがなかった。
たまたま、岡田斗司夫氏の『オタク学入門』で『トップをねらえ』が扱われているのを目にし、それで興味がわいたので今回観ることになった。
とにかく、これは面白い作品だった!
リアル一辺倒に偏るのではなく、いかにリアルっぽさを出すのか……いかに面白く、かっこよく見せるかを追求した作品。「オタク学」は伊達ではないと思った。
序盤は少女マンガとロボットアニメをミックスしたパロディタッチとなっていて、笑わせつつも、ロボットアニメの熱血ぶりも楽しめる。
だが、お笑いだけではなく、ストーリーにシリアスな要素もだんだん加わっていき、ガンダムシリーズに通ずるような戦場の過酷さが描かれるようになっていく。
そして詳細で緻密なSF考証が、ただ単に設定されているのではなく、きちんとこれがストーリーに絡んでいき……最終回は涙と感動なくしては観られないものとなっている。
作中で人類がたどる結末そのものが、必ずしもハッピーとは言えないが(それは作中でも言及されている)、でも物語の結末としてはハッピーエンド。でも、かなりほろ苦いハッピーエンドでもある。
この「甘くて苦い」エンディングが私的にはすごく良かった。
正直言って、あのエヴァを撮った庵野監督(極太明朝体はこのころから使われている)だけに、最終巻の予告編とモノクロの最終回では、かなりイヤな予感があった。
「また、中途半端で胸につかえが残るような終わり方になるのでは……」
でも、この作品では、きっちりとエンドが描かれている。
人によっては余韻を楽しみたいとか、冗長に感じるかもしれないが、あのラストがあってこそ「甘くて苦い」エンディングが迎えられるのだと思っている。
エヴァでもこういう終わり方にしてくれれば良かったのに…それともトップでこういう終わらせ方をしたから、エヴァはあえて変えたのかな……?
なお、主人公のタカヤ・ノリコ役は日高のり子さんが演じている。
日高さんは、来年春に発売される『サクラ大戦3』ではヒロイン役のエリカ・フォンティーヌを演じる。
つくづく、日高さんはロボットのコクピットが似合うのだなと、この作品を見ながら感慨に耽ってみたりもした。
『トップをねらえ!』(OVA)全3巻
監督:庵野秀明
出演:日高のり子、佐久間レイ、川村万梨阿、若本規夫、大木民夫、他
評価:10点(後日評価し直し+2点)
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