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同人サークルA-COLORが北海道をうろうろしながら書いているブログです

スーパーサイズ・ミー

2005-01-07 15:08:00 | 映画-2005年

「ベジタリアンにはなれねえな」

「マクドで1日3食一ヶ月食べ続けるとどうなるのか?」っていう、あまりにもくだらない実験を試みるドキュメンタリー映画。
 なんか、電波少年的な臭いがして、そのくだらないテーマに思わずひかれて観てしまった。

 映画冒頭、監督にして被験者たるモーガン・スパーロックが、なんでこんなくだらない実験を始めようとしたのかを語る。要旨はこうだ。
「肥満になった少女二人が、『自分が肥満になったのはマクドナルドが有害であることを知りながらファストフードを売ったのが原因』として、マクドナルドを相手取って裁判。
 しかし、裁判には負けた。敗訴の理由は大きく分けて二つ。
 1.ファストフードと肥満との因果関係が証明されていない
 2.そもそも食い過ぎが悪い
 それならば、1日3食一ヶ月マクドのファストフードを食い続けてみて、ホントに体調との因果関係がないのか検証してみよう」
 ということで、実験を開始する。

 まず、スパーロックの体調を徹底的に検査して数値化し、実験中の体調変化を数値でトレースできるように準備する。
 さらに被験者が一般的な環境下で生活するために、いろいろな統計から「平均的なアメリカ人の生活」習慣を洗い出す。
 それから、いよいよマック生活開始。

 ――この映画、バカ企画の映画かと思ったけど、公平性は脇に置くとして、わりとマジメな作り方をしているようなカンジだ。
 電波少年的期待は裏切られたけど、こういう馬鹿馬鹿しいことを、ここまでマジメにやるのは、それはそれでおもしろいと思う。

 まあ、映画は予想通りというか、スパーロックが太って、だるくなって、痛風になりかけて、「いやぁ、やっぱマクドの食い過ぎはイカンですな」という終わり方をする。
 でも、これだけで終わってたら、ホントに電波少年だ。
 電波少年との違い――っていうか、このスパーロックがホントにやりたかったと思われるのは――実験の最中に挿入される一般人や専門家によるコメントを引用しながらの「ファストフードと消費社会」への警鐘だ。
 ざっくりと要約してしまうと、「現在の大量消費社会においては食習慣そのものがファストフード化され、ジャンクフードを大量消費し続ける現代人は身体が肥満するだけでなく、社会生活もジャンク化していく」ってカンジ。
「あなたが知らないところで、実はこんな恐ろしいことになってるんですよ!」っていうカンジの作り方は、マイケル・ムーアにも似ているね。

 この意見に関しては、特になにもないっていうか、どうでもいいっていうか、どんなもんでも食い過ぎれば毒だろ、っていうありきたりのところに落ちるのが俺の意見。
 ついでに言うと、メディアは恐怖や興味による情報の絨毯爆撃で消費をあおってるっていう見解を、「あなたが知らないところで実は……」っていう情報であおってるな、と思った。

 この映画、予想通りにスパーロックがエラい目に遭って、明らかに彼の身体は崩壊する。だけど、その根拠がはじき出される数値(冒頭の健康診断に比較する)が主体ってのが、ちょっと残念だった。
 映像的に目立つのは、せいぜいスパーロックの腹が出っ張るぐらいだ。
 なんつうのかな、もっと衝撃的な人体崩壊が日々綴られていけば、もっとおもしろかったのにな。
 ユシチェンコみたいに、30日後にはまるで別人になってしまった……っていうぐらいの人体崩壊が起きれば、「やっぱ、マクドやべぇかも」ってなったかもしれん。

 でも、たぶんこの映画はテレビでは放映されないと思うから、興味のある人はDVDを観るか映画館に足を運びましょう。

 あ、それと最後に。
 オレはマクドのテレビCMが大キライです。

『スーパーサイズ・ミー』(映画館)
http://www.supersizeme.jp/
監督:モーガン・スパーロック
出演:モーガン・スパーロック、他
評価:6点


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