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同人サークルA-COLORが北海道をうろうろしながら書いているブログです

酔拳2

2001-07-28 13:51:00 | 映画-2001年

「お久しぶりです!…って感じじゃないんだよな~…」

 ジャッキー・チェンを世に知らしめることとなった『酔拳』の15年ぶりの新作。
 しかも『プロジェクトA』以降、本格的なカンフー映画を撮らなかったジャッキーが原点回帰するために撮ったというのだから、公開前から話題になっていた(あくまでも私的にだけど)。

 何度も観ている作品なのだが、改めて見直してみると、「原点回帰」といっても、昔の「○拳」シリーズとはやはり違って、アクションとコメディが融合した「ジャッキー・チェン」らしい映画となっている。

 また、もう一つ見逃せないのが、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』シリーズの存在である。

『酔拳』は、もともと黄飛鴻が主人公として撮られていたので、『酔拳2』でも当然、黄飛鴻が主人公になっている(洪家拳の達人が酔拳を使うというツッコミはなし)。

 ところが、である。
 15年前なら、自由な解釈で撮ることが可能だった黄飛鴻(なにせギネスに載るぐらい映画化された人物だから)。
 だが、『酔拳2』が撮られた当時は、ちょうどリー・リンチェイ&ツイ・ハークとのコンビによる『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』シリーズがブームを迎えていた頃だった。
 この『ワンチャイ』シリーズの影響で、黄飛鴻は人徳者であり、伝説の英雄であることが既定事実となってしまった。

 この影響のためであろうか、『酔拳2』では従来の「ドラ息子が修行を重ねて、悪者を見返す」というパターンではなくなってしまった。
 そして、『ワンチャイ』シリーズよろしく、「外国対中国」という対立図式ができあがっており、事態収集のために黄飛鴻が立ち上がるという筋書きになっている。

 なんだか、この辺がなぁ……
 とってつけたようなって言うか、無理矢理っぽいっていうか、どうにも釈然としない。
「原点回帰」を謳ったのなら、ジャッキーらしい黄飛鴻を最後まで貫いてほしかった…ラストシーンでは衣装まで、『ワンチャイ』と同じだったし。

 でも、『ワンチャイ』と違って、コメディ要素が活きているのは、ジャッキー映画の見せ所といえるかもしれない(アニタ・ムイが良い味出してます)

 いつも思うのだが、この映画を見ると、つい昔のジャッキー・チェンの映画を見たくなる。
 そう、昔のコミック・カンフー時代の映画を。

『酔拳2』(テレビ)
監督:ラウ・カーリョン
出演:ジャッキー・チェン、アニタ・ムイ、ラウ・カーリョン、ティ・ロン、アンディ・ラウ、他
評価:7点(「酔拳」ということでかろうじて+1点)


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