・「東京キャラバンthe 2nd 演出:野田秀樹」2022、11/27(日) 静岡市駿府城公園紅葉山庭園前広場、13:00~, 16:30~, 70分
野田秀樹による心の交流としての文化混流ということだそうだ。伝統芸能の琉球舞踊:玉城匠・大浜暢明、アイヌ古式舞踊:公益社団法人北海道アイヌ協会、日本の郷土芸能の三社祭礼囃子:静岡県立横須賀高等学校郷土芸能部、花柳流:日本舞踊:花柳貴伊那、人形劇師:沢則行、現代音楽アーティスト:宇治原宗輝、音楽バンド:浅草ジンタ、ダブルダッチチーム縄跳びパフォーマンス:REG☆STYLE、朗読:前田敦子、アーティスト鈴木康広、東京キャラバンアンサンブル、とまあ畑違いの舞台芸能者たちが一堂に会し、野田により一つの舞台を創造するのだ。単なる寄せ集めではなく、有機的かつスリリングにくっつくのだ。例えば、アイヌ舞踊と琉球舞踊が同時にシンクロする場面は唖然とした。まさにスリルに富んだ文化混流で、ここを出発点に今後何か新たなる文化が創造されるのではなかろうか。一つ一つにしてみれば、決して現代人の娯楽主流とは言えないものが多いにもかかわらず、この楽しさ、ワクワクドキドキ感は何だ? 日本民謡、ドビュッシー「月の光」、アイヌ民謡、琉球民謡、現代音楽、ジャズロックすべてがごちゃ混ぜなのに、合ってる。いいねえ。
舞台端から奥にある横たわる20mほどの巨大な人:ビニール製?の浮き輪みたいな感じは、何なのかな。それに触ったり、乗ったりして見たかった。よくぞビニールをすべてつないだものだ。膨らんでいるから空気が抜けないんだよね。本作品が鈴木康広「空気の人」なのかな?
今回年齢も一番若く、純然たるアマチュアの高校郷土芸能部のオカメヒョットコ等のパフォーマンスは決して見劣りせず、すばらしいものだった。元アイドル日本一の前田敦子の朗読の声はアルトで聴きやすく、ピーターパンやアリスの衣装は華を添えていた。一度朗読を噛んだのもご愛敬。花柳の日本舞踊は妖艶でしっとりしていて、衣装の金銀は月で音楽もドビュッシー「月の光」だしね。浅草ジンタの演奏はジャズロックとして迫力満点だし他の音楽をよくつないでいた。宇治原の音楽は近未来的かつ効果的で劇的表現を高める。
ダブルダッチ縄跳びパフォーマンスは音楽に合い、スリルとスピード感に富んでいた。人形劇は神秘的幻想的で華やぐ。東京アンサンブルのつなぎ役兼子供役はわくわく感を高めてくれた。優れた役者にしてダンサーだ。
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