贅沢にも『レ・ミゼラブル』でした。
1度目は日生劇場バージョンだったので、
2度目の私にとっては始めての、帝国劇場バージョンでした。
日生劇場は横幅が狭い感じで、
オーケストラも後ろに控えている感じで、
やや手狭に感じますが、
帝国劇場はオーケストラは舞台と客席の間、
開放感があるような感じがします。
ジャン・バルジャン:別所哲也さん
ジャベール:安部裕さん
エポニーヌ:新妻聖子さん
ファンテーヌ:山崎直子さん
コゼット:菊地美香さん
マリウス:山崎育三郎さん
テナルディエ:森公美子さん
アンジョルラス:原田優一さん
が主なキャストです。
前回とは全然違うメンバーによるレ・ミゼラブルでした。
WICKEDの後だったからか、
あるいは、今回の演出方針なのか、
あるいは、私が観た回のメンバーの特徴なのか分かりませんが、
激しさよりも優しさが
迫力よりも繊細さが勝る印象を受ける、レ・ミゼラブルでした。
後方の席だったからかもしれませんが、
ジャン・バルジャン、ジャベールともに
やや声が細い感じがして、
そして、それぞれの苦悩―特に、自分らしく振舞うために
如何にすべきか―が良く伝わってくる舞台でした。
歌声、という点でいえば、
ファンテーヌ、エポニーヌ、そしてリトル・コゼットの印象が
やや強く残っています。
コゼットとマリウスはとてもお似合いで、好印象でした。
・・・ただ、前回は二人のお付き合いのことで、
コゼットとジャン・バルジャンの間に多少諍いがあったような気がしたのですが、
今回はなかったような・・・。思い違いかもしれませんが。
今回、一番なけたのは、
最初の、司教さまの場面でした。
油断して、ハンカチもティッシュも鞄の中だったのですが、
本泣きしていました。
2作続けてみたのと、
こちらの舞台が暗いのと、
私の席が後ろなのとが重なって、
目が少し疲れてしまいましたが、
今、思うに、
レ・ミゼラブルは、じわじわと感動が心に広がる舞台ですね。
(WICKEDは瞬間的に感動が広がる、という感じです。)
今も、その感動が心に満ちている、という感じです。
今回は、音楽をじっくり聴く余裕があったみたいで、
波が押し寄せるように迫ってくるあのフレーズが、
私の頭の中でも何度も奏でては消え、奏でては消え・・・ていました。
前述しましたが、
ジャベールが水に飲み込まれていくところも、
ジャン・バルジャンがファンテーヌとエポニーヌに導かれていくところも
それぞれ苦悩から解放され、
「十分苦しんだね。楽になれてよかった」と声をかけたくなるような感じでした。
無償の愛を注ぐジャン・バルジャンやファンテーヌ、エポニーヌ、
愛を注がれるコゼットやマリウス、
現実を突きつけられながら、理想を求めようとした学生たち、
生きていくために、残酷に周りを切り捨てていく市民たち・・・
皆、今、頭の中を駆け巡っています。
日本語版のCDをほしいと思ったのですが、
何バージョンも売られていて、
どれを買ったら良いのかを決めかねてしまって、
ロンドン・スタジオ収録版(だったと思うのですが[英語版・12曲入り])を
買ってきて、
先ほどまで楽しんでいました。
そんなこともあって、
私の中で、登場人物たちはまだまだ生き生きしています。
そして、気の早い話ですが、
CDを買って、聞き込んでから、
是非、もう一回は違うバージョンで見たいと思っています。
そうしたら、きっと
印象がまた、もっと違うでしょうから・・・。
今回は日本初演20周年記念なのですよね。
会場ロビーも、いろいろ趣向が凝らされていて
華やかでしたよ。
そうそう、こちらもスタンディング・オベーションでした。
こんなに盛大な?スタンディング・オベーションの舞台を
2つも見たなんて・・・やっぱりかなり贅沢でしたよね。
今日に感謝、です。