素晴らしき茜空の会

主に特撮番組の感想文。ブログタイトルは仮面ライダーキバに登場する「素晴らしき青空の会」より。

仮面ライダークウガ(EPISODE 45)

2016-08-24 08:10:01 | 仮面ライダークウガ
ついに未確認生命体第46号怪人ゴ・ガドル・バがゲゲルを開始した。新たなる力を身につけたゴ・ガドル・バの前に、クウガも瀕死の状態に追い込まれてしまう。一方、息子・冴(さゆる)の授業参観への出席を断念し、神経断裂弾の開発に取り組む榎田ひかり。しかしそのため冴は傷つき、部屋にひきこもる。


もうね、もうね、開始数分で「もういいから早くEDに入ってくれ!」ってなってました。
どういうことだよ、敵の方が圧倒的に強いのに、
さらに金の力でパワーアップするとか。必殺のキックを放ってくるとか。ねーよ。

五代くんが重体だと伝える一条さんがずっとカメラ背中を向けたままで、
もうどれだけ絶望的な状態なのかと目の前が暗くなる気分でしたが、
「しかしあいつは、絶対に大丈夫です」と断言した一条さんの表情は力強くて、
五代くんのピンチに沈んでいた19話と比べて、本当に強くなったんだなって。

しかしこの時点で私のライフゲージはとっくに赤くなっておりまして。
でもこの未曾有の大ピンチに、みんなが五代くんの負傷に心を引きずられることなく、
「五代くんは大丈夫」「だからいまは自分のできることをやろう」とまっすぐ前を向いていて。
桜子さんは椿先生のところへ行き、五代くんの無茶な望みを自分の望みとして伝え、
椿先生は逡巡するも、その申し出を受け入れて。

みんな、無理しすぎだよ! 私のライフゲージはゼロを超えてオーバーキル状態ですよ。

ああぁぁぁ、前回は46号が電撃アタックくらわしてくるんだと予想してたんだけど、
それだったらどんなに良かったか。
五代くんに電気ショック与えてくださいとお願いする桜子さんの気持ちとか、
それを受けて実行する椿先生の気持ちとか、
いや、なんかもう、ほらオーバーキルされてるから言葉も出ないんですけども。

「自分が茨の道を歩く」という決断と、
「大事な人に茨の道を歩かせる」という決断は、どちらが辛いのか。
いやどちらも辛いけど。自分がその辛さを肩代わりできない、分け合うこともできない辛さも辛い。

あとさ、解説本のキノコグロンギさんのとこに
「ある意味、もっともクウガをピンチに追い込んだ」って書かれてたから
この先どんな敵と戦っても、心停止ほどのダメージは受けないと思ってたんですよ。
心停止、したよ(呆然)

まだまだこれから怒涛の展開が続くはずなんですが、いまからこの状態で、私のライフが持つんでしょうか。

とりあえず、この回で良かったなと思ったのは
榎田先生がちゃんと泣ける場所があったことです。ジャン、前回悪口書いてごめんな。

ダグバと話をする薔薇のタトゥーの女ですが、
なんか、この表情を見た瞬間「母親の顔だ」とか思いました。

いや、それはないよな、いくらなんでも。
でもこんな表情は初めて見た。



(2016/11/22 追記)2周目感想

2周目感想をさぼりまくってましたが、ちゃんと見てます。「強敵」
いやね、もうね、タイタンの武器がガドルの剣に変えられた時点で6歳児が悲鳴をあげ、
それで斬り付けられてるのを見て「うわぁ!ダメだ!ダメだ!」って叫んでて、
そこからマイティ、ライトニングマイティへと変化したときは一瞬明るくなったものの、
キックが効かなかったので「もうダメだよ、何に変身したらいいんだよ!」と絶叫。

挙句にあれでしょ、ガドルが金の力を使ったもんだから、
「うわぁぁぁ!地球は終わりだ!」と叫んで隣の部屋にフェイドアウトした。
クウガがグローイングに戻るところまで見てなかったよ・・・。

以降、「もうダメだ、負ける、何やっても勝てないんだ、クウガ嫌い」と
えんえん怨嗟を吐いててな。もう6歳児マジでネガティブなんですけど。男児ってこんなんか?
うん・・・まぁ鬱展開ですもんね、アメイジングのことも忘れているようです。

ガドルとドルドが戦い始めたのを見て
「今だよ!二人が戦ってるときにやっつけちゃえば良いんだよ!」と
ごもっともな作戦を提案いただきましたが、
なにしろ今はグローイングの三時間制限中だし、何より五代くん瀕死ですから。
でも頑張ってるんだよ、応援してやってくれよ・・・。

このあと6歳児どうなる。もう見てくれないかもしれない(汗)
・・・まぁ、わかってない3歳児のリクエストで再生するとは思うけど。

でも。「最後はなんとかなる」と知ってる大人目線と違って、
本気でどうなるか予測不可能な子供目線だと、本当に怖いんだろうな。すごい。

仮面ライダークウガ(EPISODE 44)

2016-08-23 08:19:29 | 仮面ライダークウガ
次々と強力になる未確認生命体に対して危機感を強めた合同捜査本部は、科警研の榎田に対策を依頼。ひかりは第3号の解剖結果などに基づき、新装備の開発を進めていた。一方、クウガとしての強化を図る雄介は、ジャンの言葉をヒントにして椿のところへ向かう。そんな中、未確認生命体第46号怪人ゴ・ガドル・バが出現する。


奈々ちゃんの鼻歌がSMAPの「ライオンハート」で。
先日、SMAP解散ニュースを受けてファンの方が書かれたブログ記事を読んだんですけど、
奈々ちゃんの歌うライオンハートからは古臭さを感じなくて、
確かにこの老若男女への知名度と時代を超えた普遍性は、唯一無二のものだなと実感したり。

ちなみにクウガを見てて時代を感じたのは、プール回の会場BGMに大音量で流れていたモー娘と
五代くんが言ってた単語「ミレニアム」です。久しぶりに聞いたぞミレニアム。

というわけで44話。
これまでずっと、戦うことを「すごく嫌な気持ち」と表現していた五代くんですが、
ダグバとの圧倒的な力の差に見せつけられ、
自分の中に目覚めた「力を求める気持ち」を「怖くて嫌だけど、どうしようもなく、いちゃうんだ」と認め、
そして、ついに一条さんに「だから俺、もっともっと強くなりたいと思ってるんです」と宣言します。

相変わらずクウガは丁寧に段階を踏んで物語を展開するよね。すごい。
ですが、五代くんは段階もなにもすっ飛ばして
「もう一度電気ショック受けたら強くなれるんじゃ?」とか言い出して椿先生の元へ向かいます。

やめて!それ普通に死んじゃうやつだから!!!
まぁ、椿先生は天地がひっくり返っても二度と五代くんに電気ショックなんて許可しないだろうけど。

なんかさ。五代くんヘラヘラ笑ってるから深刻に見えないんだけど、
事態はもう「それがどんなに危険でも、強化できる可能性がわずかでもあるなら」って五代くんが覚悟して、
わずかな時間を惜しんで走り出すくらい、切迫してるんですよね、実は。

もうね、あれですよ。 第1話冒頭の、五代くんが語りかけるシーンの。

「死ぬかもしれなくて、怖くて泣きたくなった。
 けどそのとき一緒にいた現地の案内人のこどもが、
 俺と同じくらいの年なのに『大丈夫』って笑顔なんだよね。なんかかっこいいなと思った」

っていうセリフ。
どこかに書いたかと思ってたけど見つからないので、いまさら引用してきましたよ。
この!このセリフの呪縛ですよ! クウガの一番の鬼畜設定はこれだと思うんですよ!
「この主人公は、どんなに怖くても、死にそうになっても、笑顔で『大丈夫』って言いますよ」と、
第1話冒頭で視聴者に提示する制作者の恐ろしさですよ。半端ねぇ、マジ半端ねぇ。

・・・って、これ視聴後感で言おうと思ってキープしてたのに、つい書いてしまったよ。
まぁいいや、大事なことなのであとでまた書く(予告)

さておき。46号が明らかに電圧を操作(盗んでる?)気配だし
「新たな力」を使ってクウガに電撃攻撃とかしてくるんでしょ?
それで、たぶんクウガが強化される展開だろうな。
五代くんとしては願ったり叶ったりな展開だろうけど、なんかもう不安しかない。クウガ不安しかない。

長くなってしまったのでその他簡単に。

榎田先生。こちらも辛い。
ただ一つ言わせてもらうなら、移動にはタクシー使って時間と体力節約してください。体力大事。

ジャンもさ、すごく今更アレだけど、榎田先生は時間がなくて困ってるっていうのに
なんで工作の本をプレゼントしたかな。嫌味かよ一緒に過ごす時間があれば言われなくても遊んでるっつーの。
あのプレゼントの意味がわからずモヤモヤしたまま今に至りますが、
なにあの本、目につくところに置かれていてプレッシャーでしかないんだけど。

ダグバ様の胸に光るドッグタグ。あれ一枚だけ?
あれって本来は戦時中に兵士がつけていたアクセサリーだそうで、二枚一組で名前やら必要事項が刻印されてて、
死体になったら一枚を外して、戦死者として報告・提出する、という話を聞いたことがあります。
死体のタグが一枚だけだったら「既に報告済みですよ」っていう意味だそうで。
シンプルでわかりやすいシステムですよね。すごい!

ってことは?って意味を考えようとしたけど、
ダグバ様は兵士じゃないし、死ぬつもりないだろうし、死んだところで報告される必要もないし。
単純に「戦場のためのアクセサリー」ということかな。

皇居のまわりをジョギングする一条さん&五代くんペアです。
歩調をあわせた二人のジョギング。平和。

でも、ここで「強くなりたい」宣言が出てだなうわあぁぁぁ(悶々)

仮面ライダークウガ(EPISODE 43)

2016-08-22 07:56:40 | 仮面ライダークウガ
ゴ・バベル・ダを倒し、束の間のやすらぎを許された一条は、夏目実加が参加するフルート演奏コンクールの会場へ向かい、昔の同僚・桂木と出会う。会場で不審人物を見かけたという通報があり、その後コンクールの主催者も会場から姿を消したため捜査に入っているという。


犯人に言いたい。
リストラされてから5ヶ月も経ってて、本物の拳銃だって調達してきたのに、
なんでもっと綿密な計画をたててこない!? っていうか、何がしたかったお前!
少なくとも、エレベーターに逃げ込むときに社長を置いてきたのは失敗だった。
そもそも社長を連れ回したりなんかしないで、見つけたらその場で思いを遂げて(自粛)

どっちの味方ですか、
いや、中途半端な報復ならやるなよっていう話ですよ。
ところで、口をガムテープで塞ぐのを見ると、鼻が詰まってたら死ぬんじゃないかなといつも心配になります。
鼻づまり申告すれば考慮してもらえるんでしょうか?

さておき。今回も「一条さんを堪能する回」でした。後編。

・「だって、滅多に笑わないんでしょ?一条さん」というみのりちゃん。
・あ。みのりちゃんや実加ちゃんあたりは、一条さんのことを完璧人間だと思ってる? そりゃそっか。
・けっこう面白キャラなんだけどね(ニヤニヤしながら)。

・可愛らしい花束を持つ一条さん。
  「コンサートには花束を持参するのが人間のルールではないのか」というチェイスと
  「それは確かに」と頷く一条さんが脳内をよぎりました。なんか似たものどうし。

・「それよりお前、事件じゃないか。お前が花束なんて。ついに彼女ができたか!」
  と桂木さんにからかわれる一条さん

・「いえ捜査の過程で知り合った娘さんが云々」とマジレスする一条さん。

・「彼女ができないように無愛想にしてたんだよな」に「いえ」と真顔で即答する一条さん。
・マジメか! マジメです。

・「お土産あるんです、亀山さんにいろいろ聞いて」という実加ちゃんの言葉に、すごい微妙な顔をする一条さん。

・「余計なことをベラベラしゃべったんじゃないだろうな」とか心配してそうである。亀山さんの立場とは。

・演奏前で緊張している実加ちゃんに、捜査の進捗を報告する一条さん。

・女子中学生とすべき話題は!他にもっと!いろいろあるだろう!!!
  (いや、確かに実加ちゃんの知りたい情報ではあるんですけどね)

・実はおまんじゅうが好きな一条さん。
・しかも「半分に割って中の餡子だけ先に食べる」のが好きとか。
・ご機嫌で半分に割ったおまんじゅうを両手に持ち、右からかぶりつく一条さんとか! 想像力が追いつかない。

・逃走する犯人を追いかけ、非常階段の2階部分?から手すりを乗り越え飛び降りる一条さん。

・そして犯人確保ですよ。かっけぇ!ただひたすらかっけぇ!!!

人ごみの中で拳銃を構えて「動くなぁ!」とやっちゃったせいで、近くにいた通行人が人質に取られるんですが、
無事に解決してよかったです。何かあったら失点ですぜ危ない。

目の前でこんな活躍されたら、実加ちゃんのハートは完璧いただきだな!とか思ってたら
意外とドン引きされてるっていうね。あぁぁそうきたかー、それも確かにアリだなぁ。

すっごく怯えきってる実加ちゃん相手に一条さん何もできなくて超困ってて、
そんなところにナイスタイミングで五代くん来たので「神様!!!あとは頼んだ!」とか思ったんですが、
意外と五代くんでも実加ちゃんの心をときほぐすことはできず。

「でも、本当の一条さんだよ。そういう一条さんもいるんだ。
  怖くて嫌だけど、どうしようもなく、いちゃうんだ」

「怖くて嫌だけど」という主観的な部分は、五代くんの中にある「怒り」の感情の話かな。
どうしようもなく、存在しちゃうんですが、ちゃんと飼いならしていけるんだろうか。

さてダグバ様ですよ。白いです。闇の存在なのにイメージカラーが純白なダグバ様。
睨まれただけでパワー奪われて白のクウガに戻り動けなくなるっていう。なにその存在感。

ちょっと待ってよ、残り数話でこれ倒すの?無理じゃね?

さらに。次のゲゲルの相手は五代くんが倒せなかった3号と軽く渡り合ってたグロンギさんですよ。
うわー、まったく、勝てる気がしないー。
いや、しかしこっちはチーム戦だから! 頼りになるチームがいるからたぶん大丈夫! ・・・だよね?

仮面ライダークウガ(EPISODE 42)

2016-08-21 09:12:10 | 仮面ライダークウガ
未確認生命体第45号怪人ゴ・バベル・ダが現われ、これまでにない大規模な殺人を街中でくり広げていた。駆けつけたクウガも苦戦を強いられるが、一条の放った未確認生命体用強力弾(筋肉弛緩弾)によってなんとか危機を脱した。その後、科警研で会議を終えた一条は、長野から久々に上京した夏目実加を訪ねる。


OPにちらりと現れる黒いクウガ。モノクロだから黒く見えるだけかな?と思ったら
色うんぬん関係なく4本ヅノのクウガだったので鳥肌たちました42話。

いきなり戦闘シーンからの緊迫したスタートだし、
途中で変化した45号がとんでもないパワー系で「ダメだ、これ撲殺だ、撲殺される」と
見ててすごく怖かったです。もう、敵がパワーアップしすぎで辛い。

前回の白いクウガもそうだけど、怪我をすると出血するんだよね。
あれ、もしかしてこれ鎧じゃないのかな。地肌? いやそんなまさか。

そんな絶体絶命な状況を救ったのが、一条さんですよ。

そう! 今回は何気に一条さんの見どころ満載回でした。ブラボゥ!

・一条さんがコート着用! 「コートのハンサムさん」復活!!(劇中設定は11/4とのこと)
・軽やかにガードレール的なものを飛び越える一条さん。
・「金のゴウラム合体ビートチェイサーボディーアタック、効きました!」という五代くんの報告を受け
  真顔で「長すぎないか、その名前」とマジレスする一条さん。
・無線を切ったあと、こらえきれず破顔する一条さん。
・なんでいつも五代くんに気づかれないように笑うの? 笑ってるのを五代くんに知られたら負けなの???(萌えてる)
・「石に働きかけるのは、あくまで五代の意志だってことだ」発言
・え?ダジャレ?いや偶然だよね、あの一条さんがダジャレ言うはずないし!
・真顔で「もしかして、シャレか?」と問う椿先生に、「まぁな」と当然のように答える一条さん。
・ダジャレ!一条さんがダジャレ! そんなバカな!!!(動揺)

いや。なんかもう会議前半の重苦しい雰囲気に飲み込まれていたんですけど、一条さんのあれこれや、
女性陣の応援を受けた五代くんの「(大丈夫って)言いました」っていう、女子チックな言い方で
終盤はほっこりした気持ちになれました。
いや、椿先生が深刻に心配するのも当然なんだけどさ。うん。

グロンギの人たちは本当にクウガと同じ存在っていうか、
もしかしたら最初は人間だったのかもしれないっていうことに驚いたし、
「これだけ強い拳があれば、たくさんの獲物を殺せるだろう」という45号の言葉も
同じ存在であることを裏付けていて。

「怒りに支配されなければ大丈夫」と言いながらも、毎回拳を握り締める五代くんに
ドキドキさせられています。でも五代くんが大丈夫っていうなら、大丈夫。大丈夫。


さてまったく関係ありませんが。
グロンギの人たちは9進法だというので、彼らのカウント道具がすごく気になってたんですが
やっぱりコマが8つしかなかったので「おおおおおお!」ってテンションあがってる。ですよね!

しかし被害者数が増えると彼のお仕事も地味に大変そうである。



(追記)2周目感想

正確には、2周目を見たあとの、総集編「初夢」を見てるときの感想なんですけども。
6歳児は2回目、私は3回目なのに、「金のゴウラム(中略)ボディーアタック」をくらったバベルを見て
「(封印の印が)でかっ!」と二人で同時に驚いた。いままで気づいてなかったのに(笑)

仮面ライダークウガ(EPISODE 41)

2016-08-20 13:59:43 | 仮面ライダークウガ
未確認生命体第44号怪人ゴ・ジャーザ・ギに迫るクウガは、突如海中から攻撃を受けて傷を負った。一方、オーディションから戻った奈々は「誰かを殺したいと思ったことない?」と言い、おやっさんの言葉も聞かず店を飛び出してしまう。事情を知った雄介は、奈々を捜しだし語りかける。


開始数分で銛が肩を貫通し、勢いで壁まで飛ばされて釘刺しになるという
目を覆いたくなるような、見てるだけでも痛い展開です。ぎゃあああやめて!

もちろん釘刺しだから痛い。傷から流血するし、白いクウガに戻るほどの大ダメージですよ。
でも変身を解いた五代くんは、肩を気にしているけど出血の様子はなく、
数時間後には普段どおりの様子に戻っていて。

なんかな。昨今のヒーローは大ダメージを受けても「変身してるから大丈夫」みたいな感じだけど、
クウガはダメージをしっかり受ける。たぶん痛い、すごく痛いはず。
それでもその傷はあっという間に治り、そしてまたすぐ戦いの場に戻る。

そして、その痛み、辛さ、苦しさにはまったく触れず、
後述にあるように、相手を殴る拳の「嫌な気持ち」は、はっきりと口にする。
五代くんにとって、戦うことで辛いのは「被害」ではなく「加害」なんですよね。

本題。
この時勢に「恋人を未確認に殺された演技」を求める方のデリカシーもどうよ?って話ですがさておき。
以下、五代くんの言ってること(番組の伝えたかったこと)を自分なりに消化してまとめたら
タラタラと無駄に長い文章になってしまいましたので、適当に斜め読みしてください。
大事なことは全部、本編で五代くんが言ってます。


ひどいこと言われたくらいで「殺してやりたい」というのは行き過ぎだと思いますが
「ひっぱたきに行ってもいいですよね!」と言われたときには
「おぉやってこい!むしろなんでやってこなかった?」って思いました。だってそうだろ?

でも五代くんは肯定しない。

「行くべきだと思う。・・・でも俺は『これ』を使ってすごく嫌な気持ちになった」

「人間だからさ、大事なのは、間違えてるってことをわかるように伝えることじゃないかな」
「そんなんじゃ、気ぃ済まへんやないですか」
「だからってさ、こうしたら、こう来るかもしれないだろ?
 そうしたらまた、こう、こう、こう、ってならない?」
「さっきから五代さんの言うてること、きれいごとばっかりやんか!」
「そうだよ、・・・だからこそ、現実にしたいじゃない!
 本当は、きれいごとがいいんだもん。
 『これ』でしかやりとりできないなんて、悲しすぎるから」

これは、35話でも触れていたテーマですよね。
「同じ人間どうしなんだから、ちゃんとわかりあえるはず
  だから気持ちを言葉に出して伝えよう、わかりあおうという気持ちを、大事にしよう」という。

五代くんが言葉を使わず、敢えてジェスチャーで説明したのは、
それが「叩く」「殴る」などの行為に限らず、相手を攻撃するすべてに対しての発言だからかな、と。
こども同士の喧嘩でも、国家レベルの戦争でも、
「やられたからやり返す」では、何の解決にもならない。

お互いが自分の気持ちを言葉にして伝えれば、
たぶん双方にどこかしら悪いところがあったりするわけで
それを言葉に出してひとつずつ解決していけば、みんな幸せになれるはず。
きれいごとだけど、きれいごとが実現したら素晴らしいじゃない。

奈々ちゃんは、自分の中の「相手を攻撃したい」という欲望を抑制し、
相手と冷静に話し合って、わかりあうことに成功します。
これも「戦い」です。奈々ちゃんも諦めず、投げ出さずに戦って、勝利したんです。
おそらく、これがクウガのテーマなんじゃないかな。

私の崇拝する井上先生がインタビューで
「クウガの登場人物は、怪人以外みんないい人だろ。
 でも自分の周りが全員いい人って、ありえないし、気持ち悪いだろ(笑)」
とおっしゃっておられてまして。いやまったくそのとおりなんだけど。

でも「人間だからわかりあえる」をテーマにしてるからこそ、
クウガの世界に「理解できない悪人」は存在しない、してはいけないんです。
いや現実問題として理解できない人間も世の中にはいるんだから、
やっぱりそれはきれいごとだろ?って話なんですけど。

でもね。「きれいごと」と鼻で笑って諦めるんじゃなくて、それを現実にするために戦おうって。
一人ひとりが相手を理解しようという気持ちを放棄せず、わかりあう努力をすれば
世界はきっと、素晴らしいものに変えられるよって。
リアリティーを追求するクウガで、そこだけは夢物語かもしれないけど、
それは「世界平和」という大きな夢を形にするための、ひとつの手段であることは確かだと思います。

そんな夢を、こどもたちに伝えてあげたい。素晴らしい未来を、送りたい。
もちろんこどもたちだけでなく、私たちも諦めずに戦わないと。未来のために。


44号との戦闘。
今回の敵は「面倒なゲゲルは簡単にさっさと終わらせたい」という思惑のもと、
老人やこどもなどの弱者をまとめて殺そうとします。
えげつない。いや人数や老若男女にかかわらず、ひどい行為には違いないのだけれど。

そんな44号に対し、怒りで拳を震わす五代くんですが、
怒りに支配されず、相手を倒しました。よかった。
BGMを使用せず、大海原をわたる強い風の音を背景にした戦闘シーン、よかったです!