常にためらいなく己の正義に向かって突き進んでいた北條透が、
なぜ最後の最後に、あっさりとGトレーラーを放棄したのか。
北條さんは、あれはあれであんな性格ですけども、
もっとも神に近い性質を持つ人間なんですよ。あんな性格ですけども。
北條さんは人間を「善なるもの」と信じていますが、
一方、アギトを受け入れるには、まだ人類は未熟すぎると考えています。
だから、はじめはアギト捕獲作戦(むしろ駆除作戦?)を遂行してたし、
逆襲されて「アギトの種」に殺されそうになったり。とにかくアギトを敵視してた。
しかし。そんな彼の目の前で「ただの人間」である氷川誠とG3ユニットが
脅威の存在であるアンノウンと戦います。
北條さんが何もできず逃げだした相手に対しても、ひるむこく戦い続ける氷川誠。
最初は成果をあげられなかったG3ユニットですが、アギトと共に戦うことで成長を遂げ、
いつしかにアギトと互角の存在にまで「進化」します。
「私から言わせれば、あなたもまたアギトだ」
視神経に異常をきたしてもなお戦おうとする氷川誠の姿を見た北條さんは
とっさにG3−Xのサポートに入り、結果的に、神への反逆に加担することに。
その後も、アギトを無条件に信用する人類に警鐘を鳴らし続ける北條さんですが、
アギトを狩る存在エルロードの復活を知り、戸惑い、悩んだ末に、
人間を信じ、「アギトに進化した人間」であるG3ユニットに全てをゆだねます。
これが、私の見た「アギトの最終回」
進化するのはアギトだけではない。アギトに影響を受けた人間も、進化していく。
「まだ未熟だから」と変化を拒んでいては、一歩も前に進むことができない。
神の精神性に一番近い人間であった「北條透」が、最後は自分の意志で神に弓を引いた、
その瞬間から、人間の新しい物語が始まるのかもしれない。
・・・いや、アギトってそういう話だった? コイツなんか違うもの見てるんじゃね?
という声が聞こえてきますね!
いや、そういう話どうかはわからないんだけど、
でも最後のまとめだから、なんか格好いいことを言いたかったんだ。
うまいことまとまらないけど、強引にまとめてみた結果がこれです。がんばりました!(ドヤァ!)
ていうかそもそも。北條さんを追いかけて脇道に入ったのがアレだったんですよね。
軽い気持ちで入った脇道だったのに、なんか意外と道が繋がってたから、ついつい深追いしちゃって。
面白がって進んでたら、違う山の頂上に出ちゃったぞ?みたいな
「あれ?」って気分になってるところです。翔一くんや涼くんどうした?っていう。
しかし驚いたことに。
とのこと。アギトを見てきた私の中で、一番のどんでん返しがこれでした。
なるほど、道理で北條さんルートもしっかり筋が通っていたわけですよ。
しかし、我ながら邪道な鑑賞の仕方をしちゃったなぁと改めて苦笑いしてます。楽しかったけど。
またいずれ、ほかの人の鑑賞記録などを眺めながら、正しい登山道から見た光景を確認したいです。
もう1回見直しても、また北條さんルート登っちゃうから。きっと(笑)
■wikipediaを見ながら答え合わせのコーナー
「闇の青年」と「光の青年」
視聴しながら、私は「闇の青年=創造神、光の青年=破壊神」と認識してたんですよ。
アギトの存在は、この世界の秩序を壊して再構築する破壊の使者だと思ってまして。
しかしウィキによると光の青年はもう一人の神であり、人類に知恵(アギト)を与える存在とのこと。
それって鎧武でいうところの蛇だったり、黄金の果実ってことですよね。
そういえば聖書の世界観がベースでした。
いやもうてっきり、アギトは破壊神の使いだと思ってましたからね。
そりゃ人間に忌み嫌われ、排除されるだろうって信じてましたからね。
光の力が知恵の実でよかったです。
ちなみに闇の青年誕生のきっかけとなったパズルは、
アギト復活に際し現世に復活できるよう、遺伝子情報を残したものだそうです。
あかつき号事件
なぜ水のエルがあのタイミングで現れたのか?と疑問だったんですが、これも間違ってた。
闇と光が戦い、光の青年が力尽きて落とされたのが、時空を超えたあかつき号の上だったそうです。
それを追いかけてきたのが水のエルで、ああいう展開になってしまった模様。
警察があかつき号事件について口を閉ざしているのは
海上保安庁の巡視艇が私用を優先して、あかつき号の救難信号を無視したのが原因でした。
都合の悪い事実の隠蔽ですね。そういや劇中でそんな話を聞いた気がします。忘れてた。
そのせいで「あかつき号は警察組織の陰謀!」などと推測したりしたよね。あっはっは。
ギルス
光の力を根元とする、アギトの不完全体、だそうです。
涼くんがギルスになったのは、バイク事故をきっかけにアギトの種が目覚めたのが原因。
「ギルス」の呼称が用いられたのは闇の青年が呼びかけた1回だけで
本人も周囲もアギトとして認識していたようです。そういえば確かに。
ちなみに名称はgills(エラ)が由来だそうです。
アギトも顎やエラを指す言葉らしいので、なるほど同類。
さらにアナザーアギトはエルロードの因子を受け継いで独特な風貌になっているそうですが、
え?なんで因子受け継いだの?ってなってる。
この辺については、じきに衝動買いした資料が届くので、そちらで解決できるかなと。
風谷信幸事件の犯人
アギトでした。普通に。
いや中盤からそうだろうと思ったんだけど、沢木さんや美杉教授が「俺がやった」と言うので
「え?え?」って混乱した。無駄に混乱したぞ。
っていうかさ、沢木さんどうなの?って話ですよ。
今にして思えば、いろんな荷物を一人で抱え込んで頑張っていた信念の人だったんですけど、
抱え込みすぎなんだよ!っていう。みんなで分担すれば解決するかもしれないんだよ!っていう。
善人なのに、周りのためを思ってひとりで全て背負いこんだ結果が、
まったく信用できない得体の知れない不審人物にしか見えないっていうね。
本当に、わりと終盤まで胡散臭い人だと思って信用してなかった(笑)
しかし北條さんが闇の青年にもっとも近い人間だとすれば、
光の青年にもっとも近い人間が沢木さんだったわけですよ。
よりにもよってそういう人間を使徒に選んで、新しい命を与えて
「どうだ喜べ言うことをきけ」とかやっちゃう闇の青年は
もう本当に人間のことわかってないよな!っていう。
人間にも個性があって、一人一人考えてることが違うんだから!
そういうのわかってないからダメなんだよ!!などと思うんですが。
白倉さんはアギトを「神をメタファーとする親子の話」と語っていたそうで、
人の親になった身としては、闇の青年を笑った返す刀で自分の身が斬られたりして
「うんうん、わかったつもりでもわかってなかったりするんだよねー」と
肩を叩きたい気分でもあります。いや相手は神様だから。
■その他小ネタ
小ネタっていうか。買ったものの未見で読めていなかった本をようやく開くことができたんですが、
井上先生の対談が面白すぎてですね。
・葦原涼にやらせることがなかったので、なんかでっかい事件に巻き込もうと「あかつき号事件」を作った。
・でも何も考えてなかったし、スタッフもそれを知ってるから、誰にも何も聞かれなかった。
・中盤になったので本腰入れて「あかつき号事件」を書いたらスタッフが大騒ぎになった。
・フェリーのシーンは撮影が大変だから、監督達がみんな「俺はイヤだ」って尻込みした。
みたいな。いや井上先生のことだから話を盛ってる可能性が高いんだけど。
こういうエピソードが全部楽しすぎてニヤニヤしながら読みふけってます。超楽しい。
ちなみに北條さんについては、
「あいつ、いいよな。また顔つきがよかったよ。憎たらしくてさ(笑)」
と語っていらして、わかります!よくわかります!って激しく同意した(※北條さん推しです)
すごく面白い作品だったし、物語全体に流れる空気みたいなのはすごく居心地が良くて、
アギトの世界はたぶん平成ライダーで一番好きだと思う。まだ半分しか見てないけど。
翔一くんはあの調子で、おそらく月に1回「アギトの会」を開催してるんだろうし。
涼くんは、井上先生が「あいつと出会った女はみんな死ぬから、あの犬もメスだよ」と
意地悪な予言をされたチビ犬(苦笑)を懐に抱いて、それなりに過ごしているんだろうし。
他のみんなも、自分たちの生活を送っているんだろうし。
自分と違うもの、自分の理解できないものを排除しようとするのではなく、
理解し、受け入れていこうという物語。
そこから未来が開けていくような、視界がぱぁっと明るくなり風が吹き抜けていくような
気持ちの良い物語でした。ありがとう。
なぜ最後の最後に、あっさりとGトレーラーを放棄したのか。
北條さんは、あれはあれであんな性格ですけども、
もっとも神に近い性質を持つ人間なんですよ。あんな性格ですけども。
北條さんは人間を「善なるもの」と信じていますが、
一方、アギトを受け入れるには、まだ人類は未熟すぎると考えています。
だから、はじめはアギト捕獲作戦(むしろ駆除作戦?)を遂行してたし、
逆襲されて「アギトの種」に殺されそうになったり。とにかくアギトを敵視してた。
しかし。そんな彼の目の前で「ただの人間」である氷川誠とG3ユニットが
脅威の存在であるアンノウンと戦います。
北條さんが何もできず逃げだした相手に対しても、ひるむこく戦い続ける氷川誠。
最初は成果をあげられなかったG3ユニットですが、アギトと共に戦うことで成長を遂げ、
いつしかにアギトと互角の存在にまで「進化」します。
「私から言わせれば、あなたもまたアギトだ」
視神経に異常をきたしてもなお戦おうとする氷川誠の姿を見た北條さんは
とっさにG3−Xのサポートに入り、結果的に、神への反逆に加担することに。
その後も、アギトを無条件に信用する人類に警鐘を鳴らし続ける北條さんですが、
アギトを狩る存在エルロードの復活を知り、戸惑い、悩んだ末に、
人間を信じ、「アギトに進化した人間」であるG3ユニットに全てをゆだねます。
これが、私の見た「アギトの最終回」
進化するのはアギトだけではない。アギトに影響を受けた人間も、進化していく。
「まだ未熟だから」と変化を拒んでいては、一歩も前に進むことができない。
神の精神性に一番近い人間であった「北條透」が、最後は自分の意志で神に弓を引いた、
その瞬間から、人間の新しい物語が始まるのかもしれない。
・・・いや、アギトってそういう話だった? コイツなんか違うもの見てるんじゃね?
という声が聞こえてきますね!
いや、そういう話どうかはわからないんだけど、
でも最後のまとめだから、なんか格好いいことを言いたかったんだ。
うまいことまとまらないけど、強引にまとめてみた結果がこれです。がんばりました!(ドヤァ!)
ていうかそもそも。北條さんを追いかけて脇道に入ったのがアレだったんですよね。
軽い気持ちで入った脇道だったのに、なんか意外と道が繋がってたから、ついつい深追いしちゃって。
面白がって進んでたら、違う山の頂上に出ちゃったぞ?みたいな
「あれ?」って気分になってるところです。翔一くんや涼くんどうした?っていう。
しかし驚いたことに。
本作品のメインシナリオライターを担当した脚本家の井上敏樹は、本作品の登場人物の中で一番好きなキャラクターに北條を挙げており、「北條透が何をするか」というのが脚本打ち合わせの大きなテーマだったという。(wikipediaより引用)
とのこと。アギトを見てきた私の中で、一番のどんでん返しがこれでした。
なるほど、道理で北條さんルートもしっかり筋が通っていたわけですよ。
しかし、我ながら邪道な鑑賞の仕方をしちゃったなぁと改めて苦笑いしてます。楽しかったけど。
またいずれ、ほかの人の鑑賞記録などを眺めながら、正しい登山道から見た光景を確認したいです。
もう1回見直しても、また北條さんルート登っちゃうから。きっと(笑)
■wikipediaを見ながら答え合わせのコーナー
「闇の青年」と「光の青年」
視聴しながら、私は「闇の青年=創造神、光の青年=破壊神」と認識してたんですよ。
アギトの存在は、この世界の秩序を壊して再構築する破壊の使者だと思ってまして。
しかしウィキによると光の青年はもう一人の神であり、人類に知恵(アギト)を与える存在とのこと。
それって鎧武でいうところの蛇だったり、黄金の果実ってことですよね。
そういえば聖書の世界観がベースでした。
いやもうてっきり、アギトは破壊神の使いだと思ってましたからね。
そりゃ人間に忌み嫌われ、排除されるだろうって信じてましたからね。
光の力が知恵の実でよかったです。
ちなみに闇の青年誕生のきっかけとなったパズルは、
アギト復活に際し現世に復活できるよう、遺伝子情報を残したものだそうです。
あかつき号事件
なぜ水のエルがあのタイミングで現れたのか?と疑問だったんですが、これも間違ってた。
闇と光が戦い、光の青年が力尽きて落とされたのが、時空を超えたあかつき号の上だったそうです。
それを追いかけてきたのが水のエルで、ああいう展開になってしまった模様。
警察があかつき号事件について口を閉ざしているのは
海上保安庁の巡視艇が私用を優先して、あかつき号の救難信号を無視したのが原因でした。
都合の悪い事実の隠蔽ですね。そういや劇中でそんな話を聞いた気がします。忘れてた。
そのせいで「あかつき号は警察組織の陰謀!」などと推測したりしたよね。あっはっは。
ギルス
光の力を根元とする、アギトの不完全体、だそうです。
涼くんがギルスになったのは、バイク事故をきっかけにアギトの種が目覚めたのが原因。
「ギルス」の呼称が用いられたのは闇の青年が呼びかけた1回だけで
本人も周囲もアギトとして認識していたようです。そういえば確かに。
ちなみに名称はgills(エラ)が由来だそうです。
アギトも顎やエラを指す言葉らしいので、なるほど同類。
さらにアナザーアギトはエルロードの因子を受け継いで独特な風貌になっているそうですが、
え?なんで因子受け継いだの?ってなってる。
この辺については、じきに衝動買いした資料が届くので、そちらで解決できるかなと。
風谷信幸事件の犯人
アギトでした。普通に。
いや中盤からそうだろうと思ったんだけど、沢木さんや美杉教授が「俺がやった」と言うので
「え?え?」って混乱した。無駄に混乱したぞ。
っていうかさ、沢木さんどうなの?って話ですよ。
今にして思えば、いろんな荷物を一人で抱え込んで頑張っていた信念の人だったんですけど、
抱え込みすぎなんだよ!っていう。みんなで分担すれば解決するかもしれないんだよ!っていう。
善人なのに、周りのためを思ってひとりで全て背負いこんだ結果が、
まったく信用できない得体の知れない不審人物にしか見えないっていうね。
本当に、わりと終盤まで胡散臭い人だと思って信用してなかった(笑)
しかし北條さんが闇の青年にもっとも近い人間だとすれば、
光の青年にもっとも近い人間が沢木さんだったわけですよ。
よりにもよってそういう人間を使徒に選んで、新しい命を与えて
「どうだ喜べ言うことをきけ」とかやっちゃう闇の青年は
もう本当に人間のことわかってないよな!っていう。
人間にも個性があって、一人一人考えてることが違うんだから!
そういうのわかってないからダメなんだよ!!などと思うんですが。
白倉さんはアギトを「神をメタファーとする親子の話」と語っていたそうで、
人の親になった身としては、闇の青年を笑った返す刀で自分の身が斬られたりして
「うんうん、わかったつもりでもわかってなかったりするんだよねー」と
肩を叩きたい気分でもあります。いや相手は神様だから。
■その他小ネタ
小ネタっていうか。買ったものの未見で読めていなかった本をようやく開くことができたんですが、
井上先生の対談が面白すぎてですね。
・葦原涼にやらせることがなかったので、なんかでっかい事件に巻き込もうと「あかつき号事件」を作った。
・でも何も考えてなかったし、スタッフもそれを知ってるから、誰にも何も聞かれなかった。
・中盤になったので本腰入れて「あかつき号事件」を書いたらスタッフが大騒ぎになった。
・フェリーのシーンは撮影が大変だから、監督達がみんな「俺はイヤだ」って尻込みした。
みたいな。いや井上先生のことだから話を盛ってる可能性が高いんだけど。
こういうエピソードが全部楽しすぎてニヤニヤしながら読みふけってます。超楽しい。
ちなみに北條さんについては、
「あいつ、いいよな。また顔つきがよかったよ。憎たらしくてさ(笑)」
と語っていらして、わかります!よくわかります!って激しく同意した(※北條さん推しです)
すごく面白い作品だったし、物語全体に流れる空気みたいなのはすごく居心地が良くて、
アギトの世界はたぶん平成ライダーで一番好きだと思う。まだ半分しか見てないけど。
翔一くんはあの調子で、おそらく月に1回「アギトの会」を開催してるんだろうし。
涼くんは、井上先生が「あいつと出会った女はみんな死ぬから、あの犬もメスだよ」と
意地悪な予言をされたチビ犬(苦笑)を懐に抱いて、それなりに過ごしているんだろうし。
他のみんなも、自分たちの生活を送っているんだろうし。
自分と違うもの、自分の理解できないものを排除しようとするのではなく、
理解し、受け入れていこうという物語。
そこから未来が開けていくような、視界がぱぁっと明るくなり風が吹き抜けていくような
気持ちの良い物語でした。ありがとう。