ダークザイドに大半が制圧された地球の夢を見る暁。ザファイアの攻撃を受けた宗方が息絶え、エリの裏切りが明らかになり、押し寄せるダークザイドの大軍に暁と速水は最後の決戦を挑む。犬探しに奔走する探偵事務所の日常と、終焉を迎えた絶望の世界、交互に入れ替わる2つの世界の結末は・・・。
いや・・・。
いやぁ・・・・・・。
「あ、最終回は異次元コスプレなのね。
まじめな暁も新鮮だな」
と、いつものような気楽な気分で見てたわけですよ。
びっくりした。不意打ちくらった。こんな展開、まっっったく予想してなかったぞ。
wikipediaなんかにも「敵を倒さないまま最終回を迎える結末」とあって、
「あぁ、いつものゆるい展開でグダグダやって、平和な日常はいつまでも続くよ、みたいな?」と
勝手に予測してたわけです。もうね、マジ、ノーガードだったので
見終わって「え? あ? っていうことは・・・」ともろにダメージくらうっていう。
いわゆる「胡蝶の夢」というやつですね。
「知らず、周の夢に胡蝶と為れるか、胡蝶の夢に周と為れるかを」
いままで能天気でおちゃらけでご都合主義な展開で、
それがいいよね~とほのぼの気分で楽しく視聴してたんですが。
最後の最後に、全部ひっくり返された。なんてこった。
能天気でちゃらんぽらんで女好きな暁とか
まっすぐで一生懸命だけど、どこか抜けてる速水とか
いつも強気な頼れるサポーターのエリとか
地球侵略にきたものの、どこか人間味のある憎めない怪人とか
すっげぇ強いけど、暁や人間の強さにはしっかり敬意を払ってくれる敵とか
そんな敵に、無謀にも立ち向かっていく果敢な子供たちとか
泣き言いいながらも、あれこれ手伝わされてる銀行の人とか
悪だくみしながらも、けっきょく暁に邪魔されちゃう誘拐犯とか
そういうものをひっくるめて、ご都合主義で展開していくストーリーとか
それらが全て、すべて、暁の直面している現実の裏返しで、
「こんな世界だったら」と、彼が夢想し渇望する世界だったんだ。
アマゾンプライムの感想で「打ち切りっぽい夢オチ」なんて書いていらっしゃる方がいて、
「夢オチ? いや・・・でも・・・これは『夢オチ』なのか?」と考えてしまいました。
いや、私の中で「夢オチ」って言ったら「デウス・エクス・マキナ」なんですよ。
機械仕掛けの神様。どんな難解なシチュエーションも強引に収束させてしまう禁じ手。
でも、シャンゼリオンは違うじゃないですか。
敵を倒さないままの最終回については短縮が決定する以前から構想があったようで、東映の公式サイトでも「他の終わり方は考えられませんでした。」と、それを窺わせる記述が残されている。(wikipediaより引用)
ともありますが、やっぱりこれは、最初からそのつもりで作られていたんじゃないかな。
そう考えてみると、OPの歌詞だってそうですよ。
目の前の とびらの向こうに 夢の青空 きっと続いてる
怯えないでね もうひとりじゃない あなただけの未来 見守るから
my friend 輝け 勇気を 心と瞳にちりばめ
駆け抜けてくあなたの 光を信じたい
over the times 時(いま)を越えて
怯えないでね もうひとりじゃない あなただけの未来 見守るから
my friend 輝け 勇気を 心と瞳にちりばめ
駆け抜けてくあなたの 光を信じたい
over the times 時(いま)を越えて
英語歌詞。内容はそのまま英訳した感じですが。
I'll always be with you , and we are friends forever more
Don't be afraid anymore , I share this loneliness with you
and open up your eyes , then you can see the dream of sky
you'll change those tears to memories , I'll watchin' your future
believe in yourself , don't give up the fight
baby I'm sure you can make it Changerion
My friend I believe the Light inside you , thorough the darkness into perfect light
over the times , oh my Changerion
Don't be afraid anymore , I share this loneliness with you
and open up your eyes , then you can see the dream of sky
you'll change those tears to memories , I'll watchin' your future
believe in yourself , don't give up the fight
baby I'm sure you can make it Changerion
My friend I believe the Light inside you , thorough the darkness into perfect light
over the times , oh my Changerion
今にして思えば、これはむしろあちらの世界の暁にあわせた内容だったんですよ。
最初から、計画どおりだったんですよ、全部。
古い作品なので、内容に関する情報がほとんどない状態での視聴でしたが、
いま、そのことに対して猛烈に感動している。
ありがとう、これをネタバレなしで見られたのは、本当に幸運だった。
本編の印象が、最終回を知ってるかどうかでガラリと変わる、
本当にすごい作品でした、シャンゼリオン。
もうね、最終回を見てしまったら、初見のテンションで楽しむことは二度とできないな。
なんかもう、井上先生のヒーロー像って、闇が深いし、
闇の中の光の強さもすごいなって思いました。痛々しいほどに。