素晴らしき茜空の会

主に特撮番組の感想文。ブログタイトルは仮面ライダーキバに登場する「素晴らしき青空の会」より。

仮面ライダー555 第46話

2017-08-09 09:20:00 | 仮面ライダー555
オルフェノクは滅ばなければならない。再び現れた花形は、自らの意志を継ぐ者として勇治を選んだ。一方、社長の座を解任された村上は最後の手段として、オルフェノクの王を手に入れるため、巧たちのもとに向かう。


面白くなってきたなぁ。
以下推測混じりに。

・自身がオルフェノクとなった花形は、オルフェノクの運命を変えるために王を探す
・王の器となるべき強運の持ち主を探すため、九死に一生を得た孤児たちを集め流星塾を作る
・試行錯誤の末、オルフェノクに未来はないと気づいた花形は、流星塾生が卒業したのち
  施設を封鎖し、自身は地下へとひきこもる

真理たちが育った流星塾は地上にあったのに、
工事作業員たちが閉じ込められた教室がスマートブレイン社の地下深くにあったというのは、
花形が研究所として使用した施設に、流星塾のものを持ち込んだせいかな。

明らかに黒幕的な立場の花形なんですが、真理や草加はじめ多くの塾生に慕われていたことを考えれば
悪い人間ではなかったと。むしろ公明正大な人物だったんだろうか。

・花形の跡を継いだ村上は、オルフェノクの王を見つけるために
  北崎に依頼して花形の残した流星塾生たちの皆殺しを計画するも
  オルフェノク化した澤田を除く全員が死亡し、計画は失敗に終わる
・新しく王の候補を探すべく、人為的にビル火災などを引き起こし、
  生き残った少年、照夫に目星をつける

「いつか来ると思っていた。きみが、オルフェノクの運命に気づいたとき」
「やはりあなたはご存じでしたか」


前回の南さんの「おまえたちオルフェノクは、けして人間には勝てない」という言葉は、
なんらかの根拠に基づいた発言だったんですね。
村上社長に送られてきた画像がヒントか。
っていうことは、南さんは村上社長の正体に気づいていたのか。気づいたうえで、宣戦布告してきたのか。

「オルフェノクの王さえ覚醒すれば、われわれはたどるべき運命から逃れられるはずだ」
「村上くん。きみの時代は終わった。オルフェノクは滅ばなければならない」


不思議なことに、こうなってくると、
滅びの運命に立ち向かい必死で足掻く村上社長がめちゃくちゃ格好良く見えてくるし、
それに対し「滅びを受け入れる勇気がない」と断言する花形に、なんかモヤッとする。
滅びを受け入れる勇気ってなんだよ。それは諦めであり、逃げじゃないのかよ。

ともあれ。スマートブレイン社は再び戻ってきた花形を支持し、村上を見捨てる。
かつての上司に向かい「はーい、村上さん、ここはもう、あなたの部屋ではありません」
小馬鹿にした態度をとるスマートレディは、劇場版を彷彿とさせますね。

そして、花形の傀儡として新社長となった木場。
花形の思惑が「オルフェノクの滅亡」である以上、木場もその思惑にのっていると見るべきでしょうが、
それでいいのか。共存できないなら、自滅を選ぶのか。

草加。
父である花形を慕う気持ちも残しながら、
オルフェノクである彼を倒す覚悟を決める。

「俺にとってオルフェノクはすべて敵だ。たとえ、それが親であってもな!」

ところで。巧に向けたこの言葉が、すごく印象的でした。

「お前たちのように、オルフェノクであっても人間ぶってるような奴らは、
 いずれオルフェノクからも人間からも恨まれる」


アマゾンズで、自分の価値基準によってアマゾンを狩り続けていた悠は
人間にもアマゾンにも属することなく、ひとり孤独に生きていた。
難しいな。「人間だから」「オルフェノクだから」で判断するのではなく、
人格そのものを見て、どう対応するのが正解だと思うのですが、
そういう生き方が、逆にどちらの組織にもはじかれてしまうとか。
やっぱり、人間は群れて生きる生物だからなぁ。

仮面ライダー555 第45話

2017-08-08 08:00:00 | 仮面ライダー555
結花の死を知った勇治は絶叫の末、意識を失いその場に倒れ込む。同じく結花の死を知った巧は、そして啓太郎は・・・。一方、南雅彦からオルフェノクについての新事実を知らされた村上は、ラッキークローバーを招集し、オルフェノク研究機関の全てを破壊するよう依頼する。


結花の死を知った木場さんや啓太郎が流す大粒の涙が印象に残った45話。

「いずれわかる。俺がなぜ笑うのか。
 おまえたちオルフェノクは、けして人間には勝てない」


勝つことなんて、望んでいなかったのに。
人間とオルフェノクが共に生きられる世界を作りたいと、木場さんは願っていたのに。

そんなわけで。最初にかつての恋人を殺してしまったものの
以降は「人間を守るために」戦い続けてきた木場さんが
とうとう、人間を手にかけてしまう。

逃亡する南の車の前に立ちはだかる木場さん。
素顔なのに、半ばオルフェノクに変化しているような表情の凄まじさよ。

研究所を襲撃するよう村上社長が指示してたので、
破壊したのはラッキー・クローバーのメンバーかと思ってたんですが、
木場さんがやったのかな。木場さんが、研究所員を皆殺しにしたの?

8話、「夢」の回では夢の持つ魅力と魔力を描いてましたが、
今回も、巧がオルフェノクを信じてくれる啓太郎の気持ちに触れる一方、
木場さんは、オルフェノクというだけで多くの銃口を向けられ、大事な仲間を殺されてしまう。
素晴らしさと、残酷さを、同時に見せ付けてくる。切ない。

しかし久しぶりに「オルフェノクに殺された死体は一度立ち上がる」というのを見て
やっぱりえげつない設定だなと思いました。こわいよね死体がしゃべるのって。
万が一にも南さんがオルフェノク化したらどうしようかと思いました。
あんだけオルフェノクを嫌悪していた南さんがオルフェノク化するとか、
それもまた痛快ではありますが。

さて。そんな木場さんの絶望につけこむような形で
花形さんことゴートオルフェノク、久々の再登場です。
強い。あの北崎さんを子ども扱いするレベルで強い。なんで?
次回はスマートブレインに凱旋する模様。なんかすごい展開になってきたぞ。

オルフェノクの王。登場。
しかしオルフェノクを問答無用で殺すスタイルなんですね。

村上社長が待ち望んでいた「王」とは、いったい何者なのか。
そして、南がたどりついた「オルフェノクの謎」とは何なのか。

アマゾン細胞みたいだな!って思いました。
今回の感想ではやたらアマゾンズをひきあいに出してますが、
やっぱり似たテーマなんですね。こちらの方が先行だけど。

仮面ライダー555 第44話

2017-08-04 09:30:00 | 仮面ライダー555
長田さんがメル友の結花さんと同一人物であり、オルフェノクであったと気付いた啓太郎。それでも彼女を受け入れようとする啓太郎のやさしさに結花は涙する。一方、オルフェノクと人間の狭間を揺れ動く勇治。巧は弱気な勇治を叱咤激励するが・・・。


前回、ビタイチ触れなかった「啓太郎と結花のラブロマンス」の件ですが、
まさかの、気持ちが結ばれた直後に片方が命を落とすという、
なんかもうあるある設定からのあるある展開に「おぉぉぉぉぉ!」と慟哭しました。
あるある展開なんだけど、うわぁもうこんなんずるいよ。

けっきょく、眉唾モノで聞いてた「オルフェノクの力を消して人間に戻す研究」が
成功してたんですよね。「変身できてるじゃん!失敗してんじゃん!」と思ってたのに
まさかの時差式だった。それも、最悪のタイミングで効力を発揮してくるとか。

人間に戻れるなら、あの苦しい実験をもう一度受けてもいいと、それほどの覚悟をもって願っていて、
奇跡的にもその願いが叶ったというのに。切ない。

迷惑をかけることになるから、と呟く結花に「かければいいじゃん、迷惑くらい」とか言っちゃう啓太郎の
包容力がめちゃ格好良かった。啓太郎の場合、口だけじゃないもんね。
そういや過去に超絶面倒くさい女の子の相手を、一生懸命やってたよなぁ。
19話。懐かしいな、そういやそんなこともあった。

「だって。たっくんはたっくんだし、結花さんは結花さんだし。
 俺、わかるんだよね。結花さんの心の傷みたいなものが。
 だから、俺がそばにいてあげたいっていうか」


そんな啓太郎の言葉に、「すげぇすげぇ、絶対すげぇ!」と珍しく全開の笑顔を見せる巧。

人間とオルフェノクが共存する世界なんて、本当に実現できるのか。
そんな問題を、難しい理屈じゃなく、気持ちで解決しちゃう人が
こんなに身近に存在していた。
人間だから、オルフェノクだからっていうんじゃなく、
一人の個人として受け入れてくれる人は、確実に存在する。

一方。いままで人間とオルフェノクの共存を唱えていた木場さんが、
ここで弱気を見せる。

「人間を助けるために戦うのが、ちょっと嫌になって・・・」

「君は、オルフェノクであることを自覚し、ずっと普通の人間として生きてきた。
 でも俺は、オルフェノクであることを受け入れて、生きてきたんだ。
 だから、感じ方が違うのかもしれない」


そうだよな。オルフェノクである自分を否定するためにファイズとして戦っていた巧とは違い、
木場さんは自分の運命を受け入れ、つねにまっすぐ歩いてきた。
その彼が、ここで初めて、オルフェノクに襲われてた人間を前に
助けに走ることができず、その場に立ち止まる。そんな自分を自覚する。

正しくあれば、いつかはわかりあえると信じて生きてきたのに、
相手は自分を「オルフェノク」でも「木場勇治」でもなく、「実験体」として扱う。
それを感じた絶望が、このさき巧と木場の行先を大きく違えていくことに、・・・なるんだよね?

なんかもう、滝の手前の急流にいるような気分ですね。
最終回まで、残り6話。

仮面ライダー555 第43話

2017-08-03 08:30:00 | 仮面ライダー555
結花を救出したクラブオルフェノクを守ろうとした巧。しかし雅人は、ベルトを持つ者はオルフェノクを倒さなければならないと告げる。一方、武装警官と戦ってしまった勇治は、結花をつれて家を出る。


なんか。アマゾンズを思い出すなぁと。

アマゾン細胞を持つ者は、人間に似た外見をもっていますが別の生き物だし、
人間を捕食するという性質もあって、
「人間とは共存できない」という理屈においてはオルフェノクをはるかに超えるわけですが。

オルフェノクをかばう巧。
あくまでオルフェノクは倒すべき対象であり、
それを妨害するならお前ごと倒すと詰め寄る草加。
草加の主張はわかるけど、それでも巧は敵ではないと止める三原。

巧は悠であり、草加は仁さんだなと。
三原は・・・うーん、視聴者かな。私自身の考え方に近いような。

「俺も!彼が敵だとは思えない!」

いや、「思える思えない」っていうふわっとした話じゃなくて
ちゃんと考えて行動してんのかよ?っていう。
「敵だと思えるから戦う」「敵だと思えないから戦わない」っていう判断してて
あとで取り返しがつかない事態になったとして、責任とれんの?っていう。

そういう足元の甘さとか、判断の遅さが、視聴者たる私に似てるよなって思いました。

さておき。人間との共存を信じていた木場さんですが、
人間が組織だってオルフェノクの排除に動き出したことで、
住む場所を失い、その自信が大いに揺らぎます。

「俺はいままで、人間とオルフェノクが共存できるって信じていた。
 でも・・・もしかしたら無理かもしれない」
「あんたらしくないな。・・・まぁ、多少のことは覚悟の上だろうけど」
「多少のこと?
 ・・・もしかしたら、俺と君は違う人間なのかもしれない」
「どういうことだよ」
「いや、いいんだ」


どういうことなんだよ!
なんだろうな。木場くんが立ち止まっている問題なんて、
巧から見たら、飛び越えられる壁だろ? ってことかな。

ともあれ。この二人の、
互いが相手を信頼し、尊重しあってるスタンスがすごくいいよな。

村上社長。

「以前は私も、あなた方と同じように思っていました。
 だが普通の人間は、われわれを人間とは認めないでしょう。
 これから、あなたがたが受ける迫害を思うと・・・」


言葉を濁す村上社長。
こうしてオルフェノクの個体数が増えてきた現在ならいざ知らず、
たとえばこの世で最初に生まれたオルフェノクは、たった一人きりの存在として
頼るものもおらず、自分が何者かもわからず、どれだけの苦難を歩んできたのだろう。

とか、ちょっと切なくなったりもしたんですけど、
その社長が南さんに資金提供をして支援してたっつーんだから、お前なぁ!って。

「知りたいんですよ私は。彼ら人間がオルフェノクに対して何をするのか。何ができるのか。
 それを知ることによって、人間対オルフェノクの未来を占うことができる」


二手先、三手先を進んでる者の言葉だな。
ただ、若干気になるのは、「人間たちの行動を封じる」のではなく「未来を占う」としているところ。
村上社長は、この戦いに勝つつもりがないのかもしれない。
かつて、木場くんと同じように「人間とオルフェノクの共存」を信じて裏切られ、
ならば逆に、徹底的にオルフェノクとして振る舞おう、人間の敵として生きることで
その先に何が待っているのか見てやろう。そんな印象もあります。

そんな村上さんに試される人類。

「オルフェノクっていったい、何なんですか。
 もしオルフェノクが人間だったら、ここで行われていることは人体実験ということになります。
 人道的に許されることなんでしょうか」
「よけいなことは考えなくていい」


まぁなんだ。この研究が天地に誓って公明正大なものだったとしたら、
こんな謎の秘密組織みたいな立地でこそこそ行われてるわけないだろーが。

「偽善者が・・・ああいうヤツが、いずれわれわれの敵になる」

この感想文の冒頭で書いた三原くんみたいなね。あるいは視聴者の私みたいなね。
「でもこの人、悪い人じゃないと思うんです」とふわっとしたことを言う圧倒的多数の傍観者こそ、
何の役にも立たないし、大事なところで妨害してくる、一番タチが悪い存在なんですよね。わかります。
オルフェノクに襲われ、組織にわざと誤射される役どころですよ。わかります。

じゃあどうやって生きるのかと。
どうなんだろうな。自分自身の判断基準に従い、人間もオルフェノクも守る巧の生き方は
一番の正解なんだろうが、アマゾンズの悠のように、それは孤独な生き方でもあり。

全てのオルフェノクを殺すという草加の生き方は、
判断基準がわかりやすいけれど、「その判断基準は正しいのか」を見失ってしまうことで
とんでもない過ちを犯してしまう危険があり(たとえば同級生の澤田を殺したのはアウトだよな)。

私は・・・なぁ、南さん寄りだな。一番の悪党テイストですけども。
「人類というのは閉鎖的な、差別的な生き物です」と村上社長にも言われましたが、
異質なもの、理解できないもの、突如変貌し人間を襲いかねない存在が
たとえば隣人だったり、電車で隣り合って座ったり、こどもの同級生だったりするとか
できれば避けたいよなと、実際にそうなったらそう思うだろうなと。

お前はアギトで何を学んできたんだ、と言われても仕方ないなこりゃあっはっはっはっは。

というわけで。今話最大のみどころは結花と啓太郎のラブロマンスだったんですけれど、
一言も触れないままに文字数オーバーしてしまったので、割愛。
一番大事なところを割愛するという大技を繰り出しつつ、次回へ続きます。

仮面ライダー555 第42話

2017-08-02 22:00:00 | 仮面ライダー555
オルフェノク捕獲作戦の標的とされた結花は、思わず反撃して武装警官を手にかけてしまう。警官を襲ったと聞いて自首を勧める直也。勇治は警察にオルフェノクの中にも、自分たちのように人間の心を持っている者がいることを伝えようと考えるのだが・・・。


うーん。

結花を救いにきたたっくん&木場さんは、
倒れた結花のそばにいるオルフェノクを、敵とは認識しなかった。
まぁ事前に「一緒に逃げた」という情報を得てたおかげかもしれないけれど、
オルフェノクである彼らにとっては当然、「オルフェノク=悪」という認識ではないわけですよ。

しかし、草加と三原にとってはそうではない、オルフェノクは無条件で倒すべき敵である。
だって、一瞬の判断ミスで自分が殺されるかもしれないし。

そんな草加たちの行動は理解しつつ、でもやっぱクラブオルフェノクは可哀相だし
たっくんが彼をかばってくれてホッとしたんだけれど、
案の定、「オルフェノクだから、オルフェノクの味方をする」と言われてしまうわけで。
ううううううーん・・・ってなるよね。

つまり。理想を言うならば、「オルフェノクか否か」で判断するのではなく
「何を考え、何を信じ、何を目的に生きているのか」をもとに考えるべきであって。
たっくんがクラブオルフェノクをかばったのも、「自分と同じオルフェノクだから」ではなく
「彼が悪い存在じゃないから」なんですけれど。

ただ。やっぱりたっくんがそういう判断をできるのは、
自身や信頼できる相手としてのオルフェノクがいるおかげだし、
万が一、そのオルフェノクが牙をむいてきたとしても
対抗しうる「力」を持っていることも、大きいと思うんだ。

そう考えれば、たっくんがオルフェノクをかばったのは
「自分もオルフェノクだからだろ?」という言葉も、ある意味正解なんだよな。

たっくんや木場くんのような価値観、判断基準を得るためには
自身が人外の存在に変貌するしかないんだろうか。
・・・などと考えてしまうのだった。

「本当なの?本当に、ホント?」
「あぁ、間違いない。俺たちは人間だ。ずっと、人間のままだ」
「・・・・・・私いまほっとしてる。最低だね私」


たっくんがオルフェノクであっても信じると力強く言い切った真理ですら、
自分がオルフェノクになる可能性に恐怖を感じ、草加の言葉にすがりついてる。

オルフェノク化した存在からオルフェノクの部分を取り除いて
完全な人間に戻せば、もう排除する必要はない。
南さんはそういって、「オルフェノクを救うために」実験を繰り返すんですが、
彼の態度からは、オルフェノクに対する嫌悪しか見えないのだった。

アマゾンズにも似た展開ではありますが、
オルフェノクの絶対数が少ない状況では、人間は必死になってかれらを排除しようとするし、
その状況を変えるためには、オルフェノクの数を増やして人間を圧倒するしかないのか。
共存は、難しいよな。